TKRI
ENEOSスーパー耐久シリーズ2023 Supported by BRIDGESTONE
第5戦 もてぎスーパー耐久 5Hours Race
2023年9月2日（土）〜9月3日（日）
モビリティリゾートもてぎ（栃木県）
入場者数：
9月2日 2,000人
9月3日 3,700人
チーム一丸で2位表彰台を獲得
チャンピオン争いも首位に接近
FREE PRACTICE
第3戦SUGOでの優勝、さらに第4戦オートポリスでの3位と、開幕戦から連続表彰台を続けているTKRI。第2戦を欠場していることからランキングでは4位という状況だ。とはいえ、首位まで追いつけない点差でもない。迎えた9月2日（土）〜3日（日）の第5戦もてぎは、TKRI、そしてDAISUKEにとって最も地元が近い“ホームレース”。さらに、昨年は首位を快走しながらも勝利を掴めなかった因縁ある一戦だ。コースでの借りはコースで返すしかない。TKRIは必勝の思いで週末に臨んだ。
この週末は8月31日（木）午後1時から行われた3時間の特別スポーツ走行で幕を開けたが、気温は35度近くなり、DAISUKE、元嶋佑弥、中山友貴の3人は滝のような汗をかきながらラップを重ねた。9月1日（金）は2回の専有走行が行われたものの、この日も35度近い暑さ。酷暑のなかで、走り出しはアンダーステアがあるなどいまひとつの感触だったが、予選、決勝に向けたセットを続けていった。
初日の特別スポーツ走行は1分55秒541、2日目午後の全車混走の専有走行は1分55秒661と、TKRI 松永建設AMG GT3は2セッションで首位となったが、2日目午前の専有走行は4番手。性能調整の影響か今回は走り出しからライバル勢のスピードが目立つ状況となった。ただ、大事なのは安定感。チームは決勝を見すえ2日間の走行を終えた。
QUALIFY
9月2日（土）の予選日のモビリティリゾートもてぎも、午前中から気温30度を軽く超える暑さのなかで迎えた。2日間の走行を経てTKRI 松永建設 AMG GT3は、河野高男エンジニアの熱いセットアップの甲斐もあって好転。ウォームアップでセットを確認すると、午後の公式予選に臨んだ。
今回はライバル勢が速い状況ではあるが、Aドライバー予選に臨んだDAISUKEは、1分56秒742というタイムを記録。4番手につけてみせた。
続くBドライバー予選に臨んだのは元嶋。さすがのスピードを見せつけ1分53秒251というタイムを記録したが、トップタイムとはならず。それでも2番手となり、合算では4番手につけることになった。
Cドライバー予選では、中山がきっちりと3番手で終え、決勝への準備を整えた。
RACE
迎えた9月3日（月）の決勝日。前日よりも雲が多い一日となったが、気温33度／路面温度42度と変わらぬ酷暑のなか、午前11時14分、決勝レースの火ぶたが切って落とされた。TKRI 松永建設 AMG GT3は今回も元嶋佑弥がスタートを担当。序盤にハイペースでリードを築く作戦に出た。
元嶋は4番手から#14 メルセデスAMGを追いながらレースを展開していくが、#14 メルセデスAMGのペースが悪く、後方からは#202 NSXも接近。三つ巴のバトルを展開していく。そんななか、8周目にようやく#14 メルセデスAMGをかわすと、さらに2番手の#1 GT-Rを追った。勢いに乗る元嶋は11周目、一気にこれをかわし2番手へ。トップを走る#31 RC FはAドライバーだったことから、これをかわしたかったが、#31 RC Fの永井宏明選手も国内屈指の実力をもつジェントルマンドライバー。なかなか抜くことができず、ラップダウン等もうまく使いながらこれをオーバーテイク。19周目にようやくトップに浮上した。
その後30周目には#1 GT-Rのグラベルストップが発生し1回目のフルコースイエローが出されるが、これが解除された後、35周を終えて元嶋はピットイン。中山友貴に交代し、さらに後続とのギャップを広げる作戦に出た。
ただ、各車がピットインを終えると、#31 RC Fとのギャップは10秒ない程度。後続のペースも良い。中山はなかなか思うようにギャップを築けないまま、39周を走りピットイン。DAISUKEにステアリングを託すことになった。
