春、各地から届く桜や梅の開花の便りとともに、春が一歩一歩近づいてくることを実感するこの季節。モータースポーツの世界では通常、新しいシーズンの開幕が迫る時期を迎える。
2021年もいまだ新型コロナウイルスの脅威が収まらぬなかではあるが、F1をはじめ、WECやインディカ―、国内のスーパーGT、スーパーフォーミュラといった各シリーズの開幕戦が3~4月にかけて順次開催されていく。
ここでは、そんな各カテゴリーの楽しみ方や、観戦のヒントとなるポイントを初心者にも分かりやすく紹介していく。シリーズ第5回目となる今回紹介するのは、4月9~11日に岡山国際サーキットで開幕戦が行われるスーパーGTだ。
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■ポイント
・日本最大のレースシリーズで2019年には38万9110人の観客動員を記録
・1994年にスタートした全日本GT選手権が原点。2005年に名称変更
・市販車をベースにしたレース専用車両
・GT500クラスとGT300クラスの2つのクラスが混走する
・日本を含むアジアの3カ国で開催される※
・マシン、エンジン、タイヤ開発が活発に行われる
※2020年と2021年は新型コロナウイルスの影響で国内開催のみ
■スーパーGTの紹介
スーパーGTは1994年から開催されたJGTC全日本GT選手権が2005年に名称を変更して誕生したレースシリーズだ。GT500とGT300のふたつのクラスがあり、シャシー、エンジン、それぞれの車両規則に応じたGTカー(グランド・ツーリングカー)で戦われる。
上位クラスであるGT500は、GTマシンとしては世界最速となる車両規則『CLASS1』に準じて自動車メーカーが開発。近年は国内3メーカーからトヨタGRスープラ、ホンダNSX-GT、ニッサンGT-RニスモGT500の3車種15台のGTマシンが参戦している。
GT300クラスは、FIA-GT3規定に沿って自動車メーカーが開発・販売しているFIA-GT3マシンと市販車両をベースに開発されたGT300マシン、シリーズプロモーターのGTアソシエイションが供給する共通モノコック、エンジン、トランスミッションなどをベースに開発されたGT300MCマシン(通称:マザーシャシー)、という3つの車両規定のマシンが参戦する。2020年シーズンは14車種、計30台が参戦した。