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投稿日: 2023.10.30 07:27

「それもひとつのヒント」「気づくのに時間がかかった」「来週は一緒に」【SF Mix Voices 第9戦(2)】

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スーパーフォーミュラ | 「それもひとつのヒント」「気づくのに時間がかかった」「来週は一緒に」【SF Mix Voices 第9戦(2)】

 10月29日、三重県の鈴鹿サーキットで全日本スーパーフォーミュラ選手権2023年第9戦の予選・決勝が行われ、2番グリッドから好スタートを決めた太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が嬉しいスーパーフォーミュラ初優勝を遂げた。そして、3位に入った宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)が、初めてのドライバーズタイトルを手にして、2023シーズンが終幕した。

 決勝後、全ドライバーが参加して行われる取材セッション“ミックスゾーン”から、2023年最終戦に挑んだドライバーたちの声を、前編に続いてお届けする。

■福住仁嶺(ThreeBond Racing) 予選11番手/決勝リタイア

 11番グリッドからスタートした福住は10周目にピットインを行い、ポジションアップを狙ったが、レース後半に入ったあたりでマシンに違和感を覚え、ペースダウン。21周目に2度目のピットストップを行った。その後は1分43秒台のペースを刻むが、26周目にはマシンをガレージに戻し、リタイアとなった。

「フロアに穴が空いちゃいました」とトラブルの原因を語る福住。

「佐藤(蓮)選手も同じ(トラブル)だと思うんですけど、今回セットアップを大幅に変えていって、車高についても今後に向けていろいろとテストしたいなと、前後とも下げていきました」と、新しいチャレンジをした結果、トラブルにつながったようだ。

「ちょっとロールしすぎちゃっていて、『穴が空いているな』という壊れ方だったので、「ピットアウトして3〜4周してから『ちょっとおかしいな』という感覚があり、突然(症状が)起きちゃいました」

「それもひとつのヒントだったと思います。シーズンは終わってしまいましたけど、チームにとって今後のデータとして繋げてくれればなと思います」

2023スーパーフォーミュラ第8戦&第9戦鈴鹿 福住仁嶺(ThreeBond Racing)
2023スーパーフォーミュラ第8戦&第9戦鈴鹿 福住仁嶺(ThreeBond Racing)

■坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING) 予選5番手/決勝5番手

 金曜日に行われた専有走行では3番手、第8戦の予選Q1A組ではトップタイムを記録するなど好調さの伺える走りを見せていた坪井。

 迎えたレースでは土曜の第8戦、日曜の第9戦ともに5番グリッドスタートからの5位フィニッシュという成績となったが、両レースともスタートでポジションを失いつつもそのロスを取り戻す走りを見せていた。

「今週末は、スタートで行き場をなくしてポジションを失うということを繰り返しました。第9戦も、4番手の宮田選手が思ったよりも自分の方に来たので、ブレーキを踏んだら、その隙にイン側から松下(信治)選手に抜かれてしまいました」

 結果的にはスタートこそロスに繋がってしまったものの、その後はペースも良好で戦略面も奏功した。

「その後は、表彰台争いには絡めないにしても戦略としてはすごく良かったかなと思います。前の松下選手が10周のミニマムでピットに入ったので、それを見て必然的に引っ張る作戦を選んだかたちになりました」

「ただ、後ろにいる国本(雄資)選手も同じ作戦を取っていたので、その動きを見て順位を失わないようにしながらタイミングを探りました」

 そして今回ドライバーズタイトルを獲得した宮田は、スーパーGTではGT500クラスのau TOM’S GR Supraに乗るチームメイト。11月4~5日に栃木県のモビリティリゾートもてぎではドライバーズタイトルを懸けた戦いに臨むことになる。

 宮田のタイトル獲得に関しては「TEAM MUGENを倒してくれたので良かった」とコメント。

「来週のGTでチャンピオンを獲るためにも、宮田選手が今回(SFの)チャンピオンを獲ってくれて良い気分でGTに来てくれるのは大事なことでもあります。なので、『来週は一緒にチャンピオン獲ろう』という気持ちです」

