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スーパーGT ニュース

投稿日: 2021.08.28 09:50
更新日: 2021.08.28 10:02

スーパーGTに広がるコロナ禍も、厳戒態勢継続でサーキット内での対策は奏功

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スーパーGT | スーパーGTに広がるコロナ禍も、厳戒態勢継続でサーキット内での対策は奏功

 8月21〜22日、三重県の鈴鹿サーキットで行われたスーパーGT第3戦『FUJIMAKI GROUP SUZUKA GT 300km RACE』。レースウイーク直前の8月20日(金)から三重県にまん延防止等重点措置が出ているなかでのレースウイークとなったが、2020年以来新型コロナウイルス感染拡大防止に努め、厳格な対策のもとシーズンを送ってきたスーパーGTだが、ここへ来て感染者が増えてきてしまっている。ただ一方で、レースウイークのサーキット内では感染やクラスター発生等はなく、GTアソシエイションの坂東正明代表は、継続して対策をとり、イベントを継続させたい意志を示した。

 2020年、新型コロナウイルス感染拡大にともない開幕が延期された後、独自のコロナ対策ガイドラインを作成し、関係者にPCR検査を義務づけるなど、国内モータースポーツ界のなかでも積極的な対策をとってきたスーパーGT。しかし、8月21〜22日の第3戦鈴鹿を前に、全国的に“デルタ株”による感染急拡大が進むなか、関係者からも多くの陽性者が出てしまった。

 8月22日に、GTアソシエイションの坂東正明代表が定例記者会見のなかで語った内容によれば、2020年から「約2000人から3000名ほどのPCR検査を行って」きていた。野球やサッカーでもPCR検査は頻繁に行われており、回数は多いが、モータースポーツの場合は一度に受ける人数が多いのが特徴だ。スーパーGTの場合、44〜45台ほどに関わるドライバーやチームスタッフ、レースクイーン等それぞれ人数が多く、またメディアも事前にPCR検査を受けなければサーキットでの取材は叶わない。

 そんな状況で続けてきたスーパーGTだが、これまで坂東代表が言う「約2000人から3000名ほどのPCR検査を行って」きたなかでは、驚異的とも言えるほど陽性者は少なかった。坂東代表によれば「1名、2名だった」という。関係者の努力の賜物とも言える状況だったが、感染力が強いとされるデルタ株の影響か、第3戦を前に陽性者数が大きく増えてしまった。

 坂東代表によれば、第3戦鈴鹿を前に1924名がPCR検査を行い、「陽性者、濃厚接触者を含めて18名ほどで、陽性者が13名」となった。ドライバーでも、埼玉トヨペットGB GR Supra GTの川合孝汰、K-tunes RC F GT3の平良響(当初は体調不良だったが、平良自身がSNSで陽性を報告)、またふだんはモデルやタレントとして活躍しているレースクイーン、監督やスタッフにも陽性者が出てしまったという情報もある。

 この状況のなか、「金曜に関係者にも伝えた」と坂東代表は語ったが、チームによれば、レースウイーク中にチーム内に陽性者が出た場合、即座にそのチームはレースから撤退とする旨の通知もGTAから出たという。とは言え継続して対策は行われており、チームによっては他者との接触を極力絶つような対策を施しているところもあった。またパドックとピット棟2階のホスピタリティスペースを分けたりといったバブル形成、PCR検査の事前実施の徹底などから、パドックではクラスターなどは発生していない。新型コロナウイルスの影響でレースをともに戦えない仲間に、チーム内からエールを送る動きもあった。

「このコロナ禍の状況のなかで継続してレースを開催するために、昨年からPCR検査を受けたり、今季も各大会の2週間以内にPCR検査をしたり、問診票の記入、検温と続けて来たが、モータースポーツ業界、我々のイベントを継続させるためにやっていること」と坂東代表は現状について語り、今後も厳格な対策をとってシリーズを続けたいと語った。

「うつさない、感染しないということへの対応策を最大限やっている。ファンの皆さんについては、オーガナイザーにお願いしてソーシャルディスタンスを守り、密集を避けることをやり、最大人数の絞り方も考えている」

「パドックについては、すべての人がPCR検査を行い、ここに感染者を入れないようにする。どこで誰が感染するかは、誰のせいでもないが、検温やPCR検査で疑いがある人は、サーキットに来ないようにする。チーム内での感染もあるだろうし、家庭内で感染することもあると思う。しかしイベントを継続させるために、ここ(サーキット)には来ないということをやる」

 また坂東代表は「あとはワクチンが打てるようであれば早くやりたい。この業界ではワクチン1回目が30%ほど、2回目を20%が終えているが、JAF日本自動車連盟でも早くやろうとしている。できるだけ50%以上の状況を早く作りたい」とワクチン接種が進むことを希望した。

「このイベントを続けるための手法として、関係各位の努力を続けて欲しい。来季も“ウィズコロナ”は変わらないと思うので、みんなの生活レベルもそれに合わせていかなければいけないと思う。また集客についても、限られたなかでのものになるので、映像や報道が非常に重要になる。より多くの人たちにスーパーGTを伝えるための枝葉が変わってきている」

 コロナ禍のなか、プロスポーツやエンターテインメント業界はできうる限りの感染対策を続けながら、坂東代表が言うように「イベントを継続させる」しかない。ワクチン接種が進むなど、なんらかの方策でデルタ株の猛威が収まる日が来ることを願わずにはいられない。


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