先日、スーパーGTのレース再開がアナウンスされ、国内レースがいよいよ動き始める。約2カ月間におよぶ“おうち時間”を国内のトップドライバーたちはどのように過ごしていたのか。普段の生活の様子やトレーニング事情、そして来月に控えた開幕戦に向けての意気込みについてリモート取材を行った。
第6回は、スーパーGT GT500クラスで2度のタイトル獲得経験を持ち、今年、ニッサン陣営から2年目の参戦を迎える平手晃平だ。
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Q:3月の岡山テスト以降、どのような生活をしていましたか?
平手晃平選手(以下:平手):外出は控えて、ニスモから送られてくるトレーニングメニューを自宅で行ったり、できるだけ人がいる場所は避けてランニングをしたりしていました。
Q:自宅でのトレーニングはどのようなメニューですか?
平手:体幹トレーニングがメインです。レーサーとして必要な基礎的な部分は若いころに作っていて、僕ぐらいの年齢になるとスーパーGTで戦うための筋力は十分足りています。いまは長時間のドライブに耐えられるように持久度を高く保つためのメニューをしています。
Q:トレーニングの内容はオフシーズンとシーズン中で変わりますよね?
平手:オフシーズンはシーズン中にはやらないようなメニューで自分の体を体力の限界まで追い込みます。「こんなことキツくてやってられん!」というくらい追い込むとシーズン中はだいたいのことを耐え凌げられますね(笑)。
Q:シミュレーターをトレーニングに使用しているドライバーもいますが、平手選手は取り入れていますか?
平手:僕はシミュレーターをメインにしたトレーニングは行っていません。2019年はレース前にサーキットを予習しておいたり、ドライブ中のアイポイントにクセがあるので、修正点やアドバイスなどをもらうために活用はしていました。シミュレーターをプレイしない代わりに、過去のレースのオンボード映像などを見てイメージトレーニングはしています。過去の映像を見て、いいライン取りやいいアタックができたときの周などを忘れないように頭にインプットしている感じです。
Q:平手選手がYouTubeチャンネルを始めたきっかけを教えてください。
平手:もともと、今年の開幕戦までにYouTubeには力を入れていこうと決めていました。結果としてこの自粛期間に始まってしまいましたが、いろんな層のファンの方にモータースポーツやスーパーGTのことを知ってほしいと思ったことがきっかけです。
Q:YouTubeを始めてから苦労したことはありましたか?
平手:新型コロナウイルスの影響で外でできることに制限があり、どうやってオンラインでうまく面白さを伝えていくのか、自分らしいところをどう見せようかなどの難しさはありました。
Q:平手選手のYouTubeチャンネルを見ましたが、本山哲さんが出演されている動画には驚きました。
平手:過去のレースを振り返る企画を考えていたときに、僕が2019年にニッサンに移籍した縁もあり、本山選手を呼んでみようという話になりました。ですが、そもそも本山選手とちゃんと話すようになってからまだ日が浅いですし、そんな大大大先輩をYouTube動画に呼ぶなんてどうなのかな? とは思いましたね(苦笑)。でも、本山選手もこんな状況のなかで、少しでもモータースポーツファンの人に喜んで欲しいという思いもあったので「協力するよ」と、本当に快くオファーを受けてくださいました。
Q:今後はどのような企画を考えていますか?
平手:いまはレースロスになってしまっているGTファンの人に向けて、YouTubeを使って何かを届けられたらと思っています。この自粛期間が終わって、シーズンが始まればレースのことをアップしていこうと思っています。じつはもうひとつ仕込んであるので、公開まで楽しみに待っていて下さい!