レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

スーパーGT ニュース

投稿日: 2022.03.23 19:36

スーパーGTドライバー勝手にお悩み相談ショッキング Vol.24 富田竜一郎さん(のじさんぽ2)

レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る


スーパーGT | スーパーGTドライバー勝手にお悩み相談ショッキング Vol.24 富田竜一郎さん(のじさんぽ2)

 ファンのために熱いレースを展開してくれるスーパーGTドライバーたち。SNS等でも散見されますが、所属するチームやメーカーによって差はあれど、多くのドライバーが“繋がり”をもっています。そんなGTドライバーたちの横の繋がりから、お悩みを聞くことでドライバーの知られざる“素の表情”を探りだす企画をお届けしております。今回はARTAの野尻智紀選手から、“のじさんぽ”として仲良しのGAINERの富田竜一郎選手に繋がりました。

 しばしばSNS等でも見られる、気になる2ショット。「へえ、あのドライバーたち、仲良いんだ」とファンの皆さんも驚くこともあるのでは。そんなGTドライバーの繋がりをたどりつつ、ドライバーたちの“素”を探るリレートークがこの企画です。これまでの連載は、まとめページを作りましたのでぜひご参照ください。

スーパーGTドライバー勝手にお悩み相談ショッキングの連載まとめページです。
まとめページは画像をクリックorタップ!

 前回、仲の良い野尻智紀選手から、食事のときに富田選手のお父さんから語られる熱い人生訓が長いのでなんとかして! という悩み……というかお願いをうけ、富田選手にアポをとりました。取材場所に連れていくまでちゃんと取材趣旨が伝わってなかったようなのですが……。

* * * * *

■次回から合図ください。

──まあまあ、どうぞお掛けになってくださいよ。
富田竜一郎さん(以下、富田さん):なになに。すごくイヤな予感がする。

──こんなところまでご足労いただいたのは、オートスポーツwebで掲載しております『スーパーGTドライバー勝手にお悩み相談ショッキング』の取材だからでございます。
富田さん:絶対そうだと思ったー(笑)!

──いつもリツイートしていただきありがとうございます(笑)。
富田さん:楽しく拝見させていただいております。最初の回から大津くんの回まで全部見ています。

──ありがとうございます。大津くんから野尻さんに行きまして“のじさんぽ2回目”ということで、野尻さんからお悩みがやってきました。
富田さん:そんなこったろうと思いましたよ。今ここに座らされた瞬間に気づきました。これは『そうなんじゃねえか?』と思って(笑)。

──というわけで、まずお悩みの前に、2年間のGTワールドチャレンジ・ヨーロッパ挑戦はいかがでしたか?
富田さん:いま冷静に振り返ってみると、ハタから見たら相当頭がおかしいヤツに見えているんじゃないかなとは思いました。いちばんコロナが厳しい状況のなかで単身ヨーロッパに行って、メーカーのドライバーでもないのに、ヨーロッパをひとりで転戦して帰ってくるというなかなか無謀なチャレンジをしたな、と今では思うんですけど、結果的には初年度でシリーズ4位になったり、優勝をしたり、昨年だったら予選でワークスドライバーを抑えてアウディ勢のトップになるなど、いろいろ良いポイントはあったので、個人的には2年間すごく有意義でした。

 今まで日本でやってきて、自分が考えてきたドライビングというのも全然間違っていなかったというのも理解して、かつヨーロッパの人たちの新しい、自分たちになかった考え方というのは自分の中に落とし込めたので、ドライバーとして、以前よりはすべてにおいて余裕を持って対応できるようになったんじゃないかなと思います。

 それと、やはり知らない国の文化を学びながらいろいろな国に行っていたので、そういう意味での文化の違いだったりとか、人種の違い、言葉だったりなど、そういことを1~2年かけて学べたので、すごく良い2年間になったなと思いました。メチャクチャ楽しかったです。

──やっぱりいいよねぇ。ひさびさに行ってみたい(※筆者自身は2019年にスパ24時間に取材に行きました)。
富田さん:昨年はちょっと自分の思うような体制じゃなかったので、成績という面では微妙だったのですが、内容はすごく濃かったので、やっぱりやってみてよかったなとは思っています。

GTWCヨーロッパ第5戦ミサノで、今季初のクラス優勝を飾った富田竜一郎とフランク・バード
GTWCヨーロッパ第5戦ミサノで、今季初のクラス優勝を飾った富田竜一郎とフランク・バード
スパ24時間に出場したWRTの31号車アウディR8 LMS(フランク・バード/富田竜一郎/バルデマール・エリクセン)
スパ24時間に出場したWRTの31号車アウディR8 LMS(フランク・バード/富田竜一郎/バルデマール・エリクセン)

──ありがとうございます。……では、野尻さんのお悩みをぶつけていいですか? これねぇ、長い&深いんですよ。
富田さん:はい(笑)。いつものことですね。

──え~、野尻くんと富田くん、富田くんのお父さんとでよく食事に行ったりしているんですか?
富田さん:そうですね。あと(中山)雄一くんも。

──……で、野尻さんに富田くんのお父さんが『お前ここでいかないとダメだ』というようなアドバイスをされるそうで。これについて野尻さんがけっこう悩んでいて……。
富田さん:ぶっふ(爆笑)。

