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スーパーGT ニュース

投稿日: 2022.06.07 17:50
更新日: 2022.06.07 17:55

8年ぶりのダブル優勝を掴んだミシュラン。GT500、GT300それぞれのタイヤ事情背景【スーパーGT第3戦鈴鹿】

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スーパーGT | 8年ぶりのダブル優勝を掴んだミシュラン。GT500、GT300それぞれのタイヤ事情背景【スーパーGT第3戦鈴鹿】

 一方、ミシュランタイヤのGT300優勝は、先述の2014年第5戦富士以来、8年ぶりとなった。車両が今季初投入となったBMW M4 GT3ということもあり、今季の第1戦岡山では「ペース的には頭打ちで、我慢のレースを強いられてしまいました」と小田島氏は振り返る。

「第2戦富士では、第1戦のデータのフィードバックを行い、少し向上した部分もありました。依然として課題が残る部分はありましたが、“こういう方向に進めばいいな”と、我々として目指す方向がここで見えました」

 今季GT300では1台のみの供給であり、また第2戦富士の決勝はパワーステアリングのトラブルで早々にリタイアとなった。データも十分とは言えない状況ではあったが、「手応えが得られそう」な方向性を掴み、第3戦鈴鹿に臨んだミシュラン。

 既報のとおり、ミシュランはGT300へのタイヤ供給にあたり、一からGT300専用のタイヤを開発するのではなく、数ある開発タイヤのラインアップからGT300で使用するタイヤを選択するという体制を敷いている。2022年シーズンはその選択できる開発タイヤの使用枠を拡大して臨んでおり。今回の8年ぶりの勝利にも、その新たな供給スタンスが寄与したという。

2022スーパーGT第3戦鈴鹿 Studie BMW M4の装着したミシュランタイヤ
2022スーパーGT第3戦鈴鹿 Studie BMW M4の装着したミシュランタイヤ

「2戦を終えて、BMW M4 GT3で使える開発タイヤのグルーピングが適正化されていった結果だと思います」と小田島氏。さらに、7号車のタイヤ選択は“安定志向”だったとも明かした。

「ただ、2本交換や無交換といった、300kmレースにおけるトリッキーな戦略ができるほどの選択肢の幅がまだありませんでした。岡山、富士と過去2戦を振り返ると、決勝中のデグラデーションの問題があったため、まずは“きちんと完走できるタイヤ”を選択しましょうとチームと話しました。そのため、予選、決勝と安定志向のタイヤでしたが、鈴鹿のあのコンディションにおいては、速さもともなっていた、というふうに考えています」

 また、決勝の第2スティントを担当した近藤が、タイヤ無交換作戦でマージンを得たマッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号をアウトラップで抑え切ったことも、8年ぶりの両クラスダブル優勝を掴んだ大きな要因に違いない。また、小田島氏は「もう少しタイヤのグルーピングの適正化を煮詰めることができれば、戦略の幅も提供できるのではとは思っています」と今後に向けた見通しも口にする。

「第3戦鈴鹿は我々が思い描いていたストーリーに対し、両クラスとも懸念していた部分が思っていたよりも出なかった、というのも正直なところです。そして、我々の方向性も間違っていなかったことがわかり、自信になりました。タイヤ、クルマともに進むべき方向性を維持し、さらに煮詰めていくためのひとつの指標ができたレースになったと思います」と小田島氏は第3戦を総括した。

 次戦となる2022年シーズン第4戦は、第2戦と同じく富士スピードウェイで開催される。すでに一戦を経験している舞台で、ミシュランタイヤはどのような走りを見せるだろうか。“仕切り直し”となる決勝450kmの戦いの、その戦いぶりに注目したいところだ。

2022スーパーGT第3戦鈴鹿 Studie BMW M4(荒聖治/近藤翼)
2022スーパーGT第3戦鈴鹿 Studie BMW M4(荒聖治/近藤翼)


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