7月10日、東京都八王子市椚田町にスポーツカー専門店の『スーパーソニックス』がオープンした。2012年にスーパーGT GT300クラスでエンドレス TAISAN 911を駆りチャンピオンを獲得した峰尾恭輔が店長を務め、2021年にGT300デビューを果たした内田優大がオーナーを務める、クルマとモータースポーツを身近に感じられる新しいショップだ。
2006年から2019年までスーパーGTをはじめスーパー耐久など、国内トップカテゴリーで活躍してきた峰尾が店長として、そしてモバイルアクセサリーで高い知名度を誇る株式会社エアージェイの代表取締役社長という肩書きとともに、ジェントルマンドライバーとして活躍、2021年はいよいよスーパーGTにもデビューした内田がオーナーとなるカーショップが、東京都八王子市にオープンした。
ショップの名は、『スーパーソニックス（supersonix）』。スポーツカー・ミニバン・SUV専門店としてはいるが、まずは店長である峰尾が厳選した中古スポーツカーを中心に売買を手がけていく。店内にはエアージェイ（Air-J）の製品や、織戸学が手がけたドライビングシミュレーターも設置され、クルマとモータースポーツがトータルで楽しめる雰囲気となっている。
そんなスーパーソニックスは、7月10日にいよいよオープンを迎えた。ショップのイメージカラーであるブルーを反映したかのような青空に恵まれたこの日は、本来であれば関係者を集めて盛大にオープンを祝いたかったところだったというが、新型コロナウイルス禍のなか、限られたゲストのみを集め、アットホームにオープンを祝った。
峰尾店長と内田オーナーの出会いは、内田が50歳からレースを始めてから、ウラカン・スーパートロフェオに参戦する際に峰尾がドライビングコーチを務めたことからだという。「本当に朗らかで誠実で、そういった人柄に惚れ込んだところがあります」と内田は峰尾を評する。
その後も交流は続いてきたが、近年峰尾が中古車売買を手がけはじめていたと聞いた内田は、「僕もモバイルアクセサリーの業界だけでは頭打ちになるかもしれないという考えがあった」ことから、新規事業を検討しはじめた。エアージェイの製品には自動車メーカーのライセンス商品もあり、内田自身もモータースポーツに挑戦している。峰尾とともにこういったクルマを中心にした環境を活かせばシナジー効果があるのではないかと、一緒に理想の中古車ショップを立ち上げようと企画したという。
峰尾はこの提案をふたつ返事で受け、エアージェイに入社し、新規事業の“中古車事業部長”として店舗立ち上げに携わった。場所はふたりで相談し、交通網が発達している都内よりも自動車保有率が高く、コロナ禍で少しずつ都心から人が移りつつある八王子を選んだ。この地域に根ざしたショップを作り上げ、5年後、10年後にはさらに店舗を増やしていきたいというのが今後のプランだ。
「モータースポーツの世界のなかでも、内田社長は本当に誠実で、昨年9月にこの話をいただいた際もふたつ返事で受けましたが、内田社長だからこそ、一緒に大きくできるという確信があったからです」というのは、峰尾店長。
「僕もモータースポーツに入るときに、どうやって入ればいいのかは分かりませんでした。そういった人たちも、スーパーソニックスの店舗に遊びに来てもらって、シミュレーターを体験してもらったり、スーパーカーではなく、手の届きやすいスポーツカーをそろえることで、モータースポーツに繋がるような店舗にしていきたいです。地域に貢献し、モータースポーツに貢献できると思ってやらせてもらいました」
そんなコンセプトが現れているように、この日のオープンで揃えられていたのはトヨタ86やスバルBRZ、WRX、ニッサン・フェアレディZ、ホンダS660といったところ。スポーツカーが高騰しつつあるなか、手軽に……というわけではないが、手が届きやすいラインアップだ。地域の人たちにも「気軽にコーヒーを飲みにだけでも来ていただければ」と峰尾店長は言う。
オープンにあたっては、内田や峰尾、エアージェイと関係が深いロニー・クインタレッリ、山内英輝、平峰一貴という3人のスーパーGTドライバーが祝福に訪れ、「スーパーソニックスの発展のために協力できれば」とオープンを祝った。
ゆくゆくはスーパーソニックスでツーリングやサーキット走行会など、中古スポーツカーを中心にモータースポーツへの入口のような店舗にしていきたいとのこと。電車なら京王高尾線のめじろ台駅から徒歩かバス、クルマでのアクセスは圏央道高尾山IC、中央道八王子ICが最寄りだ。
スーパーソニックス ホームページ
https://supersonix.jp/
