10月25日に開幕したWRC世界ラリー選手権第12戦スペイン。この戦いに3台のトヨタ・ヤリスWRCを投入しているTOYOTA GAZOO Racing WRT勢は、シリーズチャンピオンを争うオット・タナクが総合3番手につける好発進を切った。
グラベル(未舗装路)とターマック(舗装路)が混在するミックスイベントのラリー・スペイン。競技開幕前のシェイクダウンはスペイン・サロウ近郊に設けられた2kmのステージで行われた。
このシェイクダウンステージも路面コンディションが混在するステージだったが、実際に競技が行われるSSとはキャラクターが異なることもあり、各ドライバーはマシンのセットを煮詰めるより、システムチェックなどに重点を置いて走行した。
その後、一行はスペインの大都市であるバルセロナに移動。観光スポットとしても有名なモンジュイック地区に設けられた3.2kmのSS1に臨んだ。このステージでタナクは3分39秒5を刻んでステージ3位。トップと4.2秒差の総合3番手でSS1を終えている。
前戦ラリーGBで優勝争いを繰り広げたヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)はSS1で履いたハードタイヤ1の1本に熱が入りきらなかったといい、3分45秒でSS1を駆け抜けて総合11番手につけた。
2018年シーズン限りでトヨタを離れるエサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)はラトバラと0.1秒差の総合12番手につけている。
チーフエンジニアを務めるトム・フォウラーは「今晩の市街地ステージはターマック路面だったが、明日からのグラベルステージに備えてクルマはグラベル仕様になっていて、ドライバーたちは確実性を重視した走りをした」と述べた。
「ミックスサーフェスであることは、日数が限られていた我々の事前のテストにおいても大きな挑戦だった。グラベルラリーでは最近満足できるパフォーマンスが得られていたから、テストではターマックに集中することにした」
「なぜなら、ここカタルニアのターマックはサーキットのような特殊な道で、我々のクルマは1年前に出場した時と比べると開発が大きく進んでいたからね」