レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

スーパーGT ニュース

投稿日: 2020.10.04 16:11
更新日: 2020.10.05 11:25

WH軽量組低迷で予選から勢力図一変。DENSO KOBELCO SARD が今季初勝利【第5戦富士GT500決勝】

レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る


スーパーGT | WH軽量組低迷で予選から勢力図一変。DENSO KOBELCO SARD が今季初勝利【第5戦富士GT500決勝】

 2020年3度目の開催となった富士スピードウェイでの2020年スーパーGT第5戦GT500クラス決勝は、39号車DENSO KOBELCO SARD GRスープラのヘイキ・コバライネン/中山雄一組が5番手スタートからの逆転劇で今季初優勝。2020年シーズン最初の観客動員レースで、うれしい勝利を手にした。

 10月4日開催の66ラップ決戦は前日予選も曇り空だったが、決勝前12時10分開始のウォームアップ走行時でも晴れ間は見えず。決勝スタートの13時30分には気温21度、路面温度29度と、事前予想よりも低い気温レンジの状況に。湿度も76%と、新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の影響で、これが2020年初のサーキット現地観戦となったファンにとっては、ある程度すごしやすい気候での”観戦日和”となった。

 そんな初の観客動員実現でファンの応援を背に争われた前日予選では、ARTA NSX-GTの福住仁嶺が後続をコンマ5秒突き放す驚異のタイムで自身初のGT500クラスポールポジションを獲得。不運続きの前半戦を取り返す走りを見せると、同じくここまで決勝では結果に恵まれてこなかったカルソニック IMPUL GT-Rがフロントロウ2番手を確保。

 セカンドロウにもトヨタ陣営の19号車WedsSport ADVAN GRスープラ、ニッサン陣営の24号車リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rとヨコハマタイヤ装着車が並び、上位から4台は8kg、0kg、6kg、2kgと、積算ウエイトハンデの少ない軽量組が続くグリッドに。

 一方、ランキング上位勢は軒並み搭載ウエイトが50kg以上の領域で課される燃料リストリクターの流量ランクダウン措置を受け、前半戦2勝で選手権首位のKEIHIN NSX-GTは3ランクダウンの影響で最下位15番グリッド。36号車au、37号車KeePerのTOM’S GRスープラ勢は10番手、11番手と1ポイントでも多くの加算を狙い、決勝は後方からの追い上げを期す形になった。

 フォーメーションラップを経てコーナーへと飛び込んだ隊列だが、このオープニングの攻防でいきなりのアクシデントが発生。ポールシッターARTAのアウト側から首位奪取を狙ったカルソニック IMPUL GT-Rが止まりきれずにオーバーシュートすると、その背後では7番手争いのCRAFTSPORTS MOTUL GT-RとRed Bull MOTUL MUGEN NSX-GTがクリッピング付近で接触。

 これでRed Bull MOTUL MUGENの武藤英紀がスピンを喫すると、なんとかコースに留まったCRAFTSPORTS千代勝正も、続く2コーナーでボンネットが吹き飛びコカコーラコーナー先でストップ。その破片が最後尾のKEIHINベルトラン・バゲットの頭上に落下し、間一髪の状況で切り抜けていく。

 その余波で、スピンしたRed Bull MOTUL MUGEN NSX-GTを避けた38号車ZENT GR Supra立川祐路も14番手まで大きくポジションを落としてしまう。

 一方、その1周目にジャンプアップを果たしたのが1コーナーの首位攻防を背後で見ていた4番グリッドの24号車リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rで、そのままBコーナー進入でARTAのアウト側から仕掛け、高星明誠が首位浮上に成功する。

 しかしここでコース上のデブリ除去(3号車のボンネット)の必要からいきなりのセーフティカー(SC)導入となり、リスタート後のタイヤ発動を見据えて仕切り直しの展開となる。

 5周目突入でSC解除になると、各車ウィービングを見せながらホームストレートを通過し1コーナーへ。先頭の24号車リアライズコーポレーションとARTAに続き、同じくオープニングの混乱に乗じて3番手に上がっていた23号車MOTUL AUTECH GT-Rのロニー・クインタレッリも続いていく。

 すると続く周に向けニッサンのエースカーにロックオンしたカルソニック佐々木大樹が、スリップから抜け1コーナーでオーバーテイク。その後方では100号車RAYBRIG NSX-GTの牧野任祐も、KeePer TOM’S GRスープラのニック・キャシディとのサイド・バイ・サイドを制して、コカコーラコーナー手前で7番手に上がってくる。

 10周目に入るとModulo NSX-GTのペースが落ち始め、Red Bull MOTUL MUGENの武藤とZENT立川が前へ。続く11周目の1コーナーでは、前のラップでディフェンスされたDENSO KOBELCO SARD GRスープラのヘイキ・コバライネンが、19号車WedsSport ADVAN GRスープラを仕留めて5番手を取り戻す。

 一方、セクター3でGT300の隊列に行く手を阻まれた好機を掴み、13周目のホームストレートに向け首位24号車の背後をとったARTA福住は、続く1コーナーのアウト側からかぶせて首位奪還に成功。NSX-GTを先頭にリアライズ、カルソニック、MOTUL AUTECHと3台のGT-Rが追う展開へと変わっていく。

 しかし早くもその牙城を崩したのは好調DENSO KOBELCO SARDのコバライネンで、14周目の100RでGT300に詰まっていたMOTUL AUTECHを仕留め、4番手へ。するとここで12号車カルソニックの佐々木に「黄旗区間追い越し」のペナルティが下り、16周目終わりでピットレーンのドライブスルーを消化して最後尾へと下がってしまう。

 これで5番手争いとなった19号車WedsSport国本以下は、17周目の最終コーナーからRAYBRIG牧野と横並びで立ち上がり、アウト側へ弾き出されながらも、GRスープラの最高速を活かしてホームストレートで追いすがると、37号車KeePerのキャシディもこのバトルに加わり、3ワイドで1コーナーへ。

 ここで小さな勝利を手にしたのはキャシディで、国本はRAYBRIG牧野の背後へ。ここで19号車にはタイヤのドロップダウンが訪れたか、au TOM’S GRスープラのサッシャ・フェネストラズ、WAKO’S 4CR GRスープラの大嶋和也、21周目にはRed Bull MOTUL MUGENの武藤にも先行され10番手へと下がってしまう。さらに25周目にはリストリクター3ランクダウンのKEIHINにもパスされたことで、WedsSport国本は25周終わりでピットへと向かっていく。

 一方で、19号車と同じタイヤ銘柄を装着しながらここまで好調さを維持するのが2番手リアライズの高星で、首位ARTAを追い詰め秒差圏内でレースを進めていたが、26周目には早めのピットへ。39秒1の静止時間でヤン・マーデンボローへとチェンジし、同じ周回ではMOTUL AUTECHやカルソニック、WAKO’Sなどもタイヤ交換に入ってくる。

 それに反応したARTAも27周目にピットへ飛び込み、野尻智紀へとバトンタッチし35.1秒の静止時間でトラックへと復帰していくと、100号車RAYBRIG山本尚貴の前7番手でコースへ。しかしタイヤのウォームアップに時間が掛かり、そのRAYBRIG山本と24号車リアライズの2台ともども先行を許す展開となる。

■次のページへ:チームに”復帰”した脇阪寿一監督に待望の勝利をプレゼント


関連のニュース