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スーパーGT ニュース

投稿日: 2022.05.04 18:50
更新日: 2022.05.04 23:36

初の450km戦はハーフポイントに。優勝はTANAX GAINER GT-R【第2戦富士GT300決勝レポート】

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スーパーGT | 初の450km戦はハーフポイントに。優勝はTANAX GAINER GT-R【第2戦富士GT300決勝レポート】

 2022年のスーパーGTの第2戦決勝レースが5月3日、富士スピードウェイで開催された。スーパーGT史上初の450kmレース(100周)として開催された本大会だが、2度の大クラッシュにより長時間にわたる赤旗中断を2度挟むことに。その結果、18時20分にレースの最大延長を迎え、GT300クラスは58周目終了時点でチェッカーを迎えた。

 GT300クラスは2番グリッドスタートからオープニングラップでトップに浮上したTANAX GAINER GT-R(富田竜一郎/大草りき/塩津佑介)が優勝。2位にBUSOU raffinee GT-R(柳田真孝/井出有治)、3位にポールスタートのSUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)が続いている。

 ゴールデンウイーク恒例の富士長距離ラウンドとなる第2戦。今大会はスーパーGT史上初の450kmレースとなり、昨年の第2戦からレース距離が50km短くなった。給油を伴う2回のピットストップが義務付けられているが、タイヤ交換に関する義務はないこともあり、とくにGT300クラスではタイヤ無交換、2輪交換なども考えられ、これまで以上に各車のレース戦略に注目が集まる一戦となった。

 前日3日に行われた公式予選でポールポジションを獲得したのは、昨年のシリーズチャンピオンのSUBARU BRZ R&D SPORT。唯一の1分34秒台を叩き出し、前戦岡山に続いて2戦連続のポール獲得となった。フロントロウ2番グリッドはTANAX GAINER GT-Rが獲得。セカンドロウ3番グリッドにK-tunes RC F GT3(新田守男/高木真一)が、4番グリッドにBUSOU raffinee GT-Rが続き、ダンロップタイヤユーザーがトップ4を占める結果となった。

 決勝レースは気温20度、路面温度33度、湿度44%という青空のもと、2周のフォーメーションラップを経て14時36分にスタートを迎えた。TGRコーナー(1コーナー)はポールポジションスタートのSUBARU BRZがホールショットを守るも、TANAX GAINER GT-Rの富田が鋭いブレーキングを見せる。

2022スーパーGT第2戦富士 GT300 スタートの様子
2022スーパーGT第2戦富士 GT300 スタートの様子

 2台は並走してコカ・コーラコーナーに突入も、立ち上がりでTANAX GAINER富田が先行し、トップに浮上した。オープニングラップでは大きなアクシデントもなく、富田を先頭に2周目に入るが、ここでマッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号(冨林勇佑/平木玲次)がピットイン。給油のみのスプラッシュという大胆な戦略を実施し、コースに復帰する。

 依然としてスタートの慌ただしさが続く4周目には、HACHI-ICHI GR Supra GT(佐藤公哉/三宅淳詞)とStudie BMW M4(荒聖治/アウグスト・ファーフス/近藤翼)が。5周目にはグッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也)、埼玉トヨペットGB GR Supra GT(川合孝汰/菅波冬悟)、apr GR SPORT PRIUS GT(嵯峨宏紀/中山友貴)が続々とピットイン。なお、Studie BMW M4はパワーステアリングのトラブルに伴うピットインであり、そのまま車両をガレージに収めてしまう。

 GT500クラスの集団が追いついてきた7周終了時点で、TANAX GAINER富田とBRZ山内のギャップは1.247秒。一時的にその差が0.697秒まで縮まることもあったが、GT500の隊列を先行させ、クリアラップが取れると、再び2台のギャップは1秒以上に広がる。長距離戦を見越してか、GT300クラスの戦いはしばし均衡状態が続く。

 そんななか、3番グリッドスタートのK-tunes RC F GT3高木が、14周目のコカ・コーラコーナーで同じダンロップ勢のBUSOU raffinee GT-R柳田真孝に、続く15周目にはLEON PYRAMID AMG蒲生、そしてGAINER TANAX GT-Rの安田裕信にかわわされ、6番手までポジションを落としてしまう。

 一方、29周目にトップのTANAX GAINERがピットイン。大草りきが第2スティントに挑む。直前にはBRZに対し、3.488秒のギャップを築いていたTANAX GAINERは停車時間44.9秒でコースに復帰。そして、BRZ山内は1分38秒台〜39秒台のハイペースでTANAX GAINERとのギャップを縮めにかかる。