2023スーパーフォーミュラ第8戦&第9戦鈴鹿 坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)
2023スーパーフォーミュラ第8戦&第9戦鈴鹿 坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)

■大嶋和也(docomo business ROOKIE) 予選20番手/決勝14位

 最後尾スタートから10周目にピットインする戦略で上位を目指した大嶋。レース後半には今大会がデビューレースとなる大草りき(TGM Grand Prix)とのバトルが白熱した。

「向こうのペースが速くて、戻ってきて(チームに)聞いたら、後半は彼が異常に速かったみたいです」と大嶋。

「僕もタイヤがタレているとはいえ、前に追いついていって、逃げ切るかなと思ったんですけど、小高(一斗)に追いついて、僕のペースがちょっと鈍った時に、後ろの方がペース的に余力があったみたいで、(前に)行かれちゃいました」と1・2コーナーでのバトルの状況を話した。

 ただ、今週末は苦戦続きだったようで「全体的にペースが足りませんでした」と大嶋。「今週フリー走行から手応えを感じていたんですけど、それを結果に繋げられませんでした。まだまだクルマに対して理解が足りていなかった感じです」と振り返った。

 今季は第5戦SUGOで“優勝に値する4位”を獲得するなど、確実にチームと共に右肩上がりになっている傾向のある大嶋。「いろいろなセットを試して、それがダメな時でも、そこそこな順位にいられるようになってきていますし、確実に底上げはできていると思います。また来年はもう1個上に行けるように頑張ります」と、来季の意気込みを語った。

2023スーパーフォーミュラ第8戦&第9戦鈴鹿 大嶋和也(docomo business ROOKIE)
2023スーパーフォーミュラ第8戦&第9戦鈴鹿 大嶋和也(docomo business ROOKIE)

■平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL) 予選9番手/決勝6位

 前日の第8戦ではQ1・B組で2番手タイムを記録、Q2でも6番手と健闘した平川。日曜の第9戦予選でもQ2へと進出はしたが、9番手と前日に比べポジションを下げてしまった。

「昨日は結構調子良くて、今日はそんなに(セットアップを)変えていないのに予選が調子悪くなってしまって。そこが謎のまま終わってしまったのは残念です」と平川は週末を振り返る。

 第9戦決勝では、ある種のトラブルともコクピットで戦っていたという。

「マシンの感触良かったんですが、OTS(オーバーテイクシステム)のシステムのミスがチームの方でありまして、それに気づくのすごく時間がかかってしまって……。それがなければ、最初に国本(雄資)選手らを抜けて前に行けていたかもしれないです」

 ピットインを引っ張る形となった平川は、もはや“お家芸”とも言えるフレッシュタイヤでの追い上げも見せたが、6位止まりとなった。平川は「最後のペースは良かったのに……。最後のレースだったのですが、ものすごく残念です」と肩を落とす。

 表彰台3回、ランキング5位で終えることとなった2023シーズンについては、次のように総括した。

「今年、クルマとタイヤが変わって試すことが多かったのですが、これといって何か(いいセットアップ)を見つけられたわけではなくて……選手権上位3台とは全然違う争いをしてたかなと思います」

「ただレースペースはすごく良くて、そこは持ち味ではありました。予選に関しては、昨日すごく良くても今日が悪かったりと、まだ分からないことも多いので、パッとしない一年だったかなと。もてぎは勝てるチャンスがあったり、表彰台は何度かありながらも優勝がなかったのは、すごく残念ですね」

 マクラーレンF1のリザーブ就任に伴い、来季の参戦カテゴリーが依然不透明な平川だが、2023シーズンは消化不良のままに終わってしまった。

2023スーパーフォーミュラ第8戦&第9戦鈴鹿 平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)
2023スーパーフォーミュラ第8戦&第9戦鈴鹿 平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)


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