──相談というかお願いになるんだけど、お父さんがアドバイスをしている隣で黙って聞いてるのをやめて欲しいと。
富田さん:あのですね! これは僕からも言いたいんですけど、そういうときに助けてほしいなら目線か何かで合図をしてくれないと(笑)! 逆にすごくマジメに聞いているのに、こっちが茶々を入れて雰囲気を壊したら申し訳ないなと思って、僕は一歩引いて雄一くんと半分ニヤニヤしながら見ているんですよ(笑)。

 ウチの父はけっこういろいろな人にそういうことを言うんですけど、それに対して本気で反論するのは野尻くんぐらいなんですよ。逆に対等にやり合ってくるので、父は話しているのが楽しいらしいんですよ。なので、野尻くんも正論でぶん殴ってくるから『正しすぎてこっちは何も言えねえんだよ!』とよく言っているんですけど、もう言ってるとおりなんですよね。

 正しいが故に、言われるとそうかなと思っちゃう部分はあるので、次から困ったら目くばせをください。『コイツちょっと黙らせろ』という合図をくれれば僕はすぐにでも助け舟を出すので。まあ、それはもう……ちょっとお気遣いをさせて申し訳ないんですが(笑)。

野尻智紀選手、富田竜一郎選手、中山雄一選手の3人と、VITAのコクピットに収まるのが富田竜一郎選手のお父さん。
野尻智紀選手、富田竜一郎選手、中山雄一選手の3人と、VITAのコクピットに収まるのが富田竜一郎選手のお父さん。

■気になるお父さんからのアドバイスの中身

──なるほど。これで解決したのかな? ちなみに富田くんのお父さんはVITAに乗っていて、会社社長さんなのですよね。
富田さん:今は会長になりました。

──なんというか、ひとりの実業家として人生について若者にアドバイスをするのは非常によく分かるし、それはそれで面白いと思うんだけど、なぜ日本最高峰フォーミュラに乗っている人に走りの面までアドバイスをするのかというのがすごく不思議なんですけど。
富田さん:走りじゃないんですよ。気持ちの問題で『野尻くんは我慢をしすぎていて、いろいろなところに気を遣ってちょっと抑えた気持ちで走っている気がするから、死ぬ気で行け』と言ったんですよ。そしたら野尻くんが死ぬ気で行っちゃったんですよね。

──あ、そゆこと。
富田さん:はい。別にドライビングどうこうという面では、逆に僕は野尻くんと雄一くんに、僕がヨーロッパに行っている間に父のVITAの面倒を見てもらったりして、あのふたりが父の先生なんですよ。なので、そういう意味で『ココをこういけ』とかではなく、メンタル的に『お前もっと自分をプッシュしていかなきゃダメだ』的なことを言っていて、僕はハタで笑っていたのですが、そうしたら本当にいっちゃったんですよね。

──あ、でも前回載せたの見たら野尻くんは『僕は富田くんをチラチラと見たりはしているんですけど……』と言ってるけど。
富田さん:それ、わざわざココで発表するような話じゃなくないっすか(笑)!? 大丈夫なのこんな取材(笑)。

 まあでも、もっと大げさにしてくれないと分からないです。父の話をマジメに聞いている人もたまにいるので、僕も気を遣っちゃうんですよね。話を切った方がいいのか、切らない方がいいのかの判別がつかないときが多くて。

 意外と真剣に聞いていて、僕が聞いていると『何言ってんだコイツ』と思うことが多いのですが……。まあ家族ですからね。『本当にいい話をしてもらって』とか言われちゃうと、そこでふざけてしゃべってしまうと僕がイヤなヤツになっちゃうから気を遣っていたんですけど、次からはガンガン止めに行くようにします(笑)。

──もうブロックサイン(※野球で監督が手を使ってササっと出すアレです)とか決めておいたら?
富田さん:そうしてほしい。これが終わりの合図ですみたいな。それはちょっと考えます。ではお悩みは解決ということで。……こんな個人的な悩みをこんなところでやるもんじゃないですね。LINEで済むのに(笑)。

──今までにないお悩みが来たよね。
富田さん:“ド個人的”なヤツ(笑)。しかもなんならちょっと文句ですよね。

──言ってしまうと『お前の親なんとかしてくれ』って話だからね。
富田さん:失礼しました……(笑)。

TANAX GAINER GT-R
TANAX GAINER GT-R

■10歳離れると悩みますよね

──それでですね。富田くんはお悩みありますか?
富田さん:マジメなのとマジメじゃないのはどっちがいいですかね?

