フランスのレース専門誌「オートエブド」によれば、フェルナンド・アロンソはすでにルノーと仮契約を結んだようだ。いうまでもなくアロンソは、フルコンストラクターとしてのルノーに唯一F1タイトルをもたらしたドライバーである。
セバスチャン・ベッテルのフェラーリ離脱はかなり前から噂に上がっており、その結果玉突き式に多くのドライバーが動くだろうことも予想されていた。そして実際に、カルロス・サインツJr.がフェラーリに移籍し、ダニエル・リカルドもルノーを去った。そこにアロンソが収まるのは、半ば必然といえた。
アロンソは来年7月に40歳を迎える。一時現役を引退していたミハエル・シューマッハーが2010年にメルセデスから復帰したのも、同じ40歳の時だった。しかし当時のメルセデスにはまだタイトルを争うチーム力はなく、シューマッハは失意のまま再度の引退を決めた。
ではもしアロンソがルノーから現役復帰した場合、どんな展開が待っているだろう。チーム代表のシリル・アビテブールは、「技術レギュレーションの2022年からの大規模な変更、そしてバジェットキャップ(年間予算制限)の来季導入で、F1の勢力図は根本から変わるはず。そしてその変革は、ルノーにとって大きなチャンスになる」と、自信を見せる。
一方でピークを過ぎたアロンソの能力を、疑問視する声も少なくない。しかし今も実質的にアロンソのマネージメントを統括するフラビオ・ブリアトーレは、「フェルナンドは今もF1最高のドライバーのひとりであり、モチベーションも最高の状態にある。2年間のブランクなどまったく感じさせない。大活躍を見せるはずだよ」と、相変わらず手放しの評価だ。