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スーパーGT ニュース

投稿日: 2022.03.16 14:17
更新日: 2022.03.16 16:38

手ごたえと課題はそれぞれ。フェイス&空力変更を経たホンダNSX-GT勢の岡山公式テスト

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スーパーGT | 手ごたえと課題はそれぞれ。フェイス&空力変更を経たホンダNSX-GT勢の岡山公式テスト

 2022年シーズンのスーパーGT GT500クラスは、新たに登場するニッサンZ GT500に注目が集まっているが、ホンダNSX-GTもNSXタイプSがベースとなり、フロントマスクをはじめ空力デザインが見直された。同様にトヨタGRスープラも空力開発が進んでいるが、NSX-GTの空力変化は、ドライバーたちにどんな印象を与えているのか。3月12〜13日に岡山国際サーキットで行われた公式テストで、5人のドライバーにその印象を聞いた。

■安定感は向上。どのコースでも速さをつかめるように──塚越広大&Astemo NSX-GT

 2022年はAstemo NSX-GTをドライブするチームメイトとして、松下信治が加入した塚越広大。1日目のセッション2、2日目のセッション4にトップタイムを記録するなど、今回のテストでは安定した速さをみせていた。2日間のテストを振り返った塚越広大は、空力が変わったことで安定感が増したことを確認できたと語った。

「昨年よりもクルマの安定感が良くなっているので、コンディションに左右されず、高いパフォーマンスを安定して出せるのではないかと思っています。なので、あまりバタバタせずにクルマも仕上げられているのではないかなと思います」と塚越。

「それでも、富士では違ったフィーリングになると思うので、そこは油断せずにいきたいです。でも、印象としては昨年より良くなっています」

 また岡山公式テストについては、「しっかりプログラムはこなせたかなと思います。ライバル勢とはすごく僅差ですし、岡山は特に差がつきにくい。もうちょっと速くなるように開幕までにしっかり分析していければなと思います」

 予選一発の速さのみならず、ロングランのペースも悪くないという塚越。ただ、17号車Astemo NSX-GTとしては、2021年に思うようなパフォーマンスを発揮できなかった、富士でのレベルアップを目指していきたいと考えているようだ。

「正直、富士は昨年調子が良くありませんでした。いろいろな条件が重なったから結果は残りましたけど、正直、勝ったのがちょっと不思議なくらいでした。2020年はすごく良かったんですけど、昨年は自力での速さを出せませんでした。そのあたりをスッキリさせて、どのサーキットでも速いという自信をもって開幕戦に臨みたいです」

2022スーパーGT岡山公式テスト 塚越広大(ARTA NSX-GT)
2022スーパーGT岡山公式テスト 塚越広大(ARTA NSX-GT)
Astemo NSX-GT
Astemo NSX-GT

■ポテンシャルは向上も課題は山積──大津弘樹&Modulo NSX-GT

 2022年も伊沢拓也とともにModulo NSX-GTをドライブする大津弘樹。彼も新たな空力パッケージとなったことでポテンシャルアップは感じているようだが、その良さを活かしきるための課題は山積みの様子だった。

「(岡山は)僕たちにとってはあまり得意ではないコースでしたけど、2日間いっぱい走り込んで、今まで苦手だったところの改善点のようなものを見つけ出せたかな、と思っています。ロングランも含めて色々できたので、内容の濃いテストだったのかなと思います」

「昨年と比べるとポテンシャルは全体的に高くなっているのかなという感じです。ただ、僕たちとしては課題が多いですね。まだいろいろと手探りなところは多いです」

2022スーパーGT岡山公式テスト 大津弘樹(Modulo NSX-GT)
2022スーパーGT岡山公式テスト 大津弘樹(Modulo NSX-GT)
2022スーパーGT岡山公式テスト Modulo NSX-GT
2022スーパーGT岡山公式テスト Modulo NSX-GT

