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スーパーGT ニュース

投稿日: 2022.04.15 19:50
更新日: 2022.04.16 12:06

JLOCに注入される“GT500のノウハウ”。好調フェラーリも「レベルアップ」に自信/第1戦GT300プレビュー

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スーパーGT | JLOCに注入される“GT500のノウハウ”。好調フェラーリも「レベルアップ」に自信/第1戦GT300プレビュー

 テストまでの結果を見れば、なんとなくの状況は見てとれる。だが、それがそのまま勢力図を反映しているかどうか分からないのが、GT300クラスの難しさであり、奥深さだ。

 今季はGT300規定勢の燃料リストリクターが絞られるなど、参加条件(BoP)変更の影響も取り沙汰されているが、パドックでは「テストは三味線かもしれないし、結局はレースウイークが始まってみないと分からない」という見方をする関係者は多い。

 そんな背景を踏まえつつも、テストまでで目立った好調ぶりを見せているふたつの陣営に、その要因や今週末の第1戦『OKAYAMA GT 300km RACE』への展望などを聞いた。

 まずは、岡山の公式テストで総合トップタイムをマーク、その後の富士テストでも上位に食い込んでいるJLOCだ。

 既報のとおり、M-TEC(無限)で長年チーム監督を務めてきた熊倉淳一氏が今季からJLOCに加わっているのだが、“タイムに現れないところ”にも、着実にこの効果は出ているようだ。

 熊倉氏は今季、87号車Bamboo Airways ランボルギーニ GT3の監督として登録されているが、88号車weibo Primez ランボルギーニ GT3を含め、2台を統括して見る立場となる。チームへの加入は、元嶋佑弥からの依頼だったという。

 GT500など長年トップカテゴリーに身を置いてきた熊倉氏にとって、JLOCのチーム体制は“驚き”であると同時に、改革の対象でもあったという。

「私が前にいた会社(無限)はスタッフが社員で固められていましたが、ここはほぼ外注のメカニックさんで構成されています。それでも皆さん何年も同じチームでやられているからか、スムーズに作業が進んでいるのが非常に印象的です」と熊倉氏。

「こういうやり方もあるんだな、と新しい発見でした。20人を超える人が集まってきているのに、誰が指示するでもなく、的確な作業をしているという印象です」

Bamboo Airways ランボルギーニ GT3の熊倉淳一監督
Bamboo Airways ランボルギーニ GT3の熊倉淳一監督

 一方で、その“あうんの呼吸”の中にも気になる部分があり、それについては熊倉氏から則武功雄代表に改善を進言したという。

「もっとみんなでコミュニケーションを取って、確認して物事を進めた方がいいんじゃないかということで、まずはそれを大切にしよう、と。分かっていることであっても、作業手順やその日の流れを確認していこうよ、というところから始まっています」

 外注スタッフが多いことから、チーム全員がそろうのはサーキットの現場しかない。そんな背景を踏まえ、熊倉氏の加入により強化されたのがピット作業の練習だ。

「この体制だと、(ピット作業の練習は)現場でしかできない。だからこのオフのテストでも、そこは力を入れました。みんなベテランなので、ひとりひとりはうまくできるんですけど、それを連携させて、ひとつのチームとしてやっていければいいかなと思います」

 一見すると細かいが、『勝負』するうえでは重要な要素もある。例えば富士でのテストの際、ピットストップ時に車両を停めるマーキング位置を、チーム内の2台で連携することなく、それぞれにとってベストなポジションに設定しようとしていた。

 しかし、隣のガレージと離れていたことから、2台を最大限離した位置にマーキングするよう熊倉氏が提案。同時ピットインでもダイブポジション(いわゆる斜め停め)をしなくて済むレイアウトにできたという。こういった些細なひとつひとつが、レース本番で“チーム力”として現れる可能性は、大いにある。

 また、タイヤメーカーとの関係についても「GT500でもヨコハマとは長くやっていたので、スタッフもよく知っています。ミーティングを密にして、タイヤの使い方などを指導していただきながら、走らせていけばいいんじゃないかなと思ってます」と熊倉氏。

 この週末、そしてシーズン全体に向けては、「路面コンディションとタイヤをマッチさせて、正しいタイヤチョイスをし、ピット作業のミスがないよう、ベストを尽くせれば」結果はついてくる、と熊倉氏は語る。

「昨年のレース結果を見ていると、だいぶ取りこぼしているところが多いので、そこを直していきたい。あとは2台体制の良さを活かしていきたいですね。1台が取りこぼしても、もう1台が着実にポイントを拾う、といった戦い方です」

 なお、熊倉氏だけでなく、今季JLOCにはふたりのGT500経験メカニックも加入しており、細かい作業や準備を含めて“GT500のノウハウ”が注入されているという。

 煮詰めてきたセットアップとタイヤ、昨年から不変のラインアップとなる4人のドライバーに、これらの新スタッフ加入によるチーム力の向上が果たされれば、年間にわたってタイトルを争う存在ともなり得る。そんなJLOCの“改革”の一端が、まずは開幕戦で見られるだろう。

■次のページへ:フェラーリが見つけ、改善してきた“弱点”


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