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国内レース他 ニュース

投稿日: 2023.07.19 23:50

エンツォ・トゥルーリ 2023スーパーフォーミュラ・ライツ第4大会富士 レースレポート

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国内レース他 | エンツォ・トゥルーリ 2023スーパーフォーミュラ・ライツ第4大会富士 レースレポート

RAMBLAS PRESS RELEASE
2023年7月18日

エンツォ・トゥルーリ選手、SFL富士大会で父に贈った誕生祝いのパーフェクトウィン!

各位

 今シーズンより「モビリティ中京TOM’S 320」を駆り、伝統あるTOM’Sより全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権に参戦しておりますエンツォ・トゥルーリ(イタリア出身・18歳)が、7月15~16日に静岡県・富士スピードウェイにて開催された「全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権Round 10/11/12」に参戦し、第10戦で初のポールポジションから初優勝、第11戦は3位でチェッカーを受けるも車両重量違反で失格、そして第12戦では再びポールポジションからライバルたちを寄せ付けない走りで今季2勝目を飾りました。

 エンツォ・トゥルーリは、元F1ドライバーであり、モナコGPのウィナーでもあるヤルノ・トゥルーリ氏の長男で、2021年にカートからFIA-F4にステップアップし、UAE-F4シリーズでチャンピオンを獲得。2022年にはFIA-F3とユーロフォーミュラ・オープン選手権で活躍し、本年度から全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権を戦いの場に選んだ18歳になったばかりのレーシングドライバーです。

 今回の富士大会から、ドライ用タイヤもヨコハマタイヤから供給されることとなりました。ライバルたちの大半は、昨年までヨコハマタイヤのドライ用タイヤでの経験があり、エンツォ・トゥルーリにとっては、また新たなチャレンジとなるレースです。

 しかし迎えた走行初日となる7月13日は、朝から雨が降るコンディション。午前10時30分からスタートした専有走行は、小雨からフルウェットへと悪化する天候の中、エンツォ・トゥルーリは1分49秒423をマークし3番手につけました

 午後2時20分からスタートした専有走行2回目は、雨はほとんど止みましたが、路面が乾くには至らず、エンツォ・トゥルーリは限られたセット数のドライ用タイヤを温存するため、コースに出ることなくセッションを終えました。

 専有走行2日目はドライコンディションでのテストとなり、エンツォ・トゥルーリは39周をこなし1分34秒916をマーク。来年用のテストカーを除けば総合3番手タイムをマーク。しかし午後のセッション開始早々にコースサイドのかまぼこ状の縁石に乗り上げで高くジャンプし、路面に叩きつけられるアクシデントに見舞われてしまい、背中に強い衝撃を受けたエンツォ・トゥルーリはそのままメディカルセンターに運ばれることとなりました。

 幸い骨折や脊椎損傷に至る事故ではなく、身体に痛みは残るものの、予選当日の朝までに2度のレントゲン撮影を含む3度のメディカルチェックを受け、最終的にドクターからレース出場の許可を得られました。

 土曜日、午前8時20分から開始される第10戦予選までに、チームはクラッシュしたエンツォ・トゥルーリのマシンを完全に修復し、コースに送り出しました。身体に痛みは残るものの、飛び抜けた集中力を発揮したエンツォ・トゥルーリは、6周目に1分34秒153をマークして自身初のポールポジションを獲得しました。

 続く第11戦予選までに、ややアンダーステアだったマシンのセットアップを変更しで臨んだのですが、結果的に1分34秒335とタイムが伸びず、第11戦予選は5番手にとどまりました。

 午後1時05分に迎えた第10戦決勝レースは、抜群のスタートを決めたエンツォ・トゥルーリがトップを死守して第1コーナーをクリア。その後は1度もミスすることなくコンスタントに21周を走り切り、最終ラップにファステストをマークする盤石の走りで初優勝を飾りました。

 日曜日の第11戦は、予想外に荒れた展開となりました。第10戦の決勝結果によって、第12戦でのポールポジションを決めたエンツォ・トゥルーリはフレッシュタイヤを第12戦の為に温存し、ユーズドタイヤで第11戦に臨みました。

 決勝では予選5番手から素晴らしいスタートを決めて3番手まで浮上し、フレッシュタイヤを装着した上位2台が激しく競り合う状況を冷静にみながらタイヤを労りつつ、次第にペースを上げて最後はトップ争いに絡むところで3位チェッカー、嬉しい連続表彰台を獲得しました。

 しかしレース後の再車検で、車両総重量違反(1.3kg不足)が発覚し、失格となってしまったのです。レース後、上位2名のドライバーには2回以上の進路変更違反に対するペナルティーと走路外走行複数回違反でそれぞれ5秒のタイムペナルティが課された為、車両重量違反がなければエンツォ・トゥルーリが優勝していた可能性もあっただけに、本人の精神的なショックは大きく、しばらくトレーラーの中から出られない状況でした。

