レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

スーパーGT ニュース

投稿日: 2022.03.26 18:16
更新日: 2022.03.27 10:03

ついに初お目見えの斬新ミシュラン新型雨用タイヤ。午後トップの千代「すごく安定して走れた」【富士公式テスト初日】

レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る


スーパーGT | ついに初お目見えの斬新ミシュラン新型雨用タイヤ。午後トップの千代「すごく安定して走れた」【富士公式テスト初日】

 ウエットコンディションとなったスーパーGT富士公式テスト1日目の午後。そのセッションでトップに立ったのは3号車CRAFTSPORTS MOTUL Z、そして2番手にも23号車MOTUL AUTECH Zが入り、3番手の38号車ZENT GRスープラに1秒差をつける速さを見せた。雨で速さをみせたニスモの2台のZが装着していたのが、ミシュランタイヤだが、そのミシュランタイヤのウエットタイヤは斬新なトレッドパターンを採用した新型ウエットタイヤで、今回のセッションで満を持して投入されたものだった。

 これまでのブロックが細かく分かれたトレッドバターンと異なり、3本のラインがかつてのF1のグルーブド(溝つき)タイヤのように刻まれた新しいミシュランのウエット用タイヤ。ミシュランの公道も走れる市販車用サーキットタイヤ、PILOT SPORT CUPと同様のトレッドパターンで、市販車で実績を得てレース用に採用されたという珍しい経緯を持っている。

2022年スーパーGT公式テスト富士1日目
溝付きドライタイヤのようなトレッドパターンのGT500用ミシュラン新型ウエットタイヤ

2022年スーパーGT公式テスト富士1日目
ブリヂストンのGT500用フルウエットタイヤ

 実はこの新型タイヤ、昨年のシーズン中からレース現場に持ち込まれてパドックでは話題となっていたのだが、フルウエットタイヤが投入されるような雨のセッションが昨年は一度もなく、そのポテンシャルは未知のままだった。

 そのミシュランの新型ウエットタイヤが今回の富士テスト初日の午後、初めて公式セッションでクルマに装着された姿を見せたわけだが、そのポテンシャルもいきなりトップを奪うだけでなく、2台で1-2、3番手に1秒差と高いパフォーマンスを見せることになった。

 午後にトップタイムをマークした3号車CRAFTSPORTS MOTUL Zの千代勝正が振り返る。

「僕も去年の3月にテストして以来で、公式セッションで走ったのは初めてです(笑)。久々に履きました。ミシュランのウエットタイヤの経験のない高星(明誠)選手にもっと乗ってもらいたかったのですけど、僕も乗らないと分からないので交互に乗っていました。まわりのタイヤメーカーさんがどのような状態で走っているのかわからないですし、トラフィックもあったと思うので安易には喜べないですけど、ウエットタイヤの開発が明らかにステップアップしているのは確かめられたなと思います。あのコンディションのなかで、きちんとパフォーマンスを発揮して走れる状態でした」と千代。

「前回の岡山、そして富士とコンディションがバラバラだったのですけど、今日の午後のウエットはすごく安定して走れましたし、午前のドライもコンディションがコロコロ変わっていったのでなんとも言えないのですけど、去年よりもフィーリングはいいと思っています。まだテストの段階ですが、Zは数字的にもドライバーのフィーリングとしても去年より直線が伸びていると感じています」と、新型Zにも手応えを感じているようだ。

 千代にとっては昨年のGT-RからZにクルマが変わり、チームメイトも変わり、3号車はチームメンテナンスもB-MAXからニスモに変わったわけだが、今の現状をどのように感じているのか。

「今年、クルマが変わって、チームの体制面でも大きく変わりました。僕たちがクルマを走らせて理解しながらコミュニケーションを取って、お互いの方向性みたいなものを擦り合わせている状況で、結構、クルマの理解度とか、セットアップのおいしいところかとか課題の部分が見えてきています。それを限られた時間のなかでいろいろ試しながら進めています」

「クルマもまだ未完成ですけど、チームもまだ未完成なので、クルマとチームを一緒に作っているような状態です。そのなかでいろいろと新しいことを試せているので、期待は持っています」

 昨年以上に、今年の3号車での千代の役割は大きくなる。

「あまり自分にプレッシャーは掛けたくないですけど(苦笑)、ミシュランタイヤにも長く乗せてもらっていますし、クルマが変わって、チームメイトも体制も新しくなっているので、僕だけが頑張ってもいい結果は出ないので、たくさんコミュニケーションを取りながら、いい雰囲気を作っていきたいと思っています。ドライバーとしては、当然、いい状態の時はタイムでしっかり証明しなきゃいけないと思っています」

 23号車のMOTUL AUTECH Zとメンテナンスが同じになったことで、メリットも大きく感じているようだ。

「ニスモ体制になって、去年よりも4人のドライバーが話をする時間が多くなりましたし、エンジニアもしっかり状況共有ができていて、同じ方向に向かって進むスピードや効率が良くなっているように思います。特に今年はクルマが新しくなって、おそらく他のメーカーさんよりやらなくてはいけないことが多い状況ですし、出だしが大事だと思うので、その部分は2台で底上げが出来るかなと思っています」

 今年からチームメイトとなる高星明誠についても「走りは器用だと思いますし、はっきりと必要なことを言ってくれるのでやりにくいと思うところはまったくないですね。コース上でもいい走りをしてくれるので、チームメイトとして頼もしいです。一緒にいいレースをしたいなと思います」と期待を高める千代。新型Zのデビューイヤーは新型のミシュランウエットタイヤとともに、23号車だけでなく、3号車の存在感も高まりそうだ。

2022年スーパーGT公式テスト富士1日目
今年から3号車のメンテナンスが変わり、ニスモが2台体制となった

ミシュランタイヤ PILOT SPORT CUP
ミシュランタイヤ公式ホームページ(https://www.michelin.co.jp/auto/browse-tyres/by-family/pilot)より

関連のニュース