ディルマンのLMP2の経験は限られたものであり、2015年にシグナテックからWECに2戦、翌シーズンにエクストリーム・スピード・モータースポーツ(ESM)から1戦のみの参加となっている。
しかし、12月初旬にセパンで開催された2023/24シーズンのAsLMS開幕戦では、2017年から同クラスの“基準車”となっているオレカ07・ギブソンでの初めてのレースに出場。ディルマンはこの開幕戦でDKRのチームメイトであるアレクサンダー・マッシュール、ローレンツ・ホアとともに同マシンでのレースデビューを果たし、表彰台を獲得することに成功した。
「もちろん、ハイパーカーに留まることが第一希望だったが、LMP2への挑戦と、多くのトップドライバーたちとの競争が非常に激しいことはつねに評価していた」と彼は語る。
「僕にとってどのカテゴリーであるかは重要ではなく、競争力のあるパッケージであることが重要だった」
「これこそ僕が長年見失っていたものなんだよ。僕の目標は、良い週末を過ごせば結果を残せるチャンスがあるとわかっていて週末に臨めるようになることだった。」
「プロフェッショナルとして、つねにベストを尽くし、チームが可能な限り最高の結果を得る一助となることが必要だ。しかし現実的な話をすると、そこに奇跡はない」
ディルマンが去った後もヴァンウォールの運命は好転せず、開幕戦セブリングでの8位がシーズンの最高成績となった。その後、ハイパーカークラスへのメーカーからのエントリーが大幅に増えるなか、ヴァンウォールは2024年WECへのエントリーを見送られた。
ヴァンウォールの状況についてどう思うか尋ねられたディルマンは、「彼らは大きな努力をしていただけに、本当に残念だ」と語った。
「エンジン(チームは、当初のギブソンからピポ・モチュール社製ユニットへ変更しようとしていた)をはじめとして、クルマにやるべきことがたくさんあったが、準備が整わなかった」