レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

スーパーGT ニュース

投稿日: 2022.04.17 21:30
更新日: 2022.04.17 23:11

「ゾーンに入った感じがあった」松田次生&MOTUL、新型Zのデビュー戦で3位表彰台を獲得【第1戦GT500決勝】

レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る


スーパーGT | 「ゾーンに入った感じがあった」松田次生&MOTUL、新型Zのデビュー戦で3位表彰台を獲得【第1戦GT500決勝】

 2022年スーパーGT開幕戦、第1戦岡山の予選でQ1敗退してしまったニッサンチームのエース車両、23号車MOTUL AUTECH Zだったが、決勝では9番手グリッドから追い上げ、見事3位表彰台を獲得する大躍進を見せた。厳しい予選から一転、レースでの強さを見せた23号車の戦いを、ドライバー、チーむ首脳に聞いた。

 前日の予選で、「アタックではまったくミスはしていないです。『どうしてこのアタックでQ1で落ちてしまうの?』という感想です。(Q1突破の8番手まで)100分の6秒差、悔しいですね」と、肩を落としていた23号車MOTUL Zの松田次生。だが、レースではその雰囲気が一変した。

 ロニー・クインタレッリがスタートを務めた23号車はオープニングラップでひとつ順位を上げて8番手となるも、前の36号車au TOM’S GRスープラの背後に付くも抜きあぐねてしまう。クインタレッリが時に36号車に接触しながら並びかけるも、前を抑えられるという展開が続く。

 そこで31周目にピットインするも、36号車も同時ピットイン。ピット勝負となったところで23号車は36号車の前でコースインを果たす。だが、ここで素直に喜べないのが、1周あとにピットインした3号車CRAFTSPORTS MOTUL Zに、前に出られてしまったことだ。

 23号車の中島健監督兼エンジニアが振り返る。

「ピットで36号車の前に行くことができましたが、3号車には給油時間の関係で前に行かれてしまった。前半スティントのロニーさんが36号車とのバトルで本当に抜けなくて、そこで相当頑張ったんですけど、おそらくそこで燃費も悪くなったのかなと思います。思っていたよりも前半にガソリンを使ったような雰囲気がありましたが、しょうがないですね。バトルをしているわけですから」と中島監督兼エンジニア。

 だが、そこからセカンドスティントを担当した松田次生が結果的に5台をオーバーテイクする怒濤の追い上げで、3位表彰台まで順位を上げることになった。

「今日のレースではもう、何台抜いたかわからないですね。結構、抜きました。タイヤも持たせながら走っていたので、でもゾーンに入った感じがあって、去年の鈴鹿、そしてオートポリスから追い上げるパターンというか、最近はすごく乗れている感じがあります」と次生。

「今日はちょっとピットタイミングで3号車に前に行かれてしまって、もうちょっと楽にさせてもらえればうれしかったですけど(苦笑)、なんとか頑張って追い上げることができたので、魅せるレースができたんじゃないかと思うので、僕としては良かったと思います」と笑顔でレースを振り返る。

 中島監督兼エンジニアも次生の追い上げを手放しで讃える。

「後半、すごい追い上げでしたね。次生が本当に上手にGT300の絡みとか、FCY開けのタイミングをうまく使ってくれた。なかなかGT500クラスで前を抜くのは難しいですから、去年まででしたら結構、ストレートスピード差がありましたけど今年はもう拮抗していますし、そんななかで本当に良く抜いてきてくれたなと思います」

2022年スーパーGT第1戦岡山決勝日
GT300の処理のロスを最小限にしてペースを保ったMOTUL AUTECH Zの松田次生

 デビュー戦となったZのフィーリングも、次生を納得させるものだったようだ。

「レースになって、クルマもすごくよくなりましたし、選んだタイヤも良かったです。今までノーウエイトの開幕戦で上位を争うことができなかったので、今回他の2メーカーとしっかり争えたというのはすごくプラスになると思います」と次生。

 これまで総監督として数々のデビュー車種を勝利に導いてきた、現在ニスモのスーパーバイザーを務める柿元邦彦氏も新型Zの開幕戦に及第点を与える。

「予選は路気温の変化にちょっと翻弄されたところがありますが、決勝は実力が出てきたなと思いますね。去年はストレートでかわされていたわけですが、去年までに比べて今年は抜くことができる。予選9番手、10番手から、抜き難いサーキットであそこまで追い上げられたというのは、デビュー戦の結果として良かったし、次戦以降に期待が持てるなと思います」と柿元スーパーバイザー。

 次生も「これからサクセスウエイトを積んでいくので、その状態でしっかり優勝、そしてポイントを獲れるように頑張っていきたいですね」と、新型Zのポテンシャルに期待する。

 それにしても、レースで強いクルマを目指したとはいえ、去年までの決勝でのGRスープラ勢に強さを考えれば、予選9番手から3位になれるとは想像していなかった。

「僕も正直、表彰台まで行けるとは思っていませんでした(苦笑)。今日は自分のなかでもいい運転ができたと思います」と、満面の笑みで話す次生。

 2015年以来、7年ぶりのタイトル獲得に向けて、新型Zとニッサン陣営にとって期待を抱ける2022年開幕戦となった。

2022年スーパーGT第1戦岡山決勝日
2022年スーパーGT第1戦岡山決勝、グリッドでの松田次生(MOTUL AUTECH Z)

2022スーパーGT第1戦岡山 GT500クラス表彰台
2022スーパーGT第1戦岡山 GT500クラス表彰台

関連のニュース

スーパーGT 関連ドライバー

スーパーGT 関連チーム