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F1 ニュース

投稿日: 2024.02.07 12:27

フェラーリ、PUの進歩でリヤタイヤの摩耗対策がさらに前進か。テストではピレリのタイヤ開発に協力

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F1 | フェラーリ、PUの進歩でリヤタイヤの摩耗対策がさらに前進か。テストではピレリのタイヤ開発に協力

 フェラーリは先週、スペインのカタロニア・サーキットで実施した3日間のテストにおいて、ピレリの2025年型スリックタイヤ開発に協力し、バーレーンでのF1公式テスト開始前にシャルル・ルクレールとカルロス・サインツにスピード感を取り戻させたほか、2022年仕様の『F1-75』でセットアップテストも行った。これは現在マラネロで行われている『SF-24』のサーキットデビューに向けた準備に大いに役立つはずだ。

 このテストでルクレールとサインツがドライブした『SF-23』は、空力、機械、電子的なセッティングに関しては、ピレリとの契約条件により昨シーズン末に使われたときとまったく同じ状態でなければならなかった。バルセロナでテストされた多くのプロトタイプ・スリックタイヤがどのように機能するか、ピレリが正確に理解できるようにするためだ。

 2日間の走行を通してSF-23は標準構成のまま。走行ごとに変化するのは、使用されたさまざまなタイヤのセットの違いだけだった。ピレリが収集したすべてのデータは即座に読み取られることになっており、ピレリはチームがマシンのセットアップのいかなる部分も変更することを望まなかった。

シャルル・ルクレールのSF-75 2022年F1第22戦アブダビGP
シャルル・ルクレールのSF-75 2022年F1第22戦アブダビGP

 一方で、スポーティングレギュレーションにより2年前のマシンで新しいパーツをテストすることはできないが、セットアップの点では既存のパーツで行えることに制限はない。つまりチームは『SF-75』ではパワーユニットの電子設定やギヤボックスなどのセッティングに取り組み、マネジメントの改善を図ることができた。

 フェラーリに近い情報筋によると、スクーデリアでは初日はシャルル・ルクレールと開発ドライバーのアーサー・ルクレールが走行し、その後はカルロス・サインツと新リザーブドライバーのオリバー・ベアマンが1日ずつ走行を行ったという。

 昨季2023年のスクーデリアの主な問題は、レース中のリヤタイヤの過度の劣化だった。チームはそれがパワーユニット(PU)のハイブリッド部分のパワー供給特性によるものだと考えていたため、さまざまなMGU-Kマッピングに取り組み、バルセロナでのプライベートセッションでテストを行った。

 2023年シーズンの半ば、フェラーリにメルセデスとホンダの両方から数人のエンジンスペシャリストが加わった。彼らは跳ね馬のPUのMGU-Kが、彼らが以前取り扱っていたPUよりもはるかに過酷なかたちでパワーを発揮していることにすぐに気づいた。そのため、エンジングループのエレクトロニクス部門は、トルクの伝達を以前よりもスムーズにする新しいマッピングの開発を課された。それにより昨シーズンは多くの進歩が見られたが、今シーズンはさらに大きな飛躍を遂げようとしている。

 パワーの伝達がよりスムーズになったことは、リヤタイヤの寿命に直接的なメリットをもたらした。ドライバーがコーナーから出る際にスロットルを踏んでもタイヤが大きなストレスにさらされることがなくなり、コーナー出口で供給されるパワーが実質的に少なくなるためだ。また、ストレートの終わりにはより多くのパワーを使えるので、2023年にレッドブルより劣勢にあったトップスピードも改善されるだろう。

 カタロニア・サーキットで使用された『F1-75』には2022年仕様のパワーユニットとデモタイヤが使われたが、フェラーリは、スペインでの3日間のテストで見られた進歩が、今年のパワーユニットとピレリのレースタイヤに反映されると確信しており、2月13日(火)にフィオラノのプライベートコースで予定されている2024年型F1マシン『SF-24』のシェイクダウンですぐにも検証したいと考えている。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル/左)とシャルル・ルクレール(フェラーリ/右) 2023年F1第19戦アメリカGP
マックス・フェルスタッペン(レッドブル/左)とシャルル・ルクレール(フェラーリ/右) 2023年F1第19戦アメリカGP


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