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投稿日: 2016.11.06 09:00
更新日: 2016.11.06 09:37

スーパーフォーミュラの不透明な裁定はなぜ──JRP倉下社長が現状を説明

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スーパーフォーミュラ | スーパーフォーミュラの不透明な裁定はなぜ──JRP倉下社長が現状を説明

 その判定材料となる出来事が審査委員会のテーブルに上がるには、サーキット側のオフィシャルからの報告がなければならないが、この判断基準がサーキットごとに異なっていることも、現在の国内レース界の懸念のひとつでもある。そこはまた別の問題にはなるが、その審査委員会が検証した判定、そして競技長、JAFが下した裁定についてのファン、メディアへの説明はどの立場の人間が行うかというと、そこが明確になっていないのが、現在のスーパーフォーミュラの大きな問題のひとつである。

「JAFと競技長及びJRPのレースディレクターと審査委員会が三権分立のような形で判定と裁定がなされていて、今の状況では裁定に関する開示機能はどこにもありません。JAFは立法府に当たり、審査委員会が司法府、競技長/レースディレクターが行政府のような形になります。ですので、裁定に関してそのすべての説明をすることは難しいのですが、メディアからの質問や疑問については、今後は行政のひと役を担っているJRPがJAFと審査委員会の了承を得た上で、その(定められていない)隙間を埋めていく工夫を考えていかないといけないと思っています」と倉下社長も現在の問題点を認識する。

 三権分立は三権が互いにチェックして権力の乱用を防止するのが目的ではあるが、現在のスーパーフォーミュラはもちろん、権利を守ることを目的としたカテゴリーではない。プロスポーツとしての活性化と国内モータースポーツのさらなる普及という、ファン拡大を目的とした活動を最優先に考えるならば、三権のお互いの牽制よりもまず、ファンという顧客を逃がさず、満足度を高めることを率先しなければならない。

 しかし、現状としては三権で長年確立されている既存のシステムの実状と慣習がある。これまでの国内モータースポーツの長い歴史を振り返っても、その判定/裁定の説明、そしてレース運営に関しての既存システムを変えることの難しさは計り知れないものがある。

 それでも、ファンの満足度については、今の国内モータースポーツには活況を呈する国内最大のレースカテゴリーがある。ご存じのスーパーGTだ。スーパーGTは2004年までは全日本GT選手権という名称で行われ、2005年よりスーパーGTと名称変更、ファン・ファーストのコンセプトのもと、判定や裁定に関しての情報をファン、メディアに積極的に公開し、多くの支持を得ている。


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