DAISUKEはコースインした後ふたたびトップに返り咲くことになるが、直後にピットインした#31 RC Fが接近してくる。DAISUKEはなんとか抵抗を試みたものの、相手はプロドライバーが乗り込んでいる。さすがに首位は守りきれず、TKRI 松永建設 AMG GT3は2番手に後退することになってしまった。
しかし、昨年までのDAISUKEであればそのままズルズルと順位を下げてしまうところだったが、今季のDAISUKEはひと味違う。安定したペースでラップを重ねていくと、3番手に浮上してきた#81 GT-Rに30秒近いギャップを築いてみせた。DAISUKEは自らに課せられた75分間のスティントをしっかりと走り抜き、37周を走破。ふたたびピットで待ち構えた元嶋にステアリングを託してみせた。
この時点でトップを走っていた#31 RC Fは大きなリードを築いており、元嶋は最終スティントで前を追っていったものの、差を詰めるに至らず。とはいえ3番手につけていた#81 GT-Rとのギャップは盤石。TKRI 松永建設 AMG GT3は147周を走破し、2位でチェッカーを受けることになった。
これで第1戦鈴鹿から第3戦SUGO、第4戦オートポリスとTKRI 松永建設 AMG GT3は全戦での表彰台を続けている。他にない好結果だ。
今回のレースではこれまで重ねてきたウエイトハンデ、さらに他車のスピードの前に優勝することはできなかったが、それでも2022年もてぎでの悔しい一戦を考えれば、TKRIにとっては大きな成長を示した結果と言えた。
2023年のスーパー耐久は残すところ2戦。TKRIはチャンピオンも射程圏内に収めている。TKRIはさらなる表彰台記録継続、そして今季2勝目を目指していく。
DRIVER’S VOICE
DAISUKE
昨年の借りは、やはり勝たないと返せないですね。週末は専有走行からスピードの面で苦戦していましたが、予選で元嶋選手がスピードをみせてくれましたし、決勝でも2位という結果は週末のすべり出しを考えると上出来だと思いますが、やはり一度勝つと欲が出ます（笑）。全戦表彰台を獲得しつづけていますが、これを最低限のノルマとして取り組んでいきたいと思っています。自分自身も毎戦課題を決めて取り組んでいて、今回はブレーキや抜き方などにトライし、その面でも良いトレーニングができたと思います。それを踏まえて、岡山もまた頑張りたいと思っています。
元嶋 佑弥 YUYA MOTOJIMA
スタートではいつもどおり決めたかったですが、純粋なペースがあまり良くなく、トラフィックを使いながら抜く方向に切り替えました。もう少しギャップを作りたかったのが本音ですね。でもその後、DAISUKE選手がまわりの想像よりずっと速いペースで走ってくれましたし、最終スティントで3番手と30秒近い差をつけて送り出してもらい、自分も楽をさせてもらえました。自分たちもノーミスで戦いましたし、2位は悔しいところもありますが、良かったのではないでしょうか。チームの総合力でつかみ取った2位だと思っています。
中山 友貴 YUUKI NAKAYAMA
2位は少し悔しさもありますが、今回の性能調整でメルセデス勢が苦戦しているなか、河野エンジニアがしっかりとクルマを合わせ込んでくれて、元嶋選手も速さをみせてくれました。4番手から全員でミスなく繋いでレースを戦い、元嶋選手が順位を上げ、DAISUKE選手のペースもすごく速く、後続に抜かれないまま繋いでくれたことが表彰台に繋がったと思っています。全戦表彰台というのはすごいことだと思います。悔しさがあるとは言え、現状の考えうる結果の中ではベストなものだと思っています。残り2戦表彰台をキープして、良いレースで終われるようにしたいですね。
河野 高男 監督 TAKAO KOHNO
ほぼパーフェクトでノーミスなレースをすることができました。ドライバーが3人とも頑張ってくれましたし、特にDAISUKE選手が素晴らしい走りをみせてくれたと思います。ただ今回は#31 RC Fが速かったですし、本来であれば2台のGT-Rが速かったので、その結果の2位になったと思います。とはいえ、出場しているレースすべてで表彰台に立っていますし、次戦はかなりウエイトハンデも重くなります。そんななかでシリーズランキングもかなり上位になったと思います。残り2レース、まだチャンピオンの可能性もありますし、頑張って結果を残したいと思っています。
