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スーパーGT ニュース

投稿日: 2020.11.30 10:30
更新日: 2020.11.30 12:05

勝敗を分けたKeePerとRAYBRIGの残酷な燃費バトル。タイヤの摩耗と燃費の不確実性【第8戦富士GT500あと読み】

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スーパーGT | 勝敗を分けたKeePerとRAYBRIGの残酷な燃費バトル。タイヤの摩耗と燃費の不確実性【第8戦富士GT500あと読み】

「(止まったのは)ガス欠です。燃費はそこまでギリギリではないと思っていたんですけど、もうちょっと給油をしておかなくてはいけなかった……満タンにしておかなければいけなかったのだと思います。ピットインの時は予定どおりの給油は入っていたはずですが……ちょっと……考えが足りていませんでした」と、自分を責める小枝エンジニア。

 まだマシンが戻って来ていない段階でのコメントで、ガス欠の原因はトラブルやアクシデントの可能性もあり、原因調査はこれからだが、小枝エンジニアは自分を責める。

「いろいろ要因はあるとは思いますが、いろいろな意味で僕のミスです」

 KeePer TOM’S GRスープラはレース終盤、残り数周となったところでステアリングを握る平川亮から無線が入り、そこで小枝エンジニアはじめチーム全員が驚くことになった。

「最後の最後に『ロー・フューエル』と亮が無線で言って来た時に、本当はそんなことはないはずなのに、というとことはありました……本来はそんなはずではない。『なんで!?』となっていたところで……」

「そこでまたセーブしてもらうべきだったのかもしれません。でも、後ろから(RAYBRIGが)来ていた状況でしたから行くしかないと思ったけど、でも、それ以前にちょっと……考えが至らなかったところがあります。本当に申し訳ない。あそこまでは順調だと思っていましたけど、あとひとつ……いやひとつじゃない、僕がちょっと考えが及んでいないところがあった」

 この言葉を聞いた時、平川はまだ表彰台のセレモニーの途中で、小枝エンジニアはマシンを降りた平川とは話をしていない段階だった。

「亮には本当にごめんなさいと言いたい。こちらのミスです。本当にごめんなさい」

 KeePer TOM’S GRスープラの山田淳監督もまた、ドライバーふたりに頭を下げる。

「決してずっと攻めて走っていたわけでもなく、ピットタイミングにピット作業、ファイナルラップの最終コーナーまではすべて順調に進んでいたはずなんですけど……。結果的にガソリンが足らずにというところですけど、どうしてそうなったかという原因がつかめていません。まずは何が起きてそうなったか、しっかりとリサーチしないといけない。少し時間はかかると思います」

「(レース後)平川とも話をしましたけど、本人的にはまだちょっと、なかなか受け入れられない状況なので……平川、山下(健太)ともに一生懸命走ってくれて、すばらしい仕事はしてくれたので、結果からすると非常に申し訳なかったという思いは当然あります」と山田淳監督。

 いずれにしてもKeePer TOM’S GRスープラにとっては、あまりに残酷な結末。それでも、敗れたものの2020年シーズンを通してau TOM’S GRスープラとともにトムスの2台が強かったことに変わりはない。

 逆転でチャンピオンに輝いたRAYBRIGはもちろん、この最終戦一戦の結末だけでなく、むしろKeePerも今シーズンここまで強力なチームとしてGT500を率いてきた存在であることを讃えたい。

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