プライムのソフトタイヤでスタートし、20周目あたりからはフロントがタレてアンダーステアが厳しくなってきたが、10周もしないうちにリヤもタレたことでマシンバランスは良くなってペースが上がった。
31周目に首位シャルル・ルクレールがピットインしたのに合わせて3位のアルボンがピットインし、松下もその翌周にピットに向かったが、ピットアウトするとオプションのスーパーソフトでスタートし序盤にタイヤ交換を済ませていたダムス勢の後方でコースに戻ることになってしまった。結果的にアンダーカットを許した格好だ。
「リヤがタレてきたことでクルマのバランスが合い始めて『良いな』と思ってたんですけど、結果的に見ればソフトであと1周引っ張っていれば2秒は速く走れたと思うし、ピットストップでダムスの2台に前に行かれたのはもったいなかったですね。選手権のことを考えると、(ニコラス・)ラティフィはローランドほど強敵ではないと思うけど、(オリバー・)ローランドに前に行かれたのは痛かった……」
スーパーソフトを履いた第2スティントでは全車中で最速のペースがあり、松下は34周目にこのレースのファステストラップを記録し、6位8ポイントと合わせて計10ポイントを獲得した。
これ自体は満足できる結果ではなかったが、リバースグリッドで3番スタートとなるレース2でしっかりと勝てばレース週末としては悪くない。大荒れで大混戦のFIA F2選手権の中では、目の前の結果だけではなく大局を見てレース週末にある2戦の両方をきちんとまとめて着実にポイントを積み重ねることも重要になる。
「レース1の結果は悔しいけど、よくよく考えると一番大事なのはチャンピオンシップだし、今日10ポイント獲って明日も優勝できれば一番良いですからね。今はそこに集中します。(ポールポジションのアルテム・)マルケロフは普通に良いスタートをするでしょうから、僕はスタートを決めて(ラルフ・ボシューンを抜いて)2位に上がって、あとはマルケロフを抜けるかどうかが鍵になると思います」