ピット作業違反で2位から3位に降格もドライバーふたりは大健闘
ウォームアップ走行前に降った雨は一度止んだものの、スタート前にまた雨が降り始めた。ウォームアップ走行と比べ路面コンディションの変化が大きかったため、セーフティカースタートが導入された。2周を周回した後にセーフティカーが退き、レースが始まった。
スタートドライバーの福住仁嶺選手は慎重に1コーナーを抜けたが、最終セクションでひとつポジションを落としてしまう。雨が止み、路面が徐々に乾き始め、ドライタイヤに変えるクルマが出始めてきた。福住選手は9周目に2番手にポジションを上げる。
路面はだいぶ乾いてきたので、福住選手もピットイン、ドライタイヤに交換。6番手で周回を重ねる。全クルマがタイヤ交換を終え、福住選手はトップに浮上。ファステストラップを重ねトップを快走していく。しかし、2番手のクルマが徐々に差を縮めてきて、23周目に2番手にドロップしてしまう。
36周目にGT300クラスの車両が火災になり、ここでセーフティカーが導入される。火災したクルマ両の回収が終わり、41周目にリスタートが切られた。周回遅れのクルマに引っかかってしまい、次の周の1コーナーで順位をひとつ落としてしまう。47周目からルーティンのピットインを始めるクルマが出始め、トップに浮上。50周目を過ぎたところでわずかだが雨が降り始めるが、まだウェットタイヤを履くような雨ではない。
57周目にルーティンのピットインを行い、大津弘樹選手に交代。5番手でコースに復帰。ペースは良かったが、ここで66周目にまたGT300クラスのクルマ両が火災に見舞われ、セーフティカーが導入される。火災が大きくなり赤旗中断となってしまう。再スタート時間がアナウンスされたが、雨が降り始め、16時30分から再整列した後、セーフティカー先導後、71周目にリスタートが切られた。
リスタートでチームメイトの野尻選手に抜かれ、6番手に落ちてしまうが、80周目に野尻選手が100Rでオーバーランしてしまい、さらに前を走るクルマを抜いて4番手に浮上する。さらに順位を上げ、82周目には2番手を走行。そのまま最後まで走り切り、今季初表彰台の2位を獲得した。
しかしその後、チームがピット作業違反を取られてしまい、残念ながら2位から3位に降格となってしまった。
鈴木亜久里監督のコメント
「速さがあったのになかなか結果が出なかったので、ペナルティで2位から3位にはなってしまったけど嬉しいよね。優勝したクルマは別次元で、このコンディションでは太刀打ちできなかったけど、次は僕たちがそう言われるようにしたいね」
土屋圭市エグゼクティブアドバイザーのコメント
「16号クルマのパフォーマンスも非常に高かったので、次は8号車と16号車で優勝争いをしたいね」
田中洋克チームディレクターのコメント
「8号車と同じく天候を味方につけることができましたし、ペースも良かったので、ピット作業違反で2位表彰台から3位になってしまったことはドライバーには本当に申し訳なかったです。いずれにせよ優勝したミシュランの速さには手が届かなかったです。今後の課題というべきではないかと思いますが、この速さを維持し、鈴鹿でも良い結果を出したいと思います」
福住仁嶺選手のコメント
「最初のスティントを担当しましたが、タイヤの初動が周りと比べてあまりよくなかったので、序盤は苦しい時間帯でした。途中でドライタイヤに交換して、その直後は順位を落としてしまいましたが、展開として苦しい時間が続いているなかで、途中入ったSCの影響もなく、難しいコンディションでレースを戦えてペナルティは受けましたが、ぎりぎり表彰台に乗れたのは良かったです。次も頑張ります」
大津弘樹選手のコメント
「コンディションが目まぐるしく変わって難しいなかで、それぞれの選択が良かったと思いました。チームとしても噛み合わないレースが続いていましたが、こんな難しいコンディションでいろいろと噛み合って、但し、トップは速すぎて見えなかったですけど、自分たちができることはすべてできたと思います。ペナルティで2位から3位になってしまいましたが、嬉しい結果だと思います。勝てるポテンシャルもあると感じましたし、次に今回の改善点を次に生かしたいです」
