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スーパーGT ニュース

投稿日: 2022.05.04 22:50
更新日: 2022.05.04 23:19

トップチェッカーも無情のペナルティ降格。DENSO脇阪寿一監督「触ったらダメと言わなかった僕の責任です」【第2戦富士GT500決勝】

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スーパーGT | トップチェッカーも無情のペナルティ降格。DENSO脇阪寿一監督「触ったらダメと言わなかった僕の責任です」【第2戦富士GT500決勝】

 レース直後、「複雑……ですよ」と第一声を発した後、珍しく肩を落とす39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supraの脇阪寿一監督。予選Q1では前の車両に引っかかってしまい、予選14番グリッドからスタートした39号車だったが、決勝では2度の赤旗中断という荒れた展開のなかでトップを奪い、そのままチェッカー。しかし、ペナルティが課されて13位に終わるという波瀾万丈なレースとなった。寿一監督がこの週末を振り返る。

「昨日の予選でクルマが速いことはわかっていて、それで前に詰まってしまった。ポテンシャルがあることはわかっていたので、(Q1を担当した中山)雄一には予選のアタックのときに『違うタイヤメーカーのクルマを前に走らせるのは間違いだよ』と。今回、我々はストレートがあまり得意な方ではなかったので、少しでもスリップのアドバンテージがほしいという気持ちが彼のなかにあったのかな。それはひとつの経験として、『前に置くのは信頼できるドライバーだけにしなさい』という話をしました」

 決勝に向けては中山がスタートを担当し、予選14番手スタートというポジションから、さまざまなレースプランを準備していたという。

「クルマのスピードはあるから、今日の決勝でどう取り返すかという作戦をA、B、C、D、E、Fプランくらいまで作って、そしていざスタートしたらTGRコーナー(1コーナー)で両方から挟まれて接触してしまったでしょ。それでフロント両サイドのエアロが壊れて、フロントのダウンフォースがなくなって雄一のペースは上がらなくなってしまった」

「そのなかで我々はいいタイヤを持っていたので、最初のスティントを引っ張れた。そうなるとやるべきことは、セーフティカー待ちになるよね。もちろん、あのタイミング(44周目)でセーフティカーが出たことはラッキーだったけど、それまでの準備は徹底的にやってきていました。そこはドンぴしゃでした」

 GT500車両のなかで最初のピットインを最後まで引っ張り、44周目にGT300車両のクラッシュによるFCY(フルコースイエロー)~SC(セーフティカー)のタイミング合わせたピットインでDENSOは見事、3番手まで順位を上げた。

 そして、第2スティントを担当した関口雄飛がSC明けのリスタートで前の2台を抜きにかかる。

「雄飛のリスタートで(2番手のKeePer TOM’S GR Supraの宮田)莉朋にプレッシャーをかけた、そして莉朋と(トップの)au TOM’S GR Supuraがぶつかったけど、それは雄飛のプレッシャーが作ったものだよね」

 トップ2台のトムスの同士討ちの絡みで首位に立つという、予選14番手からの大逆転の展開となったDENSO。3号車CRAFTSPORTS MOTUL Zのクラッシュにより2度目の赤旗中断を経て、セーフティカーのままトップチェッカーとなったが、なんと、最初の赤旗中断時に関口がクルマを降りてマシンを触ってチェックしたことが作業違反となり、チェッカー後のペナルティでDENSOは13位という結果に変わってしまった。

「手負いのクルマで3号車を抑えて、37号車も1コーナーの接触で手負いの状態になって、その2台を抑えて、そしてあのアクシデントが起こった。ガードレールがあれだけ壊れていたのでタイムレースになるから、どうやって守りきるかを考えていた。でも、その後の状況を見ているとパレードレースで終わりそうだということで準備をしていたけど、本当に最後のチェッカー受ける2~3分前にペナルティの連絡を受けました」と寿一監督。

 その関口の作業違反のペナルティに、自分を責める寿一監督。

「無線で『外から確認しなさい』と言った僕の責任です。赤旗でドライバーが降りていいとなったとき、どこが壊れているのかわかったら、雄飛だったらその対処をしてちゃんと乗ってくれると思ったので『自分の目で確認して』と言ったけど、『触ったらダメ』とは言ってなかった。だから僕の責任です。起こる可能性のあるミスをフォローするのが僕の役割なので、あれはもう、僕の責任です」

「今回、チームとしてできることはすべてやりきりました。雄一の予選をスタッフ全員がフォローする。我々は『全員野球』と言っていますけど、自分の技術を追求して高いレベルで仕事をする。それは自分のアピールのためではなく、仲間のため。まさに、そのレースができたと思っています。ピット作業も、前回の岡山も一番早かったですけど、今回も早かった。次、すっきりと勝てるように頑張ります」

 どんな時でもサーキットでは気丈に振る舞う寿一監督も、さすがに今回のレース直後は憔悴した表情を見せた。多くのドライバー、チーム関係者に悔いが残る今回の第2戦富士戦。寿一監督にとっても、心に引っかかりの残る一戦になった。

2022年スーパーGT第2戦富士スピードウェイ決勝
1回目の赤旗後のリスタートでトップを奪ったDENSO KOBELCO SARD GRスープラを攻める3号車CRAFTSPORTS MOTUL Z
2022年スーパーGT第2戦富士スピードウェイ決勝
トップチェッカーを受けたDENSO、そして2位チェッカーを受けたKeePerがペナルティを受けて降格するというまさかの結末


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