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スーパーGT ニュース

投稿日: 2023.08.06 10:16
更新日: 2023.08.06 10:17

LMcorsa 2023スーパーGT第4戦富士 予選レポート

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スーパーGT | LMcorsa 2023スーパーGT第4戦富士 予選レポート

S-GT2023 rd4 FSW QF
LMcorsa REPORT
#60 Syntium LMcorsa GR Supra GT

2カ月のインターバル中もチームは研鑽を重ねていき、マシンを的確にアップデート
性能向上を果たしたGR Supra GTは予選Q1をB組6番手で突破し、予選Q2で14位を獲得

 例年どおり4月に岡山国際サーキットで開幕した『AUTOBACS SUPER GT 2023 SERIES』は、ゴールデンウイークに富士スピードウェイで第2戦、6月上旬に鈴鹿サーキットで第3戦が実施され前半の3連戦を終えた。第3戦から第4戦の間は2カ月のインターバルが設けられていて、各チームは開幕戦から第3戦までの振り返りやマシンのアップデートを実施するなどして後半戦に向けた準備を進めてきた。

 LMcorsaがエントリーしているGT300クラスは、各自動車メーカーが製造したFIA-GT3マシン、GT300規定に沿って作られたGT300マシン、GTAが供給するマザーシャシーと3タイプから選択して参戦できるようになっている。GT300マシンは、外装パーツなども含めて規定に合致していればシーズン中のアップデートが許されている。チームは開幕から3戦の結果をもとにジオメトリーの見直しやエアロパーツの改良を実施し、今回の第4戦で実戦投入することとなった。

 そんな第4戦の『FUJI GT 450km RACE』は、8月5日(土)に公式練習と予選、6日(日)に450kmの決勝レースが行われる。レースウイークの走り出しとなる公式練習は9時から10時45分までの105分間となっていて、最後の20分はGT300とGT500のそれぞれのクラスが10分ずつの専有走行を実施。

 これまでの公式練習では、第1ドライバーを務める吉本大樹選手が持ち込みのセットアップや使用するタイヤの確認を行ってきたが、今回は河野駿佑選手がSyntium LMcorsa GR Supra GTに乗り込み、同様のプログラムを消化していく。

 まずはコースインすると1周でピットに戻りマシンの各部をチームがチェック。そして7周を走行すると再びピットに入り2カ月のインターバル中に開発してきたパーツの実走テストに移行。富士スピードウェイは午前中から気温が30度に迫る過酷なコンディションとなるが、河野選手は決められたメニューを順調に消化していく。頻繁にピットインとアウトを繰り返してパーツやセットアップの確認を行う。

 9時からスタートした公式練習はトラブルなく進んできたが、10時16分にGT300車両がコース上に止ったために赤旗が提示される。このタイミングで吉本選手がSyntium LMcorsa GR Supra GTに乗り込み、専有走行を含めた残りの約15分を走行。結果として河野選手がマークした1分38秒766がベストタイムで、GT300クラスの27台中18位で公式練習を締めくくった。

気象データ

気温:31度、路面温度:38度(公式練習開始時)
気温:33度、路面温度:45度(予選Q1時)

予選

 公式練習のあとには15分間のFCY(フルコースイエロー)があり、続けて来場者が観光バスに乗ってコースをマシンと一緒に走る30分のサーキットサファリが設けられていた。45分の走行時間も貴重なテスト機会で、吉本選手が予選に向けてマシンを仕上げていった。

 その後は併催カテゴリーの決勝レースやピットウォークなどを挟み、15時20分からGT300クラスの予選Q1がスタート。今回の予選もGT300クラスに出走する27台を2組にわけて競われる。LMcorsaはB組に振り分けられ、予選Q1は河野選手が担当した。

 富士スピードウェイは午後も強い日差しが照り付け、気温は33度、路面温度は45度まで上昇し非常に過酷なコンディションとなる。河野選手は10分間の予選Q1なので、コースオープンとともにウォームアップを始める。アウトラップと計測2周を使ってタイヤとブレーキに熱を入れると3周目にアタックを開始。

 ストレートスピードがライバルより劣るGR Supra GTだが、得意の高速コーナーが続くセクター2ではトップタイムをマークすると、登りのセクター3もミスなくまとめて1分37秒786を記録。タイム計時モニターの5番手に表示される。その後は1台がタイムを更新するが、予選Q1のB組で6位となり予選Q2への進出を果たした。

 GT500クラスの予選Q1を挟んで実施されたGT300クラスの予選Q2は吉本選手がSyntium LMcorsa GR Supra GTに乗り込んだ。予選Q1と同様でアウトラップ含め3周にわたってウォームアップすると、翌周にアタックを開始する。セクター1では予選Q1のタイムを上回ると1分37秒655をマーク。このタイムを記録した時点では16台中6番手のタイムだったが、ライバル勢がタイム伸ばしていき15位となる。終了後、一台が失格となり繰り上がりの14位で明日の決勝にのぞむこととなった。

 明日の決勝レースは15番グリッドからのスタートとなるが、富士スピードウェイは2年前に優勝しているコースでもあり、通常よりも長い450kmの距離で競われるため持ち味であるチームワークでポイント獲得を目指す。

コメント
飯田章監督

「路面温度が高い真夏のレースはこれまで苦手としてきたのですが、今回は2カ月のインターバルでタイヤもマシンも進化し、上位陣と戦える兆しが見えています。公式練習のときからドライバーも印象が悪くなかったようで、リザルトだけだと中段より後ろでしたが、内容としては良かったと感じています。予選もふたりのドライバーが持っているポテンシャルを出し切ってくれました。欲を言えば切りがありませんが、公式練習から予選を通して期待の持てる状況になっています。明日の決勝レースは天候も含めて読めませんが、チーム力でポジションを上げていきたいです」

吉本大樹選手

「公式練習の最後20分ほどとFCY訓練、サーキットサファリで走行したのですが、夏場にしてはタイムの落ちが少なく、これまでと異なった好印象です。路面温度が高い状況だと周回を重ねたときのタイムのドロップが激しかったのですが、それが抑制されていて手応えを感じています。予選は河野選手と異なるタイヤを履いたためタイムが出にくかったのですが、それでもミスなく走り切れました。決勝レースはウエットコンディションの予報もあり、雨でも武器になるであろうタイヤがあるので期待しています」

河野駿佑選手

「今回は公式練習の走り出しから乗らせてもらって、アップデートされたパーツなどを確認しました。タイヤも含めて向上していることを感じられ、真夏のレースでも戦える印象を受けています。それでも予選Q1は熾烈なタイムアタックになることが想定されたので、確実にタイムが出るタイヤで走らせてもらい、ミスなくまとめ切り役目を果たせました。コーナーは速いのに対してストレートが伸びないために、決勝レースでは苦しい場面があるかもしれません。それでも、ロングランのペースが悪くないので、しっかりと追い上げてポイント圏内に入っていきます」

2023スーパーGT第4戦富士 Syntium LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑)
2023スーパーGT第4戦富士 Syntium LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑)


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