 そんななか、35周目のアドバンコーナーで、ARTA NSX GT3の木村偉織がPACIFIC hololive NAC Ferrariのケイ・コッツォリーノに追突。ARTA NSX GT3は左フロントのダメージが大きく、ここで戦線離脱。hololiveフェラーリはピットでの修復を経て、コースに復帰を果たしている。

接触の際にARTA NSX GT3のフロントフェンダーがPACIFIC hololive NAC Ferrariに引っ掛かってしまう
接触の際にARTA NSX GT3のフロントフェンダーがPACIFIC hololive NAC Ferrariに引っ掛かってしまう

 38周終了のところで、BRZがピットイン。フルサービスを実施し、停車時間46.7秒でコース復帰も、BUSOU raffinee GT-Rの後方とポジションを下げる結果に。

 その直後、39周目に波乱が訪れる。アールキューズ AMG GT3の和田久がアドバンコーナー進入で単独スピンからの大クラッシュを喫してしまう。なお、和田は自力でマシンを降りている。このアクシデントでフルコースイエロー(FCY)が導入される。

2022スーパーGT第2戦富士 大クラッシュを喫したアールキューズ AMG GT3。和田久は自力でマシンを降りている
2022スーパーGT第2戦富士 大クラッシュを喫したアールキューズ AMG GT3。和田久は自力でマシンを降りている

 そのFCY導入直後、ホームストレートでリアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rの藤波清斗が、GT500車両に追突しかけるが、なんとか回避。しかし、スピンを喫して順位を落とす結果に。このスピンにより、ドライビングスルーペナルティを課せられることに。

 さらにFCYは、セーフティカーに切り替えられることに。その直後には、PACIFIC hololive NAC Ferrariが左リヤから白煙をあげてスローダウンと、アクシデントが続く。そして46周目に赤旗が掲示され、レースは一時中断となった。アールキューズ AMG GT3のクラッシュにより、損傷したタイヤバリアの修復のため、コース側に重機が入る必要と判断されたためだ。

2022年スーパーGT第2戦富士スピードウェイ決勝
44周目に22号車アールキューズ AMG GT3がクラッシュしたタイヤバリヤを修復するため、レースは赤旗中断に

 レースは16時25分にSC先導で再開され、49周目にリスタートを迎えた。TANAX GAINER GT-R大草がリードする一方、SC中にスプラッシュを行った埼玉トヨペットGB GR Supra GTが50周目に3度目のピットイン。ここで義務消化を果たす。

 ここから義務消化組を中心にレース後半の戦いが始まるかと思われた矢先、GT500クラスのDENSO KOBELCO SARD GR Supraのスリップに入ったCRAFTSPORTS MOTUL Zがスリップから出ようとしたところ、ピットウォール側にはスローダウンしていたArnage MC86が。接触を避けようと高星明誠は左に大きくステアリングを切ったところでコントロールを失い、グランドスタンド前のガードレールにクラッシュ。

 これにより2度目の赤旗が掲示された。幸いにして高星は自力でマシンを降りて、無事に医務室にて検査を受けていることがGTアソシエイションの坂東正明代表から場内アナウンスで伝えられている。しかし、グランドスタンド前のガードレールは大きく損傷。このガードレール修復のため、長時間の赤旗を余儀なくされた。

2度目の赤旗中断中に集うGAINERのドライバー
2度目の赤旗中断中に集うGAINERのドライバー

 レースは18時10分にSC先導でリスタートを迎えた。本大会では給油を伴う2回のピットストップが義務付けられていたが、給油回数義務はなしに。また、最大延長時間が18時20分であったため、SC先導のまま順位に変動はなくレースはチェッカーを迎えた。これにより、オープニングラップからレースをリードしたTANAX GAINER GT-Rが優勝。2位にBUSOU raffinee GT-Rが、3位にSUBARU BRZ R&D SPORTが続いた。なお、本レースではハーフポイントなる模様だ。

 次戦となる2022年スーパーGT第3戦『たかのこのホテル SUZUKA GT 300km RACE』は三重県の鈴鹿サーキットで、5月28〜29日に開催される。前戦の岡山、そして今大会の舞台富士ともコース特性が異なり、サクセスウエイトによる重量増の影響も大きくなる鈴鹿では、どのような戦いが繰り広げられることになるのだろうか。

 改めてモータースポーツに関わるすべての人の安全を願うとともに、次戦を楽しみにしたいところだ。

最大延長時間を迎え、SC先導、かつイエローとチェッカーが同時に振られるなかTANAX GAINER GT-Rがトップで通過し優勝
最大延長時間を迎え、SC先導、かつイエローとチェッカーが同時に振られるなかTANAX GAINER GT-Rがトップで通過し優勝
2022スーパーGT第2戦富士 GT300クラスの表彰台
2022スーパーGT第2戦富士 GT300クラスの表彰台


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