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スーパーGT ニュース

投稿日: 2021.07.01 19:16
更新日: 2021.07.01 19:17

SYNTIUM LMcorsa吉本大樹が語るGRスープラ初年度の奮闘と、“最近の若手”河野駿佑

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スーパーGT | SYNTIUM LMcorsa吉本大樹が語るGRスープラ初年度の奮闘と、“最近の若手”河野駿佑

 スーパーGT第2戦『たかのこのホテル FUJI GT 500km RACE』のGT300クラスを制したSYNTIUM LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑)。終盤になってトップをいく埼玉トヨペットGB GR Supra GTがトラブルで脱落したことによって転がり込んだ勝利という側面もあったが、週末を通して見せた速さ、そしてSUBARU BRZ R&D SPORTやARTA NSX GT3など、近年のGT300上位勢を力でねじ伏せての優勝によって、新たなタイトルコンテンダーの登場を強く印象付けたのも確かだ。

 2レースを終え、吉本と河野は首位と1ポイント差のランキング2位につけている。チームを牽引する吉本に、改めてこの勝利に至るまでの道程と、コンビを組む河野の印象、そしてタイトル争いへの見通しなどを聞いた。

■GRスープラは「しっかり反応する」クルマ

 チームは今季、レクサスRC F GT3からGRスープラGTへと参戦車両を変更するという大きな決断を下した。吉本としても6シーズン、ステアリングを握ってきたRC Fからの乗り換えとなった。

 チームがマシンの変更を決めたのは、「昨年の後半」だったと吉本は言う。

「結局、RC FもアップデートとかEvoキットが出てくるわけではないですし、そういったものがない中では限界があるな、とずっと思っていました。そこで(チーム母体の)大阪トヨペット的にも、『結果が出ないレースを続けるよりも、ひとつチャレンジをしよう』と決断してくれたんです」

「やっぱりクルマを変えるって、ビッグチェンジですからね。使えない機材が出てきて新調しなければいけなかったりとか、コストもすごくかかるわけです。でも、そこを『よし、やろう』と決断してくれた。それに対して、こうやって早々に結果が出たということで、ちょっと安心しています」

 吉本はGRスープラの印象を「少しクルマを触れば、しっかり反応してくれる。そこは正直、RC Fとはちょっと違う部分」と語っている。裏を返せば、FIA GT3規定のRC F GT3と比べ、GT300規定(昨年までのJAF-GT300規定)となるGRスープラにおいては、より繊細なセットアップが求められるということだ。

 チームは開幕前のテストと第1戦という限られた機会をフル活用し、第2戦に向けてはセットアップに“ビッグチェンジ”を施したマシンを用意していた

「こういう規定のクルマだと、組み上がっただけでは速く走れない。そこでいろいろと改良を加えていって、第2戦では走り出しからフィーリングが良かった」と予選3番グリッドを確保した。

 チームは今年マシンだけでなく、タイヤもダンロップへと変更している。昨今、安定したパフォーマンスを見せているダンロップもまた、SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTの上位浮上の大きな要因だ。

 ただ、開幕戦に比べ気温が上昇する第2戦に向けては、吉本には不安があったという。

「岡山でもスティント後半までタイヤは良かったですが、富士では路面温度が全然上がっていたし、そのなかで僕らは持ち込んだ中で柔らかい方のゴムを選択していた。ロングランもあまりできていなかったですし、すごい勢いでドロップするんじゃないかっていう固定観念がありました」

「でも、いざレースが始まってみると同じようなタイヤを使っていたと思われる61号車(SUBARU BRZ R&D SPORT)含め、全然落ちてこない。そこで初めて、これはいけるかな、と思いました」

 スタートを担当した河野はすぐに2番手に浮上すると、そこからはトップをいくBRZとのマッチレースの様相を呈した。

■次のページへ:勝負のカギとなった2台のGT-Rとの攻防


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