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スーパーGT ニュース

投稿日: 2021.08.08 16:26
更新日: 2021.08.08 16:27

スーパーGTドライバー勝手にお悩み相談ショッキング Vol.10 蒲生尚弥さん

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スーパーGT | スーパーGTドライバー勝手にお悩み相談ショッキング Vol.10 蒲生尚弥さん

 2021年も、ファンのために熱いレースを展開してくれるスーパーGTドライバーたち。SNS等でも散見されますが、所属するチームやメーカーによって差はあれど、多くのドライバーが“繋がり”をもっています。そんなGTドライバーたちの横の繋がりから、お悩みを聞くことでドライバーの知られざる“素の表情”を探りだす新企画をスタートしちゃいました! 今回は埼玉トヨペット Green Braveの吉田広樹選手から繋がった、K2 R&D LEON RACINGの蒲生尚弥選手に突撃しました。

 しばしばSNS等でも見られる、気になる2ショット。「へえ、あのドライバーたち、仲良いんだ」とファンの皆さんも驚くこともあるのでは。そんなGTドライバーの繋がりをたどりつつ、ドライバーたちの“素”を探るリレートークのようなものができないか……? という企画が編集部内で出てきたのが2月。第1回の石浦宏明さんから阪口晴南さん、新田守男さん、高木真一さん、さらに片岡龍也さん、柳田真孝さん、星野一樹さん、本山哲さん、吉田広樹さんと繋がっています。

 ふだん予選や決勝後にコメントをうかがいに行っても、あまり口数が多くなく、吉田選手も「大丈夫ですかね?」と不安がっていた蒲生選手の取材。インタビュアーの実力が問われるかも……?  とちょっと不安を感じながら、お話を聞いてみました。

* * * * *

■吉田広樹さんからのひとつめの質問について

──では、よろしくお願いします。
蒲生尚弥さん(蒲生さん):はい、お願いします。

──え〜、こうして単独でインタビューを受けるのはいつぶり? そもそもあります?
蒲生さん:たぶん初めてですね。レーシングドライバー人生初です(笑)。

──おお。いいですね〜。なんだかんだでこういう機会ないですもんね(我々の努力不足もあるんですが。反省)。
蒲生さん:いや、本当にないですねぇ。

──というわけで、前回の吉田広樹さんからのお悩みがありまして、まずひとつ目がですね。すごく汗っかきらしいのですよ。ドライブしているときに、ものすごく汗をかいてしまうので結構いろいろとやっていたらしいのですが、どうにも治らないとのことでして……。これについてどう答えますか?
蒲生さん:それは……。知らんけど……みたいな感じですね(苦笑)。

──ぶっちゃけ『知らねぇよ』って話ですよねぇ……。
蒲生さん:そうですね……。

──ちなみに蒲生選手は汗はかく方?
蒲生さん:まったくかかない方だと思います。

──ドリンクもあまり飲まない?
蒲生さん:ドリンクはガッツリ飲みますね。でも、たしかに吉田さんはクルマから降りたときにスーツの色が変わってるくらいビショビショですね。

──よく一緒にカートに行かれているそうですが、その時も汗はかいてる?
蒲生さん:まったく一緒ですね。

──とはいえ、それはホント『人によるよね』という話で終わっちゃうと思いますよねぇ。
蒲生さん:そうですね(笑)。

LEON PYRAMID AMGをドライブする蒲生尚弥
LEON PYRAMID AMGをドライブする蒲生尚弥

■“ここはシュって感じ”で通じる菅波冬悟選手との関係

──で、吉田さんにはもうひとつ悩みがあって、たぶんこっちのほうが重要だと思うんですけど、昨年から川合(孝汰)選手と組んでいるじゃないですか。
蒲生さん:はいはい。

──川合選手は若手で、吉田選手にとっては初めてチームのエースというか、Aドライバーとしての立ち位置で若手と組んで、蒲生選手も一昨年から菅波(冬悟)選手と組んでますよね。それまでは(黒澤)治樹さんと組んでいて、初めてAドライバーという立場になったと思うのですよ。吉田選手としては、川合選手が見たことないラインを通っていたりと走り方が違ったりするらしいのですが、菅波選手とはそういうことはあります?
蒲生さん:もちろん最初は冬悟が来て、どんな走りをするかやはり気になるので、車載動画を観たり、ロガーのデータを見たりしました。やっぱりちょっと僕と違う部分もあり、コメントを聞くと欲しがっている部分も僕と違うところがあったりして、最初はかなり運転は違うなという印象でした。