 しかし気を取り直して目前のレースに集中し、午後4時35分からの第12戦決勝レースに臨んだエンツォ・トゥルーリは、ポールポジションからまたしても素晴らしいスタートを見せ、ライバルたちの追随を許さぬ鬼気迫る走りでそのまま15周を走り切ってチェッカー。2位にはチームメイトの平良響選手が入り、チームにとっては嬉しい1-2フィニッシュとなりました。今季2勝目を飾ったエンツォ・トゥルーリは、チャンピオンシップポイントでも3位と3ポイント差でランキング4位につけ、ラスト2大会に臨むこととなりました。

2023スーパーフォーミュラ・ライツ第4大会富士 第12戦富士を制したエンツォ・トゥルーリ
2023スーパーフォーミュラ・ライツ第4大会富士 第12戦富士を制したエンツォ・トゥルーリ

2023スーパーフォーミュラ・ライツ第4大会富士 エンツォ・トゥルーリ(モビリティ中京 TOM'S 320)
2023スーパーフォーミュラ・ライツ第4大会富士 エンツォ・トゥルーリ(モビリティ中京 TOM’S 320)

■エンツォ・トゥルーリのコメント
「全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権において、富士スピードウェイというトヨタのホームコースで初優勝を飾ることができたことを本当に嬉しく思っています。夢描いていたことでしたし、とても特別な気分でした。最初の予選は完璧で、ポールポジションを獲得することができました。これは自分のキャリアの中でも、本当に最高の瞬間でした。 レースはスタートを決めた後、最初の5周くらいはタイヤに余計なストレスをかけないように丁寧に走って、それから徐々にハードに攻め始めました。最終ラップにファステストを刻めたのもハッピーです。
TOM’Sの皆さん、特にチーム監督の山田淳さんとエンジニアの吉武聡さんには心から感謝しています。毎戦、自分を進化させてくれていますし、もっと頑張って優勝を重ねていきたいと思っています。
第11戦は、最高のスタートで前をいく2台を第1コーナーでパスして、中古タイヤで頑張って3位表彰台を獲得できたのですが、レース後に失格となってしまいました。上位2台に5秒加算のペナルティーが課されたので、自分たちの車両総重量違反が無ければ勝てていたレースだっただけに、悔しくてしかたありませんでした。
第12戦は、タイヤもフレッシュでアドバンテージがあることはわかっていたので、スタートを決めた後は、最初の5周でプッシュして後続とのギャップを開き、あとはリズムに乗ってミスしないように走るだけでした。最高のレースだったと思います。そして最高の週末でした。
残念ながらチェンピオンシップに関しては、かなり厳しい状況になってしまいましたが、残された岡山大会ともてぎ大会でベストを尽くして、ライバルたちとのギャップを少しでも縮め、そしてあと何勝かしたいです。
最後になりますが、この週末に富士で誕生日を迎えた父へのバースデープレゼントに初勝利を贈れたことを嬉しく思いますし、本当に素晴らしい仕事で僕を支えてくれたTOM’Sチームの全員と、モビリティ中京様をはじめとするスポンサーの皆様に心より感謝しています。この2勝は我々全員で勝ち取った勝利です。そして熱心なファンの皆さん、本当に応援ありがとうございました」

■吉武聡チーフエンジニアのコメント
「今回のエンツォは、パーフェクトでしたね。予選でのポールポジション、決勝でのスタートとファステストラップ。レース中のミスも全くありませんでした。予選2回目はセットアップ変更が裏目に出た感はありますが、それを好スタートでカバーしてくれました。車両重量違反で失格となってしまったのは信じられませんが、中古タイヤを使ったことでタイヤ本体が多少軽くなってしまった部分と、クラッシュによる部品交換、そしてドライバーの体重が前日に比べて多少減っていた等、細かな要因の積み重ねがすべてマイナス方向に出てしまいました。2度とこのようなことが無いよう、管理を徹底したいと思います」

■山田淳チーム監督のコメント
「初優勝で一皮むけた感がありますね。顔つきも自信に満ちてきた。精神的にも成長しているし、ドライビングも何かを掴んだ気がします。これまでとは別人のような安定感と、集中力がありましたね。まだルーキーではありますが、間違いなく、今のトムスのドライバーと比べても、メンタル面でも引けを取らないほど成長しているので、今後の活躍が楽しみです。第11戦の失格は、トムスとしては有り得ない事件でした。素晴らしいレースを台無しにして申し訳ない。完璧な仕事をしてくれたのは、チーム全員がわかっている事実です。第12戦に向けメンタル的に辛かったと思いますが完璧なレース展開で優勝した、エンツォの集中力とメンタリティーには驚かされました。今後のさらなる成長に期待しています」


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