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スーパーGT ニュース

投稿日: 2020.08.21 14:25
更新日: 2020.08.21 14:27

ニッサン陣営内、富士で見えたわずかな光と解決すべき課題「混戦の中での再加速の動力性能」

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スーパーGT | ニッサン陣営内、富士で見えたわずかな光と解決すべき課題「混戦の中での再加速の動力性能」

 以前、スーパーGTに初めて出場したGT300ドライバーが、レース中のGT500のマシンに対して「殺す光線が出ている」と表現したことがある。バチバチにやり合いながら追い抜いて行く様に、殺気を感じたというわけだ。

 また、GT500ドライバーのなかにも「スタート担当はやりたくない」と言う者もいる。「殺す光線」を出している者同士が、レース中もっとも接近する瞬間がスタート直後であり、何かが起こりそうな気がするからである。そんな雰囲気に飲み込まれるようでは、この世界ではやっていけない。

 今季GT500ルーキーの平峰一貴は、開幕戦の決勝は後半担当だった。しかし、オープニングラップでアクシデントに見舞われ、自身は走る機会を得られなかった。

 今回はスタートを担当し、無事“デビューレース”を走り切ることができた。GT500のレースはどのように映ったのだろうか。

「スタートはめちゃくちゃおもろかったです。次は予選でもう少し前に行って、みんなと少し当たってもいいから戦いたい」

 淡々と、でも目をギラつかせながらそう語る。レーシングドライバーには二種類のタイプがいる。「単独でとにかく速く走ることが好き」なタイプと、「相手とバトルをすることが好き」なタイプ。平峰には後者の「バトル上等」な性質が見え隠れする。

 昨年までGT300で相棒だったサッシャ・フェネストラズはトムスに移籍し、今季はライバルとして戦う。

「そりゃ意識しますよ。予選のときあいつが前を走っていて、『後ろから見るとこんな感じなんや』って、思いながら走っていました。決勝も(フェネストラズとのバトルは)楽しかった。最後は抜かれはしたけど、いいバトルができたかなと思いました」

 レース後の周囲の平峰に対する評価は高く、インパルの大駅俊臣エンジニアも「よくがんばった。いまの状況ではベスト」と語っていた。

 今回、チームでは平峰に集中してプログラムを組んだことが奏功したようだ。ルーキーである平峰を早く順応させることが、チーム全体の底上げにつながると考えたのである。そのため公式練習では平峰のみニュータイヤを履き、経験のある佐々木大樹は予選まで履かなかったくらいである。

 平峰は、現在の目標を「行き倒すこと」だと言う。つまり限界まで攻め抜いて走る、ということだ。公式練習でたっぷり走り込めた平峰は、予選Q1をニッサン陣営最上位である3番手で帰って来た。

 そのアタックは「行き倒せた」と言う。決勝もフェネストラズに抜かれただけで、4番手で佐々木につなげている。ルーキーの“デビュー戦”としては、充分な働きをしたと言えるだろう。

 今季の新人はイキのいい者が多く、平峰もまたそのなかのひとりとして台頭していきそうだ。

2020年スーパーGT第2戦富士 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正)
2020年スーパーGT第2戦富士 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正)

■GT-Rの劣勢が否めない。課題は混戦での強さ


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