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スーパーGT ニュース

投稿日: 2021.02.17 11:05
更新日: 2021.02.17 11:14

【秘蔵私的写真で振り返るGT進化の旅/第8回】GT史上最強の1台、2007年ホンダNSX-GT編

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スーパーGT | 【秘蔵私的写真で振り返るGT進化の旅/第8回】GT史上最強の1台、2007年ホンダNSX-GT編

 日本のモータースポーツファンの皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

 久しぶりに再開致しております『秘蔵私的写真で振り返るGT進化の旅』企画。開幕前にちょっぴり昔を振り返り、知識をつけておけば来たる開幕がより楽しく迎えられはず。そこで今企画はJGTC全日本GT選手権時代の2003年(JGTC 2003規定)から2013年頃(スーパーGT 2009規定)までのメカものを皆さまと振り返る企画になります。当時は自主規制でNGとした写真ももはや時効、バンバン出しちゃいます!

 今回は2007年ホンダNSX-GT編です。それでは世界に誇る『ニッポンGT進化の旅 ホンダNSX-GT編』いってみましょう!


 ホンダNSX-GT、やはり流麗で日本の美を感じます。ただ成績的には前年2006年シーズンにレクサスSC430を追い詰めたもののチャンピオン獲得はならず。2007年は悲願のチャンピオンに向けた総仕上げのシーズンです。

 ニッサンの某総監督が“もう待てない”と色紙にしたためたのもこの時期だったかと記憶しています。ちなみにこの年からステップドボトム採用となっています。


 まずはパワートレイン。3.5リッターV型6気筒エンジン“C32B”でございます。耐熱コーティングされたエキゾースト、さらにカバーがされているところに萌えます。


 第8戦オートポリスでは4リッターエンジンを17号車に先行投入。だが決勝前、グリッドに向かう途中に出火し、リタイヤとなった。


 吸気ボックスです。写真は予選後の車検から帰ってきたところ。“ちょんまげ”から吸気ボックスの内部形状は重要らしく翌年以降モディファイを繰り返していきます。


 ミッションもみましょう。キャビンに食い込む形で設置されているヒューランド製ミッション。やはり小型な事がわかります。画面中央長い銀色の棒がディファレンシャルに向かうカップリングシャフトでしょうか。


 車体もみてみましょう。フロントセクション。右端のメカニックの横の三角形状の突起部分がクラッシャブルストラクチャー。ラジエーターも相当に低くマウントされていることがわかります。


 サードダンパーは縦方向に設置。フロントサスペンション部にはカバーが設置されシーズン中でもなかをみる機会は少なかった。


 “NA2-2007001”と表示されたシャシープレート。なお、“NA2-2007002”は僚友の8号車ARTA NSX。


 スーパーGTでは2007年からサイレンサーの使用が義務付けられ、多くのチームが内部にグラスウールを使用しました。音量測定中の写真ですが、ほこりのようにみえるのはエンジン始動によって飛散したグラスウール。当時マスクをしながらピットで取材したことを思い出します。


 ハイダウンフォース仕様のフロントセクション。シーズン途中からカナード下にスリットを設けます。


 ロードラッグ仕様、通称“プレスリー”と呼ばれるアタッチメントが登場。カナードも装着されるが直線的な形状。


 一部のチームではカナードなしでも走行。アタッチメント下部は滑らかな形状となる。


 開幕戦鈴鹿、予選のスーパーラップで1分49秒842を叩き出した伊藤大輔。

 ヒラヒラと鈴鹿を駆け抜けていく映像、49秒台に入ったという興奮は今でも記憶に新しい。なにかやたらと興奮しながらパルクフェルメへ走ったのを憶えています。

 ただその後、クラス1規定が導入され、フリー走行であっという間にそのタイムを超えたときはショックだったのもまた鮮明に覚えています。



 その後NSX-GTはシーズン9戦中5勝を達成。18号車TAKATA童夢NSXが第7戦もてぎで、最終戦富士では32号車EPSON NSXがそれぞれ優勝。8号車ARTA NSXは3勝をマークし悲願のドライバーズ&チームチャンピオンに輝いた。



 2007年ホンダNSX-GT編いかがだったでしょうか。

 この年はターボからNAへ換装されたエンジンをさらに熟成。NAエンジンに合わせた車体の総決算として後にHSV-010 GTを制作指揮する瀧敬之介氏を招聘。

 翌2008年にはライバルがGT-Rを投入する事が分かっているなか、背水の陣で挑んだあろう2007年シーズン。その結果は、車体良し、エンジン良しで開幕戦でポールポジションを獲得。

 その後、序盤戦のエンジントラブルも克服し、第8戦ではウエイトハンデ100キロ搭載義務のなか、リストリクターを1ランク下げ、50キロを相殺するという戦略で優勝という快挙を成し遂げることとなりました。まさに“GT史上最強の1台”といっていいのではないでしょうか。


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