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クルマ ニュース

投稿日: 2023.07.13 15:42

贅を尽くした“S”の世界。走りも装備も価格も最高峰クラス/メルセデス・ベンツEQS SUV試乗

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クルマ | 贅を尽くした“S”の世界。走りも装備も価格も最高峰クラス/メルセデス・ベンツEQS SUV試乗

 車重は2900kg。メルセデス・ベンツ『B180』の車重が1440kgなので、ほぼ2台分の重さということになる。そう考えると、いや、別に考えなくてもいいのだが、『EQS 450 4MATIC SUV』は重たそうな素振りは一切見せず、ドライバーのアクセル操作に応じて軽快に反応する。これこそ電気で動くモーターの威力で、反応がいい。急勾配での加速など、さまざまなシーンで走りを確かめたが、動力性能に関しては頼もしさを感じるばかりで、ストレスを感じるシーンはなかった。メルセデス・ベンツのラインアップの中で最上級を示す“S”を車名に含むだけあり、走行中はずっと、圧倒的に静かである。

 回生ブレーキによる減速度はステアリング裏のパドルを引くことで3段階に強弱を切り替えることが可能。パドル操作でD Autoを選択すると状況に応じて回生ブレーキ力を最適に調節する。前方が開けている場合は、アクセルペダルをオフにしても大きな減速度は発生させない。

 いっぽう、先行車を検知すると、必要に応じて自動的に回生ブレーキを介入させ、先行車との車間距離を維持する。先行車が停止すれば、自車もシステムの判断で止まる。実質的に追従走行の機能をオンにしたようなものだ。

 フロントとリヤに搭載するモーターの駆動力は走行状況に応じて連続可変で緻密に制御しており、ドライバーを含め、乗員の知らないところで前後の配分を最適化。エネルギー効率を高めたり(航続距離を少しでも延ばすため)、旋回性を高めたり、トラクションを高めたりしている。運転していて「気持ちいいなぁ」と感じたとしたら、そのうちの一定の割合は緻密な前後のトルク配分制御のおかげだ。

 前後モーターのトルク配分制御は恩恵を体感するのは難しいが、後輪を最大10度逆相に切るリア・アクスルステアリングは恩恵を体感しやすい。『EQS 450 4MATIC SUV』の最小回転半径は、ホイールベースが3210mmもあるのに5.1mでしかない。『EQS』の内燃エンジン版ともいえる3列目シートを備えた『GLS』(ホイールベース3135mm)の最小回転半径が5.8mだと記せば、取り回しの良さが実感できるだろうか。ちなみに、車重で引き合いに出したB180(ホイールベース2730mm)の最小回転半径は5.0mだ。

 走行中にステアリングを切り込んだ際は車速に応じてリア・アクスルステアリングを逆相(低中速)または同相(高速)に制御しているはずで、それが、巨体なのに意のままに動いてドライバーに快感を与える陰の功労者として機能している。寸法や重量の数字が示すように、『EQS 450 4MATIC SUV』は大きく重たいクルマには違いないが、そうは感じさせないところが技術の力だ。

日本仕様のハンドル位置は右ハンドル。
日本仕様のハンドル位置は右ハンドル。
メルセデス・ベンツ『EQS 450 4MATIC SUV』
メルセデス・ベンツ『EQS 450 4MATIC SUV』
メルセデス・ベンツ『EQS 450 4MATIC SUV』
メルセデス・ベンツ『EQS 450 4MATIC SUV』
メルセデス・ベンツ『EQS 450 4MATIC SUV』
メルセデス・ベンツ『EQS 450 4MATIC SUV』
BEV専用のフラッグシップセダン『EQS』と共通プラットフォームを使ったSUVが『EQS SUV』。メルセデスのSUVラインナップで頂点に立つモデルだ。
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