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スーパーGT ニュース

投稿日: 2020.08.23 09:45
更新日: 2020.08.23 11:33

ARTAにRAYBRIG、カルソニック。鈴鹿で有力候補と見られた3台のまさかの予選低迷サプライズ《GT500予選あと読み》

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スーパーGT | ARTAにRAYBRIG、カルソニック。鈴鹿で有力候補と見られた3台のまさかの予選低迷サプライズ《GT500予選あと読み》

 今回のスーパーGT第3戦鈴鹿の予選で、優勝候補に挙げられながら、予想外の結果となってしまったチーム。ARTA NSX-GT、そしてカルソニック IMPUL GT-R、RAYBRIG NSX-GTの3ドライバーに予選後聞いた。

 Modulo NSX-GTのぶっちぎりのポールポジション獲得がサプライズならば、前回ポール獲得でウエイトハンデも前回と同じのARTA NSX-GTの予選14番手もまた、まさかの驚きだった。しかも、マシンのアクシデントやトラブルがあったわけではない。なのに、なぜ……ARTAの野尻智紀が話す。

「走り出しから、何が起きているのか、正直、これだと言えないくらい、いろいろなことが起きていて、それが単純に車高の上げ下げとか、スプリング/ダンパーのレートの上げ下げとか、ロール剛性の前後バランスとか、そういったレースウイーク中の通常のセットアップ変更で解決できなさそうなものがずっとありました」と、鈴鹿の予選日を振り返る野尻。

 不可解なのが、前回優勝の17号車KEIHIN NSX-GTは40kgのウエイトハンデを搭載しながら、8kgのウエイトハンデのARTA NSX-GTを大きく先行する予選7番手を獲得した。

「もちろん、ホンダとしてチーム全体で情報は共有しているので、ライバルチームが何をしているのかは分かるんですけど、そっちの方向に寄せて行っても、全然、程遠いクルマの動きというかパフォーマンスの差がある。乗っていても違和感があるので、この動きだったらタイムは出ないだろうなという動きをずっとしてしまっている。そこは直さなきゃいけないんですけど、今は何が原因かしっかり探っている状況です」と、迷宮に入ってしまった感があるARTAと野尻。

 前回の第2戦富士では、KEIHIN NSX-GTとともに圧倒的な速さを見せていたのに、なぜ、この鈴鹿でここまで急転してしまったのか。野尻は第1戦、第2戦の富士でもこの予兆を感じていたという。

「実は前回の富士のときにも似たような状況があって、ただ、予選一発や決勝でもパフォーマンスはよくて、それなりに走れてはいたんですけど、個人的には嫌な違和感をずっと感じていた。それが鈴鹿に来て、大きく悪い方向にパフォーマンスでも出てしまったというところがあります」

 決勝でのアウトラップのスピンも、この違和感に要因があるようだ。今回の鈴鹿でも、コーナーでのリヤの挙動に違和感があるという。

「リヤのグリップが足りない。鈴鹿ではダンロップコーナーを上っていくところなどは、リヤのグリップがしっかりあればアクセルを踏みっぱなしで行けたり、ちょっと戻したりのアクセルのコントロールで行けるのですが、今はそのコーナー手前でアクセルを抜いて、恐る恐るリヤのグリップをたしかめながらアクセルを踏むような状態にしないと走っていけない。悩みどころですね」

 練習走行から、いろいろセットアップの変更をためしてみたが、良くなる兆しが見えないというだけに、根が深そうな問題のようだ。そして、同じような傾向はRAYBRIG NSX-GTにもあるようだ。

山本尚貴(RAYBRIG NSX-GT)
山本尚貴(RAYBRIG NSX-GT)

 RAYBRIG NSX-GTは山本尚貴が予選Q1をギリギリの8番手で通過。予選Q2は牧野任祐が担当したが、順位をアップできず8番手のままとなってしまった。牧野はアタックラップでミスをしていた。

「デグナーふたつ目で失敗して縁石に乗っかって亀のようになって、飛び出してクラッシュしそうになったので、まずはクラッシュしなくてよかったですけど、アタックラップは自分のミスです」と牧野。

 ミスがなければKEIHIN NSX-GTと同等以上のタイムはマークできていただろうが、「普通に走れていたら、もちろんもっと上位には行けたと思いますが、ポールポジションとかのタイムは全然見えていないので、もうちょっと、いろいろ考えながらやらないといけないかなと思っています。クルマのフィーリングも正直、良くないので、まだ予選に関しては前回の富士の時の方がクルマは決まっていたかなと思います」と、やはりARTAと同じく、得意なはずの鈴鹿でのまさかの結果に肩を落とす。

 牧野と同じく、予選アタックのデグナーふたつ目で飛び出してしまったのが、カルソニック IMPUL GT-Rで予選Q1を担当した平峰一貴だ。

「デグナーのふたつ目の出口で飛び出して、失敗してしまいました。もったいないです。クルマのフィーリングは悪くないです。タイムを見ていると、Q1を突破できると思っていましたので、本当に悔しい!」

 有力候補と見られたARTA、RAYBRIG、カルソニックの3台。決勝では、どこまで巻き返しを見せることができるだろうか。

カルソニック IMPUL GT-R
カルソニック IMPUL GT-R


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