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スーパーGT ニュース

投稿日: 2021.01.21 14:30
更新日: 2021.01.21 14:38

スーパーGT:加藤寛規×阪口良平、ロータス×ブリヂストン。ドライバーたちが語る期待と課題

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スーパーGT | スーパーGT:加藤寛規×阪口良平、ロータス×ブリヂストン。ドライバーたちが語る期待と課題

 1月15日、2021年のスーパーGT GT300クラスにロータス・エヴォーラMCで参戦することになったmuta Racing INGING。発表に向けて、ステアリングを握ることになる加藤寛規と阪口良平のふたりが、新体制へ向けての期待と課題を語った。

 これまで発表されている2021年のGT300クラスの参戦体制のなかでも、大きな話題のひとつと言えるmuta Racing INGING。1年をかけて参戦継続を模索してきたCars Tokai Dream 28と、さまざまな事情からコラボレーションを探していたINGINGの思惑が一致し、ロータス・エヴォーラMCを使用し加藤と阪口のコンビ、ブリヂストンというパッケージでの参戦が決まった。

 加藤によれば、2021年のチーム体制については「基本的には去年までのロータスのメンテナンスガレージでやります」というが、INGING側のスタッフも加わり、「一緒にやるかたち」になるという。ロータス・エヴォーラMCについては加藤とCars Tokai Dream 28に、ブリヂストンについては阪口とINGINGにノウハウがあり、それらをうまく融合させたいという考えだ。

 そして今回、初めてコンビを組むことになる加藤と阪口だが、お互いの印象について加藤は「どのカテゴリーでも前を走っているドライバーですし、甥の(阪口)晴南がTODA RACINGで走っているとき(加藤はスーパーフォーミュラ・ライツのTODA RACINGで監督を務める)に、コースで話したり電話で話したりはしていました。そういう意味では面識はありましたね。知らないドライバーではないし、何に乗っても速いのだろうな、と思っていました」と阪口を評する。

 一方、阪口は加藤について「僕はフォーミュラ出身で、加藤さんがF3で走っているときにマカオに行ったりというの観ていました。あとは年齢は最近知ったのですが、意外と僕と差がありました(笑)。昨年富士で表彰台のときにお話しして、もう52歳なのかと(笑)。逆に言えば若いな、と思いますね」という。

「ストレートが苦しいクルマでもコーナーで頑張っている……というイメージです。クルマを横向けながら走らせている印象がありましたね。でもそれは目標にもなっていたので、心強いです」

 阪口はまた、加藤との“思い出”も教えてくれた。阪口がベントレー・コンチネンタルGT3でGT300に参戦していたとき、富士で加藤が駆るロータスとのバトルとなったが、「ベントレーで乗っているときは、直線は速くてコーナーは苦しかったんですよね。加藤さんがめちゃくちゃコーナーを頑張っても、直線で僕が簡単に抜いてしまう。お互いバトルしても仕方ないな……みたいな感じになったのですが、申し訳なくて(笑)」という。

「その時も感じたのですが、絶えずガンガンいくのではなく、大きなことを考えながら走っている人だと思いました。あとは、晴南がTODA RACINGで乗っているときに、テストで鈴鹿の1コーナーで一緒に観ることもあったのですが、加藤さんからのコメントも違った視点で見ているのだな、と思いました」

muta Racing INGINGでコンビを組むことになった加藤寛規と阪口良平
muta Racing INGINGでコンビを組むことになった加藤寛規と阪口良平

■ブリヂストンとアドヴィックスのブレーキを武器に

 お互いに「こうして組むとは思ってもいなかった」と口を揃える加藤と阪口のコンビ。パッケージをみても、2021年の有力チームのひとつになる可能性は高いだろう。テストはまだ行っておらず、阪口もロータスについては「まだシートに座っただけです」というが、加藤は「ロータスは尖ったところがないようにセッティングもしているし、開発もしてきたので、すんなり乗ってもらえると思っているんです。レースで走ってアベレージを上げるのは、簡単にやってくれるだろうと思っています」と阪口について心配はしていない様子。

 一方で加藤は最大の武器にもなり得る、ブリヂストンタイヤについて「みんな簡単に考えているのだろうと思うのですが、ブリヂストンとロータスがマッチするのかがすごく心配です」と語った。しかし一方で、「86 MCでも苦労はしていた。ではロータスがすんなりハマるかといえば分からない。そこは良平くんの経験を活かしてもらいたいと思います。そこがうまくいけばフロントランナーの一台にはなれるかな、と思っています」と加藤は期待を述べた。

 また阪口も「期待という面では、ロータスでゴールドとブラックというカラーリングという時点でテンションが上がっています(笑)」という。

「ロータスは加藤さんがずっとクルマを作ってこられて、僕はブリヂストン、それとアドヴィックスのブレーキシステムを1年以上作ってきました。その“持ち場”をしっかり守ってやることができれば、必ず結果がついてくると思います」という。アドヴィックスのブレーキシステムは、阪口によればロータスのブレーキングの姿勢を理想としていた。「微調整でいければ良いですが、それほど甘くはないと思います」と阪口。

「ブリヂストンタイヤですが、加藤さんが言うとおりロータスに合わせていくのはどのメーカーでも大変だと思いますが、オールマイティさという面では奥が深いタイヤだと思っています。心強いですし、どのコンディションでもいける……という点はランキング上位にいくためには必要なことだと思います」

 86 MCの武器だったブリヂストン、アドヴィックスのブレーキシステム、そしてロータスの融合がどんなポテンシャルをみせるか。「昨年僕たちは後半戦に調子を上げていきましたが、ロータスは前半戦が良かったですよね。『いいところどり』にできたらという気持ちです」と阪口は語った。そして加藤も、目標はチャンピオンという。

「ブレーキの開発もしなければいけないので、大変だとは思いますが楽しみです。もちろん勝ちたいし、チャンピオン獲りたいですね」

muta Racing Lotus MCのカラーリング
muta Racing Lotus MCのカラーリング


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