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スーパーGT ニュース

投稿日: 2022.03.13 18:15
更新日: 2022.03.25 00:25

3月に入り二度のクラッシュ。前年GT300王者のSUBARU BRZ R&D SPORTの苦境が続く

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スーパーGT | 3月に入り二度のクラッシュ。前年GT300王者のSUBARU BRZ R&D SPORTの苦境が続く

 3月12〜13日、岡山県の岡山国際サーキットでスーパーGT公式テストの公式テストが行われたが、2日目のセッション3で、2021年GT300チャンピオンのSUBARU BRZ R&D SPORTが2コーナーでクラッシュ。車両のダメージもあり、セッション4を走れないままテストを終えることになってしまった。すでに3月に入って二度のクラッシュに見舞われており、前年王者が苦しい状況となっている。

 2021年から新型BRZをベースとしたボディの車両を投入し、素晴らしいスピードをみせ多くの声援の後押しとともに、2021年のチャンピオンを獲得したSUBARU BRZ R&D SPORT。前人未踏のGT300連覇に向けた2022年は、『全戦ポイント獲得、最後までシリーズ優勝争いに絡み、ファンの期待に応える』、『空力性能向上および状況に合わせたセットアップを極め、コーナリングと速さにいっそう磨きをかける』という目標を掲げた。

 この目標に向け、ダウンフォース増加と走行抵抗の低減を目指した空力性能の向上、コーナリングスピードのさらなるアップを目指したシャシー性能の向上、そしてEJ20エンジンの制御系を進化させた、信頼性とパフォーマンスの向上を目指している。

 2月25日にお披露目された段階で、チームの小澤正弘総監督は我々としてはパワーウエイトレシオが悪化する方向になるであろうと思っています」と参加条件の変更があるのではないかと予測していたが、実際に岡山公式テストでは、GT300規定車両は1リストリクターダウンされていると言われている。

 これに対応するために、SUBARU BRZ R&D SPORTはEJ20エンジンのECUを変更しているが、ドライバーの井口卓人も山内英輝も、この熟成が最大の課題と挙げていた。チームは富士、さらに岡山で2月28日〜3月4日に行われた特別スポーツ走行を使いさまざまな開発を進めていたが、この特別スポーツ走行では、アトウッドカーブで井口がクラッシュ。幸い井口に怪我はなかったが、車両はフロント、左サイドにダメージを受けた。

 修復を受けて臨んだ岡山公式テストでも、セッション2でこそ9番手タイムをマークしたものの、まだドライバーたちの「求めているレベルには達していない(山内)」という。「1リスダウンも効いていて、僕たちは下がないので苦しいのと、トップスピードも落ちます。踏み始めからの加速感が弱くなっています」と厳しい状況だ。特にレース中には影響が大きいはず。

 そんななか、セッション3では山内がドライブ中にクラッシュを喫してしまった。「身体は大丈夫です。原因はまだ分かってはいませんが、2コーナーのギャップを超えたときに舵が効かなくなったんです。操舵系なのか足回りかは分かりませんが、何かが壊れたのではないかと思います」と山内は言うが、岡山で半月の間に二度もクラッシュしてしまった。

 富士でのお披露目のとき、さらに今回の岡山でも同様だったが、走行中のSUBARU BRZ R&D SPORTからは、昨年までなかった黒い煙がエキゾーストから見られている。他車のドライバーからも、うしろにつくと「匂いがする」という声も聞かれている。この煙がECUによるものなのか、そしてまたクラッシュの遠因がなんなのかは分からないが、少なくともこの公式テストまでは昨年までの速さ、強さがない。

 当然チームは対策を進めているはずだが、開幕まで残り1ヶ月。開幕までにドラスティックな改良が進み、ふたりのドライバーたちが昨年のような笑顔をみせてくれるよう、願わずにはいられない。

2コーナーでクラッシュしたSUBARU BRZ R&D SPORT
岡山公式テストのセッション3の最中、2コーナーでクラッシュしたSUBARU BRZ R&D SPORT
SUBARU BRZ R&D SPORT
SUBARU BRZ R&D SPORT
61号車SUBARU BRZ R&D SPORT
3月1日の特別スポーツ走行でのSUBARU BRZ R&D SPORT


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