ノルドシェライフェを舞台に行われているニュルブルクリンク24時間は「世界一の草レース」と呼ばれている。しかし、近年は自動車メーカーの力の入れかたが半端ではなく、出場するマシンのレベルが急激に向上。特に今年は、メルセデスAMG GT3、BMW M6 GT3、ポルシェ911 GT3 Rなど最新のGT3マシンが大挙出場、昨年デビューイヤーにして総合優勝を果たした新型アウディR8 LMSを打ち負かすべく、かなり気合いが入っている。そこで、ニュルブルクリンクのピット、パドック裏を練り歩きながら各GT3マシンの作りを見てまわった。

 ニュルブルクリンクは出場台数に対しピットの数が少なく、ひとつのピットを4台でシェア。また、ぎゅうぎゅうのパドックには各チームの作業スペースやホスピタリティが立ち並び、観客たちは間近でマシンを観察することができる。チームもマシンのメカを隠すようなことはせず、写真も撮り放題。メカ好きにとっては天国のような環境だ。

 今回、もっとも速さが印象的だったマシンは、メルセデスAMG GT3。以前、BMW Z4 GT3のプロジェクトに関わっていたエンジニアが開発に携わった1台だ。エンジンは基本的に先代GT3のSLS AMGから引き継ぎ、パワーと信頼性は抜群。そして、GT3化も考慮に入れて市販車を開発したため、ボディ構造に無駄がなく空力もよく考えられている。また、ダウンフォースのボリュームとバランスに関しては、現在もっとも優れていると言われている。そして、ウエットコンディションが多かった今回の24時間レースでは、ライバルに対しトラクションの制御が秀でていた。

メルセデスAMG GT3
メルセデスAMG GT3

 AMG GT3のライバル、BMW M6 GT3は大柄なボディと長いホイールベースにより、先代のZ4 GT3から180度方向転換したように見える。しかしフロントカウルをがばっと外すと、このように内部は極めて無駄のないデザインに。市販車のパーツを多く使った4.4リッターV8ツインターボエンジンはドライサンプ化により低く、そして車体中央寄りに配置。インタークーラーやラジエターといった冷却系は、空力性能を最大限に発揮させるようなデザイン、配置となっている。とある日本人チームのエンジニアによれば「少し前のGT500レベルのつくりで、良く考えられている」とのこと。大柄に感じられるボディにも関わらず、回頭性や旋回性能は素晴らしく、非常に俊敏な動きをしていたのが印象的だった。
BMW M6 GT3
BMW M6 GT3

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