──そこからふたりで合わせたんですか?
蒲生さん:お互いが『いいところを取り合っていこう』と努力した感じですね。

──そのあたりのやりとりはスムーズにいってます?
蒲生さん:冬悟とは感覚的なことを話してもぜんぜん通じます。『ここはもっと“シュッ”と行く感じ?』みたいに聞いたら『“シュッ”じゃなくて“ドッ”みたいな感じ』みたいなのもなんとなく通じました(笑)。なので、何も苦労なくやっています。具体的に言うと、冬悟のほうが川合くんと一緒で入口の速度を重視したいタイプで、僕はどちらかというとしっかりとクルマを止めてから曲げて……という感じを好むんですけど、ロガーを比較して『お互いの良いところをミックスさせたほうが速いね』という話になったので、それをふたりで努力してやっています。

──吉田さんがそのことで苦労しているということは、何か足りないということなのかな。
蒲生さん:いや、たぶんそんなことはないと思うんですけどね。別にふたりが違ってもいいと思うので、別にわざわざ悩まなくても。チームメイトの方がメチャクチャ速いのであればまた話は違いますけど、なんていうのかな、どっちでもいいんじゃないですかね。

──LEON PYRAMID AMGも埼玉トヨペットGB GR Supra GTも、タイヤ無交換を頻繁にするチームじゃないですか。そのあたりで何かタイヤの使い方だったりとか、菅波選手に教える苦労はあった?
蒲生さん:いやぜんぜん。

──ほう。最初から理解してくれていたということ?
蒲生さん:理解してくれていましたし、冬悟もFIA-F4の前は全日本カートのいちばん上のクラスに何年も参戦していて、冬悟自身もタイヤ開発をずっとやっていたみたいなので、そういうことは詳しかったです。なんなら冬悟のほうが詳しいくらいでした。なので、別に僕から何か言ったことは本当に一度もないんです。

──いろいろな話を総合すると、吉田さんは心配しすぎなんじゃないですかねぇ。
蒲生さん:たぶんそれはありますね。心配しすぎなのかもしれないです。うん。どうにかなる。

──じゃあ『ドンと構えとけ!』という結論でいいかな?
蒲生さん:そうですね。知らんけど(笑)。

──いい感じに落としていただきました。
蒲生さん:あの……しんどいでしょうけど、どんどん引き出してください。

──前回も『蒲生ちゃんはどれだけ引き出せるかが重要』という話になったので、インタビュアーの力量も問われる取材かなと(笑)。じゃあ吉田さんのお悩みは一応解決ということで!
蒲生さん:そうですね。でもたしかに、一緒にカートに行っても、そう言われてみると吉田さんはすごい心配性なんですよね。ふつうカートレースの週末は土曜日くらいからみんな行くんですけど、吉田さんは『木曜日から走らないと心配で仕方ない』みたいな。

──分かる気がする(笑)。
蒲生さん:それでいっぱい走って、いっぱいセッティングを試して……みたいな感じです。本当に不安で仕方ないみたいなので、そういうのがやっぱり繋がっているんでしょうね。

──そういうことなのね。
蒲生さん:そうなんです。でも吉田さん、なんとかなります!

LEON PYRAMID AMG
LEON PYRAMID AMG
LEON PYRAMID AMGでコンビを組む菅波冬悟選手
LEON PYRAMID AMGでコンビを組む菅波冬悟選手

■30代らしいお悩みいただきました。そして次回は……

──そんなこんなで、蒲生さんは最近お悩みはありますか?
蒲生さん:そうですね……。逆に何かないですか?

──あまり人生において悩みがないと?
蒲生さん:そうですね(笑)。

──レースに関係なくてもいいですよ。日々平穏に過ごしてるということですかね?
蒲生さん:父に『毎日を一生懸命生きていれば、あとはどうにかなる』と言われていて、それをけっこう実践している感じです。

──悩む前に行動ということですかね。すごく模範的な若者に見える(笑)。
蒲生さん:そこは分からないですけど、いちおうそういう気持ちなので、僕はあまり悩んでいないです。でもあえて言うと、御殿場に引っ越してきて、もう12年とか13年経つんですよね。

