いよいよ、2021年シーズン最後の戦いとなるスーパーGT、第8戦『FUJIMAKI GROUP FUJI GT 300km RACE』。今週末の一戦の見どころはチャンピオン争いとともに、その目に焼き付けたいのがニッサンGT-Rのラストレースだ。
2008年から今季まで、14シーズン参戦していたGT500仕様のR35 GT-R。今シーズンで役目を終えることになるが、現役ドライバーでもっともGT-R愛が深いドライバーのひとり、23号車MOTUL AUTECH GT-Rの松田次生もさまざまな思い出と共に週末を迎えることになる。
「GT-RのGT500最後のレースということで、なんとか結果を出したいですね。GT-Rに花を持たせるレースにしたいというのはあります」と、週末の抱負を話す次生。
「僕らはもうタイトル獲得の権利もなく、失うものもないので、優勝に向けて行くだけですね。クルマの方も富士に特化したセットアップをエンジニアと一緒に考えてきたので、それが当たれば速いし、外れたらどうなるか……という2択なところもあるのですけど（笑）。でも、今回はそこまで賭けてやってもいいのかなと思っています」
現在も個人でケンメリ以外、7台のGT-Rを所有して、GT-R愛が絶えない次生。市販車、GT500仕様だけでなく、さまざまなカテゴリーでのGT-Rに数えきれない思い出がある。
「子供のころにグループA（JTC全日本ツーリングカー選手権）のレースを観て、『いつかはGT-Rでレースをしたい』という憧れを抱いていました。2008年のカルソニックIMPUL GT-Rから、カルソニックとニスモで17勝。ニスモでは2度チャンピオンになったり、僕のレースキャリアのなかで一番勝利数を挙げることができたクルマでもあるので、寂しい気持ちもあります。でも、最後はいい形でGT-Rに恩返しがしたいなと思いますね」と次生。
GT500仕様でも市販車のGT-Rでも、斜め後方のリアからのアングルが一番好きだという次生。果たして今週末、GT-R最後のレースで、ライバルたちにそのテールランプを追いかけさせる展開にできるだろうか。
