リヤウイングが装着された改良型プジョー9X8をデビューさせたプジョー・トタルエナジーズは、4月21日にイモラ・サーキットで行われたWEC世界耐久選手権第2戦『イモラ6時間レース』で、ミケル・イェンセン/ニコ・ミューラー/ジャン-エリック・ベルニュ組93号車が総合9位に入った。
この結果、2台体制でシリーズのトップカテゴリーであるハイパーカークラスに参戦しているフランスのチームは2ポイントを獲得し、マニュファクチャラー選手権においてライバルメーカーのランボルギーニとキャデラックを抜いて6位に浮上。93号車のトリオもドライバー選手権でランキング13位に浮上した。
一方、姉妹車のポール・ディ・レスタ/ロイック・デュバル/ストフェル・バンドーン組94号車プジョーは、スタート直後にタンブレロ(2コーナー)で発生した多重クラッシュに巻き込まれた。その後レースに戻ったが最終結果は14位に終わっている。
新型マシンによるデビューレース後、プジョーのテクニカルディレクターであるオリビエ・ジャンソニは、ポイント獲得圏内でのフィニッシュが93号車のクルーにとって達成可能な最大限の結果だったと語った。
「最終的に、ペース的にはおそらく10番手か11番手くらいだったと思う」と同氏。
「私たちは最大限の努力をした。オーバーテイクが難しいコースだということは分かっている」
「私たちに残された唯一の現実的な選択肢は、ピットストップ戦略を変えてピットでの時間を減らし、そこでライバルの前に出ることだった」
「ポジティブな面では、雨が降ってきたときに適切なタイミングでレインタイヤを履くことができたことだ。その戦略には満足している」
「我々は皆、自分たちがやったことにとても満足している。今日は93号車のペースでできることを最大限に生かすことができたと思う」
■トラブルの根本的原因はこれから探る
プジョー94号車が難しいレースに耐えた一方で、9位入賞を果たしたシスターカーは1時間目にミューラーがコース上でスローダウンした瞬間を除けば、ほとんどトラブルなく走行することができた。
ジャンソニは、この問題はエレクトロニクスの不具合によるものだろうと指摘したが、問題の根本的な原因についてはまだ調査が必要だと付け加えた。
「30秒くらいは失ったと思う。トラックポジションとか、そういうことも含めてね」と彼は述べた。
「おそらく(スロー走行に陥った原因は)電子機器だろう。実際に何が起こったのかを調査する必要がある。
「あの状況から機能を正常に立ち直させるためには、何らかのリセットが必要だった。実際それはうまくいったが、少し時間が掛かってしまった」