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スーパーGT ニュース

投稿日: 2020.08.10 09:09
更新日: 2020.08.10 09:43

30kgのWHで2位。ランクトップとなった関口×フェネストラズとau TOM’S GRスープラの化学反応《第2戦GT500決勝あと読み》

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スーパーGT | 30kgのWHで2位。ランクトップとなった関口×フェネストラズとau TOM’S GRスープラの化学反応《第2戦GT500決勝あと読み》

 スーパーGT第2戦富士の決勝ではKEIHIN NSX-GTが2番手に15秒差をつけて独走で優勝を飾ったが、その2番手のau TOM’S GRスープラは30kgのウエイトハンデを搭載しながら、3番手に17秒差をつけての2位表彰台を獲得した。今回の2位でau TOM’S GRスープラはランキングトップに浮上したが、そのパフォーマンスを支えていたのが、関口雄飛の圧巻の走りとau TOM’S GRスープラのチーム力だった。

 66周レースの終盤、55周目に関口は自己ベストの1分30秒145のラップタイムをマーク。その時点で1分30秒台で走行していたのはトップのKEIHIN NSX-GT塚越広大と関口だけだった。30kgのウエイトハンデを考えれば関口の速さはズバ抜けていて、レース後の塚越に「後ろからすごい勢いで迫ってくるクルマもあって苦労しました」と言わしめる走りを見せていた。その関口にレース終盤の心境を聞いた。

「前半スティントが30周行かないくらいでピットインして後半スティントが長かったですが、ずっとプッシュはしていました。前とは17秒差があったので、追いつくのは無理かなとは思いつつも、タイムがガクッと落ちたときとか、前のタイヤがタレたりしてチャンスがあったときのためにとにかくプッシュしていました」と関口。

 関口と36号車au TOM’S GRスープラは今回、共通の目的を抱えていた。前回の開幕戦、2位表彰台を獲得したものの、優勝は同じチームでもある37号車のKeePer TOM’S GRスープラに奪われ、しかもセーフティカーが入って最後は2台のギャップが近かったとはいえ、レースでは一時19秒ものギャップを築かれ、KeePerの独走を許してしまっていた。

「開幕戦の時は開幕戦のクルマはアンダー/オーバー(ステア)があって37号車と差がありましたけど、開幕戦は選んだタイヤも違ったので、一概にセッティングだけの違いとは言えません。今回、36号車の方がウエイトがちょっと軽い(12kg)ですが、自分とエンジニア、チームとサッシャのトータルパッケージでそのウエイト以上の差を出すことができたと思っています」と振り返る関口。

 au TOM’S GRスープラの伊藤大輔監督も1戦目からの巻き返しについて話す。「36号車は前回のラウンド1で37号車に対して若干、パフォーマンス的に差があった。その差を今回、どうしても埋めたくて、いろいろセットアップとか変えてきた部分はあります。現場に来てから細かいアジャストをして、ドライバーとエンジニアと監督含めて、次のセッションに向けての方向性とかをうまくディスカッションできたと思っています」

 その結果、「今回のクルマはオーバーステアもアンダーステアも消えていました。今回はGRスープラ陣営のなかでクルマは一番良かったと思っています」と関口が話す、理想的なセットアップに仕上がった。

 さらにそこに、関口ならではのレースに対してのマインドが注入された。

「レースの中盤から最後に行けるように考えて、今回はセットアップを作ってきました。特に自分の場合、後半スティントの周回数が多いのでレースの後半以降、行けるように走りも全体をマネジメントしていましたね」と関口。

「今回は自分の考えと、チーム、エンジニアの考えがうまくまとまって結果に表れたと思います。自分の理想、レースウイークの捉え方が今回フィットすることができて、それがタイムにも出て、後ろを離せたのだと思います」と続ける。

 関口の言葉を促すように、伊藤大輔監督が話す。

「ウエイトが重い割には今回はクルマも非常に決まっていたと思うし、なにしろふたりのドライバーが冷静にクレバーな走りをしてくれた。昨日の走り出しから、短い時間のなかで意見を出し合いながら細かい部分を少しずつ決勝に向けて良くしていけけましたね。最終的には関口が決勝の後半のことを考えて、悩みながらもセットアップを細かく決めて、それでサッシャ(フェネストラズ)もうまく走れたし、見ていて非常に安心していました」と伊藤監督。

 伊藤監督はさらに、今年の関口の人間的な変化を感じているという。

「雄飛もトムスで今年3年目の経験があって、別に落ち着いたわけじゃないけど(苦笑)、物事を冷静に考えられるような成長した部分があって、サッシャとふたりでいい仕事をしてくれています」
 
 これまでの速さに加え、円熟味を増した関口と、関口も「人間的も問題ないし、速いでのいい刺激になっています」と新人ながら一目置くチームメイトのパフォーマンス。新しいパッケージとなったau TOM’S GRスープラがKeePer TOM’S GRスープラとともに、今後もシリーズの中心になっていきそうな気配だ。

2020年スーパーGT第2戦富士 au TOM’S GR Supra(関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ)
2020年スーパーGT第2戦富士 au TOM’S GR Supra(関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ)


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