──最初に御殿場に越してきたのは全日本F3に参戦したころ?
蒲生さん:FCJ(フォーミュラチャレンジ・ジャパン)をやっているときです。そこからなので、ひとり暮らし歴が長いんです。今は賃貸なんですけど、賃貸と家を買うのはどちらがいいのかと。いま唯一の悩みはそれかもしれないです。

2009年FCJ第8ラウンドSUGO。優勝した蒲生尚弥さん。2位は中山雄一選手、3位は野尻智紀選手。
2009年FCJ第8ラウンドSUGO。優勝した蒲生尚弥さん。2位は中山雄一選手、3位は野尻智紀選手。

──御殿場に来たときの最初は、関谷正徳さんのところ(※)にご入居?
蒲生さん:そうです。関谷さんのアパートです。いまは違うところに住んでいますけど、18歳からずっと御殿場に住んでいて気に入ってるので、今後も御殿場がいいなと思っているんです。それで『家をどうしようかな』くらいの悩みですね。
※TGR-DC(旧TDP)の若手ドライバーはジュニアフォーミュラに上がる際、ほとんどのドライバーが講師の関谷正徳さんのアパートに入居します。

──なるほど。でもけっこう重要な悩みじゃないですか。
蒲生さん:人生設計の大きなターニングポイントですね。

──でもそれ、結婚等々が絡んでくるのでは? 未婚だよね?
蒲生さん:未婚です。

──え〜、失礼ながらそのご予定は。
蒲生さん:ご予定はないです。家を買っている人は『やっぱり家は買った方がいいよ』、『マンションでも買った方がいいよ』と言うんですけどね。ちなみにヒラノさんは?

──ちょっと生々しいんですが、一時買おうかとしたこともあったんだけど、基本的に“最新のものは良いもの”みたいな主義なので、設備が新しくないとイヤなんです。なので今は、“賃貸で繋げばいいかな派”です。
蒲生さん:やっぱりそういう方もいるんですよね。それは本当に自分のライフスタイルなんでしょうけど、本当にそれが悩みかもしれないです。

──しかも御殿場だといろいろと変わってきそう(現在の自宅の前に、ちょっと御殿場の住環境を調べたこともあったのです)。買ったほうが安かったり、新しい賃貸がなかなか出なかったりとかありそう。それはたしかに悩ましいね。
蒲生さん:とりあえずお悩みはそれで(笑)。

──なるほど。30代らしい悩みでいいですな。で、そのお悩みを誰にぶつけようかということなんですが、その件に適任なのは石浦(宏明)さんなんじゃないかという気がする。
蒲生さん:でも石浦さんには何回も相談しているので。

──相談してるんだ(笑)。じゃあ誰がいいだろう。
蒲生さん:どうしましょう。そういうことに詳しそうな人はいますか? 松井(孝允)くんとか井口(卓人)くんとか山ちゃん(山内英輝)とか、最近マイホームを買った人はいるんですけどね。せっかくだったら今まで聞いたことのないような人にいきたいですね。けど思いつかないな〜、どうしましょう?

──誰でもいいですよ。単純に仲がいい人でもいいし。
蒲生さん:おすすめの人はいますか?

──あえて今まで連載を続けてきた立場から言うと、最近GT300ドライバーが続いていたので、そろそろGT500ドライバーにしたいなあと。
(後々思い出したのですが、業種が違えど不動産のことならPACIFIC NAC CARGUY Ferrariの木村武史選手をオススメすれば良かったなと……)
蒲生さん:じゃあ大嶋(和也)くんに行ってみましょうか。

──おお。いいじゃないですか。
蒲生さん:年齢も近いですし。

──あと悩みはないですか? 健全な日々ですか?
蒲生さん:そうですね……あんまりないです(苦笑)。

──じゃあそんな感じで取材終了でございます。
蒲生さん:盛り上がらなかったと思いますが、良い感じにしておいてください(笑)。

* * * * *

 というわけで、蒲生選手の心配と裏腹に、個人的にはけっこう手ごたえアリだったのですが、皆さまいがかでしたでしょうか? 次回はTGR TEAM ENEOS ROOKIEの大嶋和也選手に繋がりました。

 ちなみに、最近の筆者のお悩み(というか読んでいただいている方からもよくツッコまれる)なのですが、なかなかホンダ系のドライバーに繋がらない……ということ。誰か繋げてください!

LEON PYRAMID AMG
LEON PYRAMID AMG
LEON PYRAMID AMGに乗り込む蒲生尚弥選手。
LEON PYRAMID AMGに乗り込む蒲生尚弥選手。


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