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スーパーGT ニュース

投稿日: 2022.05.19 14:12
更新日: 2022.05.19 14:13

メルセデスAMGの新型GT3車両は2025年登場か。現行車に“2度目のEvo”投入予定はなし

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スーパーGT | メルセデスAMGの新型GT3車両は2025年登場か。現行車に“2度目のEvo”投入予定はなし

 メルセデスAMGのカスタマーレーシング責任者が、2025年に登場する可能性があるニューモデルを含めた、この先のGT3レースの見通しを説明した。

 ステファン・ヴェンドルは先週末にオーストラリアのバサーストで行われたIGTCインターコンチネンタルGTチャレンジの12時間レースの際、現行のメルセデスAMG GT3 Evoが、2024年の終わりまで主力のGTレース車両として継続される予定であると語っている。

 さらにヴェンドルは、2024年シーズンをもって現行Evoモデルのホモロゲーション期間が終了することについて、メルセデスAMGにとって後継車両を投入する「いいチャンスになるかもしれない」と新型車の導入を示唆した。

■BoP含めたGT3レースの運営方法には満足

 2016年にカスタマーチームとともに世界デビューを飾ったメルセデスAMG GT3は、2020年シーズンを前に“Evo”アップデートが投入された。現在も、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権、IGTC、GTワールド・チャレンジの各シリーズ、DTMドイツ・ツーリングカー選手権、スーパーGT・GT300クラスなどにフル参戦し、世界中の多くのシリーズでレース活動を行っている。

 ヴェンドルは、車両のホモロゲーションを担当するFIAと、いくつかの主要なチャンピオンシップにおけるBoP(性能調整)を設定して世界的な規格を創設したSROモータースポーツ・グループによるGT3の運営方法に、信頼を寄せているという。

「FIAとSROがGT3車両のエボルーション(Evo=進化)をどのように扱うかについて、私はかなり満足している」とヴェンドルは述べている。

「2015〜16年以降、フェラーリ、ランボルギーニ、ポルシェ、アウディや我々のようなグループが来てから、そのホモロゲーション期間においてマニュファクチャラーが増えた」

「それ以来、パフォーマンスレベルは、一定に保たれている」

「SROテクニカル・ディレクターのクロード・シュルモンは、BoPを用いて、高いポテンシャルを持つ新車が、常に2016年を基準とするフィールドの平均パフォーマンスとなるよう、バランスさせてきた」

「スパでのラップタイムを見れば分かる。予選と決勝でのアベレージタイムは、1秒のウインドウに入っている。これは、マニュファクチャラーやカスタマーが長いスパンで車両を使用するために頼りとなる、ひとつの基礎となるものだ」

「これは新型車の開発をチャレンジングなものにしている。なぜなら、1秒や2秒、マシンを速くするようなパフォーマンス面だけを追求するわけにはいかないからだ。次なる世代において評価されるディテールというものに、目を向けなければならない」

「2020年には冷却や耐久性、メンテナンス性などを考慮したアップデートをカスタマーに提供した。その効果にはとても満足している」

「いま現在は、現行のホモロゲーション終了を待っている。その後、我々のカスタマーは後継車両の登場を待つことができるが、それが2025年よりも前ではないことは彼らに伝えている」

2022年IGTC第1戦バサースト12時間で優勝したサンエナジー1・レーシングの75号車メルセデスAMG GT3
2022年IGTC第1戦バサースト12時間で優勝したサンエナジー1・レーシングの75号車メルセデスAMG GT3

 ホモロゲーション規則などの基本的な部分で劇的な変更がない限り、メルセデスAMGは、いわゆる“ダブルEvo”を現行車両に施す予定はないと、ヴェンドルは述べている。

 他メーカーではフェラーリが2018年と2020年に、2019年と2022年にはアキュラ(ホンダ)とアウディが、相次いで2度目のEvoパッケージを導入している。

「我々は自分たちのクルマに満足しているし、大きな問題も生じていない」とヴェンドル。

「いまのところ、これは我々のカスタマーに関する計画どおりだ。すなわち予測可能なコストで長い寿命の車両を持つこと、である」

「我々はこの車両とともに、少なくとも2024年までを戦う。2025年には、新たなホモロゲーション期間が始まる。これは、我々にとって良いチャンスとなるかもしれない」

「我々は、新車の開発を検討している」

 ヴェンドルはGT3の後継車両開発を、現行車両の競技活動と大きくオーバーラップする「進行中のプロセス」であると説明している。

「我々はこの(現行)車両の長所と短所を評価し、チームやエンジニアからのフィードバックをまとめ、ひとつのデータベースにしている」とヴェンドル。

「次にどんな車両があるのか、我々の強さと弱みはどこか、どんなものがホモロゲーションの良いベースとなるかなどについて、我々はロードカーの開発者と意見交換を続けているところだ」

「これについて、明確な答えはないのかもしれない。いずれにせよ、我々は正しいものを選び、正しいものを組み合わせて、マシンを作っていく過程にあるということだ」

ダービッド・シューマッハー(メルセデスAMG・チーム・ウィンワード/メルセデスAMG GT3)


この記事は国内独占契約により 提供の情報をもとに作成しています

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