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スーパーGT ニュース

投稿日: 2020.06.26 14:55
更新日: 2020.06.26 14:58

スーパーGT:TGR TEAM SARD脇阪寿一監督、コバライネン不在も山下起用を「ポジティブに」

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スーパーGT | スーパーGT:TGR TEAM SARD脇阪寿一監督、コバライネン不在も山下起用を「ポジティブに」

 6月27〜28日に富士スピードウェイで行われる公式テストで、いよいよふたたびシーズン開幕へ向けて動きはじめる2020年のスーパーGT。今季TGR TEAM SARDに加わった脇阪寿一監督に、富士公式テストに向けて、そして2020年はどんなシーズンになりそうかを聞いた。

 2019年に大嶋和也と山下健太をチャンピオンに導き、今季はかつて2012〜2013年にドライバーとしても在籍したTGR TEAM SARDに加わった寿一監督。名門復活に向け体制も大幅に変更されたチームを、常勝チームへ育てるべく寿一監督にかかる期待は大きい。

 メーカーテストを経て、3月に行われた岡山公式テストでは、さっそく監督としてチームを牽引したが、来たる富士公式テストに向けては「基本的にはイチからになるでしょうね」という。岡山公式テストでは不具合もあり、まだ“新生TGR TEAM SARD”としての船出を切ったばかり。岡山では「予行練習のようなイメージですね」という。そのため富士は「新たに仕切り直す」テストだ。

 ただそんななか、新型コロナウイルスの影響がTGR TEAM SARDにも降りかかった。フィンランドに戻っていたヘイキ・コバライネンが再来日できず、6月26日付けでエントリーが取り消されてしまった。第3ドライバーに起用されたのは、昨年寿一監督とともにチャンピオンを獲得した山下で、中山雄一とともにドライブすることになる。

 しかし寿一監督は「今回ヘイキが帰って来られず残念ではあるのですが、逆にそれをポジティブにとらえたいと思っています」と長年TGR TEAM SARDのエースとして活躍しているコバライネンの不在も、チャンスとして捉えようとしている。

「スーパーGTでチャンピオンを獲るためにはどういうことが求められ、どのレベルで何をするかだと思うんです。それを知っている山下選手がTGR TEAM SARDに入ってくれることはすごくありがたい」

「僕は何年かかっても、TGR TEAM SARDをチャンピオンが獲れるチームにしたいと思っている。岡山で僕がチームに注文した内容も、分からない人がいたかもしれない。でも僕が理想として言った内容が、山下選手のコメントや、いろいろなことを通じて、少しでもチームへの“気づき”になればと思っているので、彼が来てくれることはポジティブに働くと思っています」

6月27日からスタートするスーパーGT富士公式テスト不参加となったヘイキ・コバライネン
6月27日からスタートするスーパーGT富士公式テスト不参加となったヘイキ・コバライネン
2020年のスーパーGTに挑むDENSO KOBELCO SARD GR Supra
2020年のスーパーGTに挑むDENSO KOBELCO SARD GR Supra

■脇阪寿一監督の“2020年予想”は

 さて、来たるシーズンに向けて、TGR TEAM SARDをはじめトヨタGRスープラ勢は「スープラ復活」のシーズンで果たさなければならないことがある。もちろんそれは「デビューウイン、デビューイヤーのチャンピオンは一度しかチャンスがない」と寿一監督が語るとおり、復活を華々しく飾ることにある。

 寿一監督は、GRスープラ勢について「TOYOTA GAZOO Racingとして、(全体が)そこそこいけるのではないでしょうか」と予測する。

「開発を担当してきた立川祐路選手が『今まで作ってきたレーシングカーのなかで、いちばん完成度が高い』というコメントをしています。あれだけのドライバーが言うくらいですから。その言葉を信用したいし、TGR勢のタイムも岡山公式テストでは拮抗していましたよね。完成度が高いクルマはタイムが拮抗しますから。それが物語っている」

「レギュレーション上、各メーカーとのパワーバランスもありますが、TGRとしてはいい状態だと思っています。GRスープラの“復帰”の年なので、きちんと6台12名のドライバーが意識して頑張って欲しいですね」

 とはいえ、ライバルたちもTGR勢に対して開発を進めており、戦力バランスについては「まだ分からない」と寿一監督。「とにかく自分たちがやることをきちんとやること。そして新型コロナウイルスによる混乱がありましたが、ふだんはレースがなくても努力はできる。完成度を高めたり、開発できたり。それが一切止まったことで、どうモチベーションを上げられるか。スタートダッシュを決められるかも、差が出てくると思う」と分析する。

「TGR TEAM SARDで考えれば、総合点はまだ低いかもしれませんが、使える要素もいくつかあります。そういう点がポジティブに働けばいいな、と思っています」

 そんな2020年シーズンだが、新型コロナウイルスの影響で開催コースは富士、鈴鹿、もてぎのみとなり、まったく予想がつかない。今までにないシーズンとなりそうだ。寿一監督に予想を聞いても「分からへん(笑)」というのが正直なところだ。

「でも、やっぱり強いチームが強いですよ。始まったばかりのレースではないし、強いチーム、ドライバーと総合力が見極められるシーズンになるんじゃないかな。それと、各メーカーの新型コロナウイルスに対する対策と、その影響のなかで“やってはいけなかったこと”のガイドラインが違ったと思うんです。それもシーズンに影響するかもしれません」

「クルマ、タイヤとさまざまな係数が加わって、最終的にどんな結果になるのか楽しみですね」

2020年のスーパーGTに挑むDENSO KOBELCO SARD GR Supraのヘイキ・コバライネンと中山雄一
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2020年のスーパーGTを戦うGRスープラGT500
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