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スーパーGT ニュース

投稿日: 2020.08.21 19:40
更新日: 2020.08.21 20:14

悔しさを糧に野尻「自分の道を進んでいければいい」巻き返しが期待されるARTA、ZENT、MOTUL【第3戦鈴鹿プレビュー】

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スーパーGT | 悔しさを糧に野尻「自分の道を進んでいければいい」巻き返しが期待されるARTA、ZENT、MOTUL【第3戦鈴鹿プレビュー】

 ドライバーズランキングでトップ3を占めるGRスープラ勢に対して、ホンダNSX、ニッサンGT-Rはどう対抗するのか。スーパーGT第3戦はこれまでの富士スピードウェイから場所を変えて、鈴鹿サーキットで戦われる。メーカーの戦いだけでなく、これまでの2戦で思うような成績を残せなかったチームにとっても、サーキットが変わる今回の鈴鹿は大きな転機になってくる。

 今回の第3戦鈴鹿で、優勝候補の筆頭に挙げられるのが#8 ARTA-NSX-GTだ。前回の第2戦富士ではポールポジションから決勝中盤までトップを守り続けていたが、ピットアウト後のアウトラップで#17 KEIHIN NSX-GTに迫られ、ダンロップコーナー立ち上がりで痛恨のスピン。ARTAは絶好のチャンスを逃すことになってしまった。

 そのスピンを喫してしまったARTAの野尻智紀に鈴鹿の金曜日、話を聞いた。当然、今回の鈴鹿に向けて並々ならぬ想いや、気合いが入るレースになると心中を察するが、野尻のリアクションは意外なものだった。

「気合はどうだか分からないですけど、不安しかないです(苦笑)」と、いきなりカミングアウトする野尻。

「やはり心配事としては鈴鹿ではテストもしてないので。(開幕前のテストでは)17号車しかここを走っていないですし、ウチの今のクルマがマッチするかどうかもわからない状況です。今年のクルマの特性や多少なりとも癖など、どういうものがあるのか非常に予想しづらいところがあるので、実際走らせてみないとわからない。コンディションもどうなるかといったところなので、より心配事は増えますね」と続ける野尻。

 前回のスピンは、野尻の中ではもう吹っ切れているのだろうか。

「チームとしてはもちろんよくないリザルトですけど、個人的にはああいったことがあって、実際、どうしてそういうことになってしまったのかを深く考えたし、それによって得られたものが、必ずあると思うんです」

「最初に話したとおり、心配だったり不安な点が鈴鹿に来ていくつかありますけど、そういったものをどう解決していくか。心配だからと言って勝てないとかではなくて、どれだけパフォーマンスを上げれるかという意味での心配です。そういったものをひとつひとつ解決していくことは僕らにはできると思っていますし、僕自身にもそういった方向へ持っていく力はあると思っています。心配事は心配事としてしっかりと受け止めながら、自分と向き合って良いパフォーマンスが出せるようにやっていきたいなと思います」

 これまでフォーミュラを含めて、予選での野尻の速さは多くの関係者が認めてるものの、予選が目立ってしまっている分、決勝で順位を下げてしまうと、それはそれで目立ってしまうという、野尻ならではの苦しい状況もあった。

「自分でいうのもあれだけど予選が目立ちすぎているので、その落差みたいなものでみんな気になってしまいますよね。レースは決勝で勝ってナンボというところはもちろん理解しているし、むしろそれがメインですけど、逆にそういう得意不得意も人それぞれあると思う。みんながみんな完成された人間ではないので、自分の道を進んでいければいいかなと思います」

 我が道を行く野尻。その力強い言葉はライバルメーカー、そしてライバルチームにとっては今回、大きな脅威となりそうな予感だ。

2020年スーパーGT第3戦鈴鹿 搬入日の野尻智紀(ARTA NSX-GT)
2020年スーパーGT第3戦鈴鹿 搬入日の野尻智紀(ARTA NSX-GT)

 野尻と同じく、前回の第2戦でどん底とも言える低迷を見せたのが#38 ZENT GRスープラだ。現在ドライバーズランキング5位で、悪くないポジションとも言えるが、好調ブリヂストン勢+GRスープラのなかではトップ3に大きく遅れを取る形になってしまっている。ZENTの石浦宏明が話す。

「もちろん、今回、勝たなきゃいけないレースだという認識はあるのですけど、冷静な目で見れば空力的にダウンフォースが大きそうなNSXが開幕直前の鈴鹿テストでも速かったのを目の当たりにしているので、勝つのは簡単ではないなと思っています。NSXは岡山テスト、そしてこれまでの2戦の富士を見ても、速い場所はいつも同じハイスピードセクターなので、この鈴鹿はクルマの特性にドンピシャなのかなと想像しています」と、冷静な石浦。

■新しいトライで挑むZENT GRスープラ、復調気配のMOTUL AUTECH GT-R


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