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スーパーGT ニュース

投稿日: 2021.03.09 12:54
更新日: 2021.03.09 13:21

不気味な緊張感が漂っていたスーパーGT岡山公式テスト。チャンピオンを争った2チームが抱える不確定要素

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スーパーGT | 不気味な緊張感が漂っていたスーパーGT岡山公式テスト。チャンピオンを争った2チームが抱える不確定要素

「気分はワイスピな感じでした」

 スーパーGT岡山公式テスト初日、午後のセッション最後で1分18秒121という全体のトップタイムを刻んだRed Bull MOTUL MUGEN NSX-GTの大湯都史樹は、独特な表現で渾身のアタックを振り返った。その言葉にチーム2年目の笹原右京は「迷言ですね」と思わず口元を緩めた。

 大湯は、難所マイクナイトに「ワイルドスピードみたいに、クルマが壊れてもしょうがないくらいの勢いで飛び込んだ」という。

「もちろん壊さないですけどね。クルマがじゃじゃ馬なので、アクセルを戻すときに足を痙攣させながら(開度を)微妙にコントロールしていました。それにしてもGT500は難しいですね」

 結果的に大湯が記録したそのタイムが、2日間をとおしてのベストとなった。GT500ルーキーの大湯が最速だったことだけでなく、ダンロップタイヤ装着車が全体のベストだったのもサプライズだった。過去4年間を振り返ると、岡山のテストでダンロップ装着車がここまで速かったことはなかったからだ。

 昨年まで、GT500のダンロップ装着車は64号車、すなわちModulo NSX-GTの1台のみだった。しかし、今シーズンはRed Bull MOTUL MUGEN NSX-GTがヨコハマからダンロップにスイッチ。彼らが新しいシューズをいかに履きこなすのか、大きな注目が集まるなかでのトップタイムだった。

 昨年、ダンロップを履くModulo NSX-GTは、レースで2回ポールポジションを獲得し“一撃”の速さはすでに証明していた。それでもウエイトや燃料リストリクターなど全車ハンデがない状態でのトップタイムは、やはりインパクトが大きかった。全車完全には手の内を見せないテストであったとしても、以前よりパフォーマンスが向上しているのは間違いないだろう。

「昨年まで履いていた(ヨコハマ)タイヤとは特性がまったく違ったので、最初は戸惑いましたが、2日間を走ってだいぶ理解が深まりました。一発のピークは非常に高いのですが、ロングランでのパフォーマンス低下が大きく、そのバランスをとることが今後の課題です」と笹原。

 今回のテストでは基本的に笹原がセットアップを担当し、ある程度仕上がったところで大湯が乗り、ニュータイヤを試しながら経験を積むというアプローチがとられた。

 予選は速いが、決勝での落ち幅が大きいのがダンロップの弱点であり、今回のテストである程度の改善は見られたようだが、それでもブリヂストンを履くSTANLEY NSX-GTと比較すると、依然ロングランでのタイム低下は顕著だった。今後、それをどう改善するかが大きな課題である。

Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT
Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT
笹原右京と大湯都史樹
笹原右京と大湯都史樹

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