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スーパーGT ニュース

投稿日: 2023.09.01 15:13
更新日: 2023.09.01 15:15

apr LC500h GT 2023スーパーGT第5戦鈴鹿 レースレポート

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スーパーGT | apr LC500h GT 2023スーパーGT第5戦鈴鹿 レースレポート

2023 AUTOBACS SUPER GT ROUND 5
開催地:鈴鹿サーキット(三重県)/5.807km
8月26日(予選)
天候:晴れ コースコンディション:ドライ 観客数:1万2500人
8月27日(決勝)
天候:晴れ コースコンディション:ドライ 観客数:2万500人

予選の不運を決勝で挽回し、6位でゴール! 2戦連続でポイント獲得に成功

 2023シーズン、aprは全8戦で競われるスーパーGTにニューマシン、レクサスLC500hを投じてGT300クラスを戦う。31号車apr LC500h GTをドライブするのは嵯峨宏紀選手と小高一斗選手。また、8戦中5戦で開催予定の450kmレースでは、第3ドライバーとして根本悠生選手が起用される。タイヤはブリヂストンを使用する。

 シリーズ第5戦の舞台は、今季2度目の開催となる鈴鹿サーキット。その第3戦の予選Q1では小高選手がA組トップになるなど、apr LC500h GTのロングホイールベース、前後の重量バランスの良さが、低速から高速までコーナーが巧みに配された、コースレイアウトにマッチすることが、あらためて実証された。

 前回の富士スピードウェイでも予選は3番手だったものの、再車検で使用燃料の違反があり、最後尾スタートを余儀なくされる。決勝では気まぐれな天候に翻弄されながらも、5位でフィニッシュ。実質22台抜きを果たし、引き続きポテンシャルの高さをアピールしながらも、歯車が噛み合っていない感は否めなかった。いわば反省点も多いレースだったが、その悔しい思いを糧にできれば! サクセスウエイトは27kgとなったが、まだ勝負権あり。450kmに及ぶレース後に予定されている、打ち上げ花火を清々しい気分で見つめることを、目標とする。

公式練習8月26日(土)9:15〜10:50

 3週間前の第4戦も暑かったという印象だが、この第5戦も負けず劣らず……。いったい真夏が、いつまで続くのだろうかと思ってしまったぐらいだ。公式練習開始時の気温は33度、路面温度は39度。しかし、このぐらいの高音となることを想定したセットで、マシンは持ち込まれている。

 今回もapr LC500h GTには小高選手が最初に乗り込み、まずは持込セットの確認が行われ、2分0秒123はその時点での3番手。ここからは決勝に向けたセットアップが進められる。少ない周回でピットストップを繰り返し、さまざまなセットが試されていく。

 1時間20分ほど経過したところで、嵯峨選手にバトンタッチ。その後、予選練習としてニュータイヤに履き替えた。しかし、ここで予想外の事態が。アウトラップの2コーナーで姿勢を乱し、左リヤをヒットしてしまったのだ。ニュータイヤを履いたばかりで、冷えた状態だったとはいえ……。ダメージはそれなりで、その後の走行ができず、またこの後に控えたサファリやFCY(フルコースイエロー)テストを走るはずの、根本選手が1周もできなかったのは少なからぬ痛手となった。公式練習の最終的な順位は最初の10分で小高選手が記録した6番手に。

公式予選Q1 8月26日(土)15:53〜16:03

 今回の公式予選Q1に、apr LC500h GTはB組で臨み、久々に嵯峨選手がアタックを担当した。気温は33度ながら、路面温度に至っては53度にまで達していた。この過酷な条件、そして鈴鹿は1周が長いことから、計測2周目からさっそくアタックが開始される。

 しかし、嵯峨選手は1コーナーでオーバーラン。仕切り直して2分0秒901をマークするも、このタイムもスプーンコーナーでの走路外走行として採用されず。さらにもう1周攻め込むも、すでにタイヤはピークを過ぎており、2分1秒700を記すのが精いっぱい。10番手に甘んじ、Q2に控えた小高選手につなぐことはできなかった。

嵯峨宏紀選手

「ニュータイヤが試せなかったので、アンダーステアの量が分からなくて。若干タイヤも硬かったところもありましたが、曲げきれず止めきれずというところで……。自分自身も焦っちゃっているというのもあって、うまくいかなかったです。公式練習もニュータイヤでスピンしたり、基本的には僕のミスが大きかったと思います」

小高一斗選手

「今回の持ち込みタイヤはハードを選んでて、フロントタイヤのウォームアップが悪いというのを感じつつ、僕は公式練習でセットアップを、特にアンダーステア対策をやっていました。そこそこセットは出たので、嵯峨選手に行ってもらって、最後ニュー(タイヤ)で練習してもらおうと思いましたが、スピンからのクラッシュがあって練習できなくて。本来Q1は通れたと思うので、ちょっと悔しいですが、前回同様、諦めず頑張ります」

根本悠生選手

「GTの名門チームなので、ミスなくしっかり週末をスムーズに終えるというのを第一の目標としています。クルマは速いし、望みのセットにもしてくれますしブリヂストンタイヤのパフォーマンスも高く、チームは力があるので、本当にミスなくこなせば、必ずリザルトはついてくるので、それを目指して、明日はやっていきたいと思います」

金曽裕人監督

「この前の鈴鹿のリベンジを嵯峨にさせようとしたら、公式練習でクラッシュ。乗ってすぐ小高が6番手のクルマだったにも関わらず、まさかのQ1落ち。僕のなかではまったくあり得ない。だから、明日は前戦と同じで作戦で前に行くことを考えます。クラッシュの後、元どおりにしてくれたチーム力には感謝。だけど、ドライバーも含めチームは、いろいろ考えていかないと、勝てるものも勝てません。クルマが速いだけでは話にならないことが明らかになりました。作戦は今晩も寝ずに考えます」