<<マジメなのはちょっと広がらなかったのと個人的すぎたので中略>>

富田さん:あっ! 思いついた。今年はスーパーGTで初めて日本人の若い、自分よりも年下のドライバーと組むんですよ。(篠原)拓朗と組んでいたといえば組んでいたんですけど、フルシーズン一緒にやってきたわけじゃないし、今年はBドライバーもCドライバーも若いんです。僕も海外では2年とも僕より年下のドライバーと組んではいたんですが、日本での経験がないので、10歳下で、ましてや(宮田)莉朋のとき(※2019年のWTCR日本戦参戦)みたいに2台で1チーム……とかではないので、自分の本当の同じクルマをシェアするチームメイトとして10~11歳下の子と組むのが初めてなんですよ。

──新チームメイトの大草りきくんと塩津佑介くんはいくつ下?
富田さん:大草くんは11歳下、塩津くんが10歳下ですね。

2022年にTANAX GAINER GT-Rをドライブする塩津佑介と大草りき
2022年にTANAX GAINER GT-Rをドライブする塩津佑介と大草りき

──ほ~。だいぶ大変な気がする。
富田さん:そうなんです。僕がまだ30歳に入る前くらいに知り合った10歳下だったらなんとかなったと思うんですけど、もう今年34歳になる年の20代はわからない。20代とか11歳下とかの子たちと、どうやってうまく付き合っていったらいいのかな、というのが今のお悩みですね。

──なるほど。
富田さん:ちなみに、もともとふたり(大草&塩津)はめちゃ仲いいんですよ。それで僕がひとりだけ年齢が違うから単純に入っていけないし、いざ入っていったときに『何だこいつウザいな』と思われたくなくて、いまずっと黙っているんですよ(笑)。これでいいのか分からないんですよね。

──たぶん違うと思う(笑)。
富田さん:自分が若かったころに変なタイミングで話に入ってくる年上の人があんまり好きじゃなかったので、大人しくしていようと思っているんですけど、『たぶんこれは違うんだよな』と思いつつも、入るタイミングときっかけがなくて困っているんですよね。そのあたりをどういう風にやっていったらいいのかを知りたい。

──なるほど。そのお悩みを誰にぶつけますか?
富田さん:今までの回を見ている感じだとトヨタ系とホンダ系のドライバーが多いですよね。

──最近ずっとホンダ系が続いてたね。
富田さん:そうですよね。その前はちょっとトヨタが続いていて、一度本山(哲)さんに行ったんでしたっけ?

──本山さんに行ったね。でもニッサンも今GT500に乗っているドライバーたちはそんなに登場していないかな。
富田さん:最近ちょっと仲がいいのが平峰(一貴)と、やっぱりニッサンといったら僕は千代(勝正)くんなんですけど、そのふたりのどっちに振るか、または雄一くんにいった方がいいのかでちょっと悩んでいます。もともと雄一くんに飛んでから僕に来ると思っていたんですよ。それか、雄一くんから平川(亮)くんとかに行くだろうと思っていたんですけど、まさか野尻くんから直接僕にパスが来ると思っていなかったので、どうしようかな。

──ちなみに、先日中山くんに『富田くんからパスが来るかもしれないよ』と予告をしたけど、『富田くんはたぶん僕に回さないと思います』と言っていたね。
富田さん:いや、そうなるとなんかちょっと嫌ですね(笑)。僕は雄一くんに回したい気持ちはすごくあるんですけど、それは流れとしてどうなのかなという感じもあって。ただ、野尻くんから僕に来たら絶対雄一くんに回さなきゃいけないと思うんですよ。そこで雄一くんを外すと『えっ?』という感じになるから(苦笑)。

 雄一くんは坪井(翔)くんと組んでいた(※2017年のJMS P.MU LMcorsa RC F GT3)こともあるし、やっぱりTDP(トヨタ・ヤング・ドライバーズ・プログラム/現TGR-DC)で若手の子たちもたくさんいるし、堤(優威)くんとか、けっこう年下の子とも仲がいいと思うので、雄一くんにそれを聞いて欲しいなと思います。

──わかりました。では無事に繋がったということで、野尻さんは『のじさんぽ1』として掲載しておきます。
富田さん:『連載フリートークのじさんぽ1、2、3』ですね。いやでも、本当になんだろう。この歳になって思うんですけど、レース業界でこんなに友だちができるとは思っていなかったので、たまにみんなでご飯を食べていても不思議です。30歳を過ぎて人の家に集まってご飯を食べるのはなかなかないので。

──珍しいかもね。
富田さん:そうですね。全員メーカーが違うし。野尻くんなんかとは、よく一緒にシミュレーターをやっていて、お互いのドライビングの悩みも相談したりします。やっぱり自分だけでは解決できないことが多いですからね。なので、若手や若い人との付き合い方を中山選手に聞いてください。

* * * * *

 そんなこんなで、無事にのじさんぽで3人繋がりました。次回はDENSO KOBELCO SARD GR Supraの中山雄一選手です。どんなトークになるかと思うでしょ? けっこう面白い内容になるので乞うご期待!

TANAX GAINER GT-Rの富田竜一郎、大草りき、塩津佑介
TANAX GAINER GT-Rの富田竜一郎、大草りき、塩津佑介
次回はDENSO KOBELCO SARD GR Supraの中山雄一選手です。
次回はDENSO KOBELCO SARD GR Supraの中山雄一選手です。


関連のニュース

本日のレースクイーン

カロッツェリアサポートガール
羽瀬萌(はせめぐむ)

スーパーGT Photo Ranking

フォトランキング