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スーパーGT ニュース

投稿日: 2022.05.28 19:56
更新日: 2022.05.28 19:58

予選後に初のポールポジションを決めたStudie BMW M4。決勝重視のチームも驚きの結果に

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スーパーGT | 予選後に初のポールポジションを決めたStudie BMW M4。決勝重視のチームも驚きの結果に

 5月28日、三重県の鈴鹿サーキットで行われたスーパーGT第3戦鈴鹿の公式予選で、予選2番手につけたStudie BMW M4だったが、Q2トップタイムだったTANAX GAINER GT-Rが再車検不合格となり、Studie BMW M4にとって、そしてBMW Team Studie × CSLにとって初めてのポールポジションが舞い込むことになった。ドライバー、そして鈴木康昭監督の喜びを聞いた。

 2022年、BMW M4 GT3を投入し、ミシュランタイヤを使用。荒聖治とアウグスト・ファーフス、さらにファーフスが参戦できないときの第3ドライバーとして近藤翼を起用する強力な体制を敷いたBMW Team Studie × CSLは、第1戦から期待されたどおりの速さはみせつつも、第1戦では接触、第2戦ではトラブルと、これまで結果が残せていなかった。迎えた第3戦は、コーナリングに秀でるBMW M4 GT3の特性に合った鈴鹿が舞台となった。

 公式練習でも5番手と、高いポテンシャルをみせていたStudie BMW M4は、予選Q1のA組では、荒がアタッカーを務めた。「BMW M4 GT3とミシュランのマッチングがかなり進んできていて、予選は気持ち良かったです。タイヤのグリップも含めてすごく良かったので、『楽しいな!』と思いながらアタックできました」という荒は、会心のアタックを決めると1分57秒179というタイムをマークし、A組のトップにつけてみせた。

■カレラカップのレース後にポールを知った近藤

 この好調ぶりを繋げ、予選終了時に2番手につけてみせたのが、Q2のアタッカーを務めた近藤だ。今回、ポルシェカレラカップジャパンとのダブルエントリーとなっている近藤だが、鈴鹿は2020年にHitotsuyama Audi R8 LMSを駆り優勝も飾った思い出深いコース。予選後、すぐにポルシェカレラカップジャパン第5戦を戦っていたため、すぐに予選結果がポールポジションに変わったことを知らなかった近藤だが、結果について告げると「本当ですか!?」と驚いた表情をみせた。

「チームの皆さんが頑張ってくださって、荒選手も素晴らしいクルマを作ってくれたおかげですね」

 今回の予選は、近藤にとっては初めてのニュータイヤでのアタックになったという。「公式練習ではニュータイヤは荒さんに見てもらっていて、僕はロングランを試していたんです。ニュータイヤのグリップが分からなかったので自分なりに確かめながらアタックしましたが、セクター3〜4くらいから良くなってきて、まとめた印象ですね」ときっちりと1分56秒743をマークし、TANAX GAINER GT-Rの再車検不合格の結果、ポールポジションを決めることになった。

 この日のカレラカップ第5戦の決勝では、スタートで遅れ2位に。トップになれないまま5月28日を終えるかと思われたが、スーパーGTではポールポジションの栄誉がやってきた。

「ポール・トゥ・ウインを決めたいですし、カレラカップでもちゃんと優勝して、スーパーGTでも優勝できるように頑張りたいです。2年前には優勝もしていますからね」と近藤は笑顔をみせた。

2022スーパーGT第3戦鈴鹿 Studie BMW M4(荒聖治/近藤翼)
2022スーパーGT第3戦鈴鹿 Studie BMW M4(荒聖治/近藤翼)

■持ち込まれたタイヤは「決勝重視」のもの

 そして、BMW Team Studieにとっては、チーム初のポールポジションとなった。予選終了後からしばらく時間が経ってのポール決定だっただけに「あまりカッコいいかたちじゃない」と鈴木康昭代表も苦笑いだったが、「予選も決勝も2位はあるんですけどね」というチームにとって目指すのは、もちろん優勝だ。

「荒はいつものことだけれど、翼も代役で初めてのM4でのレースで良いパフォーマンスを見せてくれました」と鈴木監督。

 今季、第1戦では予選で速さをみせつつも、決勝ではタイヤがどんどん厳しくなり、名手ファーフスが必死に防戦する展開となっていた。それも見据え、第2戦ではより決勝を意識し、今回はさらに決勝を重視したタイヤで持ち込んできたという。

「今回持ってきたタイヤは、予選を捨ててでも決勝をしっかり走りきれるというお願いをして持ってきたタイヤなんです。それがこの結果なので、レースも楽しみです。ライバルもロングは速いので、そう簡単ではないと思いますが」と鈴木監督はポールに驚きつつも、決勝に期待を寄せた。

 このタイヤについては、荒も「決勝でどうなるかは分かりませんが、タイヤについては決勝レースも想定して準備してもらっているので、良いレースにしたいですね。ここまでノーポイントですし、しっかり結果を残したいと思っています」と語っている。

 ライバルたちにとっては戦々恐々とするコメントかもしれないが、今回のStudie BMW M4のポテンシャルはそれほどまでに高いのは間違いないだろう。BMW Mブランドの50周年を祝い、BMWから課された必勝体制が、まずはひとつ結果に繋がった。


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