■良い面もあれば課題も──野尻智紀&ARTA NSX-GT

 1日目から上位につける速さをみせていたARTA NSX-GTの野尻智紀。メーカーテストから新しい空力でのテストを重ねてきているが、まだ実戦の経験ができていないこともあり、慎重な意見をもっていた。

「良くなったところも当然ありますが、まだ実戦で走っていないので、ここから何が問題になるのかというところも分からない。そのあたりは実戦を通して把握しなければいけないです。まだまだ100%理解はできていないのかなと思います。開幕戦からしっかりと戦うには、もっと伸ばしていかなければと思っています」

 今回の岡山公式テストでは、ロングランのペースに課題があると振り返り、これからチームとともに分析を進めていくという。

「良かったところとそうでないところが出たので、全体的には良いテストだったのかなと思います。ちょっと最後のロングランがあまり思わしくなかったので、そのあたりを開幕に向けてどうしようかというところです」

「自分たちのクルマの状態も、まだまだ伸びしろがありそうなので、そのあたりをしっかりと追い求めていければいいのかなと思います」

2022スーパーGT岡山公式テスト 野尻智紀(ARTA NSX-GT)
2022スーパーGT岡山公式テスト 野尻智紀(ARTA NSX-GT)
ARTA NSX-GT
ARTA NSX-GT

■レースペースの強みはあるも、欲しい一発の速さ──山本尚貴/牧野任祐&STANLEY NSX-GT

 100号車STANLEY NSX-GTは、ARTA NSX-GTとは逆にロングランのペースでは大きな手応えを感じていた様子。2日間のテストを終えた山本尚貴は、レースペースの良さに加えて、一発の速さも底上げしていきたいと語った。

 テストでの感触について山本は「良かったり、悪かったり……という感じでした。昨年よりさらに良くなっているような気はしますが、ちょっとまだ掴みきれていないところはあります」という。

「チームによって(課題は)違うと思いますが、100号車としては、ロングはそんなに悪くないかなと思っていて、もうちょっと一発を出したいですね。ここ2~3年、ずっとそんな感じなので、予選で仮に前にいっても、レースペースが悪いとチャンピオンを獲れる位置にいられなくなります。レースペースが良いというのは救いではありますが、もうちょっと一発が出せればいいなという感じではいます」

「シーズンが始まるとコンディションも変わると思うので、結局は開幕してからが大事です。その時にちゃんと引き出しを持っていられるようにしたいなと思います」

 パートナーの牧野任祐もほぼ同意見で、より力強くシーズンを戦うために、もう少しの詰めが必要だと語った。

「良いところ悪いところはありますけど、クルマが変わって、チーム内でも変わっているところがありますけど、それらに対する合わせこみがもう少し足りない気はします。でも、だいぶ詰められてきたのかなという印象はあります」

「エアロでけっこう変わっているので、乗り味も変わっている部分はあると思います。それが特にレースペースでは活きているんじゃないでしょうか。安定してダウンフォースが出ていて、アベレージは上がっている気がするんですけど、それをもう少しショートランの方で詰めていってピークをあげられればなと思っています。富士公式テストもありますし、そこでもう少し煮詰めて、開幕戦までに良い状態に仕上げられればと思います」

 今回、TEAM MUGENのふたりに話を聞くことはできなかったが、全体的に空力が変わったことをポジティブにとらえているようだった。しかし、細かい部分を見ていくと、それぞれのチームで課題を抱えているのはたしか。次回の富士公式テストでどれだけ課題をつぶしメリットを伸ばせるかが、シーズンをうらなう上でも重要なポイントとなりそうだ。

2022スーパーGT岡山公式テスト STANLEY NSX-GT
2022スーパーGT岡山公式テスト STANLEY NSX-GT
2022スーパーGT岡山公式テスト 山本尚貴(STANLEY NSX-GT)
2022スーパーGT岡山公式テスト 山本尚貴(STANLEY NSX-GT)
2022スーパーGT岡山公式テスト 牧野任祐(STANLEY NSX-GT)
2022スーパーGT岡山公式テスト 牧野任祐(STANLEY NSX-GT)


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