イタリアはサルディニア島にて、急きょ7月に続くダブルヘッダー連戦となったワンメイク電動オフロード選手権、エクストリームEの第7-8戦『Island X-Prix II』は、幕開けから2回のビッグアクシデントに遭遇したネオム・マクラーレン・エクストリームEが初日限りで撤退する波乱も発生。
そんな混沌とした土曜初日は、選手権首位を行くアクシオナ|サインツXEチームのマティアス・エクストローム/ライア・サンズ組が勝利し、前回の週末連覇を決めた元F1王者ニコ・ロズベルグのロズベルグXレーシング(ヨハン・クリストファーソン/ミカエラ-アーリン・コチュリンスキー組)の今季3連勝を阻止することに。
続く日曜の第8戦では、ルイス・ハミルトン率いるX44・ヴィダ・カーボン・レーシングのジャマイカ出身フレイザー・マッコーネルと“王者”クリスティーナ・グティエレスが速さを見せ、今季2勝目を飾っている。
本来ならアメリカ合衆国か南米ブラジルのアマゾン地域を想定していた9月16~17日のレースウイークは、地元資金の問題で直近には開催候補地そのものが変更され、アルゼンチンでの最終候補地探しが終盤に差し掛かっていたところ、今度は国内地方選挙が動向を不透明にし、その計画も終盤になって頓挫。
ここで前戦の開催地でもあったイタリアが助け舟を出し、チャンピオンシップの洋上パドックでもある元貨客船St.Helena(セント・ヘレナ)号は、サルディニア島のテウラーダ岬に位置するピサーノ・バラック(イタリア陸軍兵舎)にトンボ帰りする事態となった。
これにより、前戦にてアプト・クプラXEよりシリーズ復帰を果たしたエクストリームEの“ディフェンディングチャンピオン”セバスチャン・ローブや、デビュー戦を終えた故ケン・ブロックの愛娘リア・ブロック(カール・コックス・モータースポーツ)らは、コースレイアウトこそ変更を受けたものの、引き続き同じ環境のもとでダブルヘッダーの週末を迎えることとなった。
しかし迎えた金曜最初のFPでは、タナー・ファウストと組んでネオム・マクラーレンXEから参戦するエマ・ギルモアが、わずか2周目の終盤セクターで高速ロールオフを喫し、肋骨骨折と脳震盪を負う事故に遭遇してしまう。
ギルモアは終始意識があり、すぐに無線でチームに連絡することもでき、施設内のメディカルセンターに運ばれた後にカリアリ病院に転院し、そこでひと晩経過観察を受けることになった。
自身のSNSで状況を明かしたギルモアは「水曜にドライブした後、クルマの感触は素晴らしかったのでとても残念」だと悔しさを滲ませた。
「今朝はひどい週末の始まりになった。初めてトラックインしたとき高速クラッシュに見舞われた。チームに余計な仕事を作ったことにはガッカリしているけれど、脳震盪の様子を観察するためここでひと晩入院しなくてはならない。彼らの幸運を祈り、週末に向けて全員を応援したいと思っている」