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スーパーGT ニュース

投稿日: 2022.04.16 19:48
更新日: 2022.04.16 19:55

名コンビ復活初戦でフロントロウ獲得。高木真一が驚いたダンロップ開発陣の“エネルギー”/第1戦GT300予選

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スーパーGT | 名コンビ復活初戦でフロントロウ獲得。高木真一が驚いたダンロップ開発陣の“エネルギー”/第1戦GT300予選

 1周目のアタックは、他車に行く手を塞がれながらもまずまずの1分24秒7。RC F+ダンロップのパッケージをよく知る新田守男からは「2周目が本命、もしかしたら3周目のアタックもいける」と教えられていた。その本命ラップ、タイヤもピークグリップを発揮するなか、高木真一は「しっかりまとめられた」と1分24秒368へとタイムを上げた。

 しかし、K-tunes RC F GT3がコントロールラインを通過しても、ピットからの無線は沈黙を続けていた。

「やべぇな、やっちまったかな」

 手応えとは裏腹のピットの反応に、コクピットの高木は一瞬、嫌な汗をかいた。しかし実際は、ピット位置が出口に近くアタック順が早めだったこともあり、続々とコントロールラインを通過してくる後続車両の存在に、チームが無線を入れるタイミングを失っていただけだった。

 移籍初戦にして、予選PPに迫る2番手タイム。チームが岡山をホームとしていることからも、アタックを終えた高木は「ホッとした」という。

予選2番手獲得を喜ぶ高木真一とダンロップのスタッフ
予選2番手獲得を喜ぶ高木真一とダンロップのスタッフ

 今年、K-tunesで12年ぶりに復活した『新田・高木組」。かつての名コンビは開幕前のテストから順調に息を合わせることができてはいたが、復活初戦での予選フロントロウ獲得はチームの雰囲気をさらに明るいものにした。

 昨年までNSX GT3をドライブしてきた高木だが、RC F GT3への乗り換えはスムーズだった。スーパー耐久含め、さまざまなGT3車両をドライブした経験を持つ高木にとっては「それぞれの走り方が染み着いちゃっているので、違和感とかはまったくない」という。

「外から見ていると、RC Fは腰高で、ロールして……というイメージでしたが、乗ったら本当にすごく素直なクルマだったんです」

「もう何年もK-tunesが作り上げてきたクルマだったので、セッティングは本当にアジャスト程度。コンディションに合わせてちょっとアジャストするくらいで、そのあとはふたりでずっとタイヤ開発をしている感じ。それくらいクルマが安定しているので、乗りやすいし、タイヤ開発も綿密にできる」

 昨年までブリヂストンタイヤを履いていた高木は、当然ダンロップの挙動には慣れるべきところも多いようだが、「いろんな体験をさせてもらえる」と前向きだ。そしてタイヤそのもの以上に、高木が驚いたのが開発スタッフのポジティブな雰囲気だという。

「やる気が半端ないし、スタッフの人たちのエネルギーが全然違うなと思いました。ダンロップの人たちも必死にやっているから、僕らもそれに応えたいと思うし、(今日の結果も)一緒に喜べる」

 K-tunesとしてはタイヤをダンロップに変更しての3シーズン目。過去2シーズンは、ヘビー級の車重であるRC Fに対するマッチングに苦しみながら、徐々に開発を積み上げてきた。その成果が出て、昨年の第6戦オートポリスでは表彰台を獲得。昨季タイトルを獲得したダンロップとともに、今季は飛躍を期するシーズンを迎えている。

 高木は「クルマがイメージどおり動いてくれるのは、新田さんがこれまで作り上げてきたタイヤとのマッチングが一番大きいと思う。新田さんとエンジニアの中居(邦宏)さんで作り上げたものが噛み合ってきていて、僕はオイシイところを乗らせてもらっているだけ」とチームのこれまでの努力を強調する。

 ただ、高木の加入により開発がやりやすくなったことは間違いないようだ。これまでのK-tunesは若手育成を担っていたこともあり、ドライバーふたりでのタイヤ開発は困難だった。そこを「頼ってもらえて、ふたりで半分ずつタイヤ開発ができるようになったんじゃないか」(高木)という。

「明日? 天気が良さそうだから、どうなるかな……。そんなに甘くないと思うし、一番ロングランがいい陣営よりは少し落ちるけど、充分に戦える感じじゃないかと思っている。なんとかふたりで“通せんぼジジイ”をやって(笑)、表彰台に乗りたいね」

左から中居エンジニア、高木、影山正彦監督。手前に新田。
左から中居エンジニア、高木、影山正彦監督。手前に新田。


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