2023スーパーGT第5戦鈴鹿 apr LC500h GT(嵯峨宏紀/小高一斗/根本悠生)
2023スーパーGT第5戦鈴鹿 apr LC500h GT(嵯峨宏紀/小高一斗/根本悠生)

決勝レース(77周) 8月27日(日)14:45〜

 土曜日の晩に強い雨が降って、コンディションの悪化が懸念されたものの、早朝からの日差しが路面を早々に乾かし、またサポートレースも行われたことで、どうやら著しい変化はなさそう。決勝を控えた20分のウォームアップは嵯峨から走行を開始。2分1秒186は、その時点で2番手のタイムだ。しかし、後半を担当した根本選手は、この週末初めてapr LC500h GTを走らせたにもかかわらず、2分0秒960をマークして、嵯峨選手のタイムを上回った。最終的な順位も2番手に。

 今回もスタートを担当したのは小高選手。20番手からダッシュを鋭く決めて、オープニングラップのうちに17番手へと浮上する。しかし、そこから先が大渋滞。今回も5周目以降の給油を伴うピットストップが2回義務づけられていたが、さっそくapr LC500h GTは1回目を6周目に実行、タイヤは換えず、小高選手のままコースに送り戻す。

 この間に順位を大きく落とすも、小高選手は早めに1回目のピットを終わらせた前を行く車両を容赦なく抜き続け、さらにライバルが1回目のピットストップのたび順位を上げていく。30周目のオーバーテイクによって、表彰台圏内の2番手にまで浮上した!

 そして36周目からは根本選手が担当。ここではタイヤを4本とも交換する。コースに戻ったapr LC500h GTのポジションは14番手。まだ2回目のピットストップを終えていないチームも多い。41周目、それまでトップを走っていた車両が、根本の前に入る。実質3番手といったところ。しかし、最大の誤算は45周目にFCYが提示され、その直前にピットに入れた車両が2台あったこと。

 結果、トップはこの2台によって争われるように。ならば狙うは3番手。この時点でapr LC500h GTは9番手ながら、まだ2回目のピットストップを終えていない車両もあり、やがて7番手に躍り出た根本選手には前を行く4台が見えていた。50周目のホームストレートで、まずは1台をパス。さらにピットストップをギリギリまで伸ばした車両があり、57周目には5番手に。しかし、根本選手には1台が後方から迫ってくる。相手は47周目のピットストップとあって、抵抗はしたもののタイヤの余力が違い過ぎた。66周目に抜かれてしまったのはやむを得まい。

 しかし、apr LC500h GTは6位でフィニッシュ。今回も14台抜きを果たした格好である。再び3週間後、9月16〜17日にスポーツランドSUGOのシリーズ第6戦は行われる。サクセスウエイトは42kgにも達したが、高速コーナー自慢のapr LC500h GTであれば、まだまだポイントの積み重ねは可能なはずだ!

嵯峨宏紀選手

「レースペースは良かったので、次につながるレースだったと思いますし、内容の濃いレースでした。次のSUGO、オートポリスはまだまだチャンスはあると思うし、ランキング的にも決して諦める位置ではないので、行けるところは行けるようにしたいと思います」

小高一斗選手

「僕は今回も頑張りました(笑)。コンディションにすべてがバチっと合っているわけではなかったし、パフォーマンスは完璧ではありませんでしたが、決勝スタートを担当し、後ろから速いペースで走れて、前まで持っていけたので、僕は良い経験ができたと思っています。前回ミスがあったタイヤ交換も今回は早かったですし、チームとしての意識は高まってると思うので、まだ3戦も残っていますから、もっといい結果を出せるように頑張ります」

根本悠生選手

「最後、一台に抜かれてしまいましたが、ペースもかなり違っていたので、ちょっと戦ってみましたが、守れるペースが僕になかったのでポジションを守り抜きました。ピットのタイミングも違っていたのでポイントを落としたくなかったのから無理はしませんでした。FCYのタイミングで前に行かれたのはあったにせよ、20位から6位まで上がってこられたのは、前戦の富士も含めて、チームは、すごくいい仕事ができたと思います。僕もミスなかったので、それは本当に良かったです。僕が走るのは、おそらく今回が最後。ヨーロッパでレースしているので。現場にいるのは最終戦のもてぎで、そこまではオンラインで応援します!」

金曽裕人監督

「とりあえず、きっちりチームとしてレースができました。ブリヂストンタイヤのパフォーマンスもいつも通り最高でした。前回はピットミスもありましたが、今回は本当にノーミスで、ピット作業で7秒前に行けていたからこそ順位を上げることもできました。小高選手は今回もいい仕事をしてくれました。彼のドライビングとオーバーテイクの技能はもう、普通にGT500ドライバーレベルです」

「次のSUGOでは土曜日からの流れを、どう作るか。少なくても、ここ2戦みたいなエラーを出さない様に、徹底します。人がやっていることだから、エラーはありますが、それを全員でリカバリーして前進しようと思っています。LC500hは、SUGOとの相性も良いはずですし、次こそ表彰台を、ご期待ください」

2023スーパーGT第5戦鈴鹿 apr LC500h GT(嵯峨宏紀/小高一斗/根本悠生)
2023スーパーGT第5戦鈴鹿 apr LC500h GT(嵯峨宏紀/小高一斗/根本悠生)


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