5月5日、スーパーGT GT500クラスにKeePer TOM’S GR Supraで参戦する宮田莉朋は、5月4日に行われたスーパーGT第2戦富士の決勝レースを振り返り、自身のSNS（@M_Ritmo）に、レースを終えての心境、また59周目に起きたアクシデントに関しての見解を綴った。宮田の了承を得た上でご紹介しよう。
今季、サッシャ・フェネストラズとともにKeePer TOM’S GR Supraをドライブしている宮田。5月4日に行われたスーパーGT第2戦富士ではトップ争いを展開するも、一度赤旗中断となった後のリスタート明け、トップを争いTGRコーナーでインを差すも、僚友au TOM’S GR Supraと接触。最終的には、この件でペナルティが課されてしまった。
またレース中の59周目には、3番手を走りトップのDENSO KOBELCO SARD GR Supra、CRAFTSPORTS MOTUL Zを追うも、目前に出てきた車両を避けようと宮田の前にいたCRAFTSPORTS MOTUL Zが大クラッシュ。瞬時に宮田は避けることができたが、宮田にとっても非常に危ういシーンだった。
そんなレースの後、宮田はさまざまな理由があったかメディアの取材に対し「コメントは差し控えたい」としていたが、自身のSNSを通じて「応援、ありがとうございました。大きな事故が起きましたが、サーキットにいた皆さまが怪我なく終えたことが何より嬉しい出来事です」とレースを振り返ったうえで、接触についてファンに詫びた。
「トムスを応援して頂いている皆さま、レース前半までトムスがレースを築いていたのを壊してしまい、申し訳ありません。現在、自分は何ができていて、何が問題で接触してしまったのか、また36号車のデータも分析させていただき、細かく検証しています。今後同じことが起きないよう、努めてまいります」
そして、59周目に起きたクラッシュについても「本当に危険でした」と綴った。
「僕が回避できたのは、僕自身が回避能力が少し優れていたからでしょうか。僕は、それだけではなく、他の要素があると思います」と宮田は綴った。
「外からの映像等を見返しましたが、個人の見解としては3号車（CRAFTSPORTS MOTUL Z）と少しの距離感があったから、GT300車両を避けられたと思います。もし、僕が3号車の真後ろの距離感であれば、僕も事故に遭ったと思います」
宮田が語るとおり、中継映像を見返すと、CRAFTSPORTS MOTUL ZはDENSO KOBELCO SARD GR Supraのスリップに入りかなり接近していたが、宮田のKeePer TOM’S GR Supraは2台とはほんのわずかに距離があった。これが宮田自身が回避できた理由ではないかという。
「39号車（DENSO KOBELCO SARD GR Supra）と3号車の距離は、正しいことはまだ分かりません。しかし、たった数ミリの距離があるかないかだけで、回避できたか事故に遭うかの瀬戸際だと思います。あの時、僕は3号車と距離が少しあったからこそ、なんとか回避できました。今後、このような事故を起こさないように関係者の皆さまと改善していきたいと思ってます」
クラッシュしたCRAFTSPORTS MOTUL Zの高星明誠は、宮田がこれまで切磋琢磨してきたライバルであるだけでなく、レーシングカートを始めたばかりの4歳のころ、「所属チームの先輩として、アドバイスや僕のカートをメカニックとして協力してくれた」間柄だという。そんな高星のクラッシュに、宮田も衝撃を受けていたはずだ。
「目の前で事故に遭ったのを見たときは、『ただ無事であって欲しい』と思いました。無事で本当に良かったです。今のレーシングカーが安全で、怪我なくレースを終えられたことに感謝して、今後もモータースポーツを盛り上げられるよう、一生懸命頑張ります」
チームメイトのフェネストラズとともに、宮田はまだ若い。そしてその速さはファンなら皆が知っている。今回の辛さ、悔しさを跳ね返すレースがすぐにやってくるはずだ。その時、笑顔で表彰台に上る姿を楽しみに待ちたい。
