リカルドとペレスも、ほかの大勢のドライバーと同様、グリッドの後方でエンジンのスイッチを切り、コクピットに座ってメカニックに押してもらっているマシンのステアリングを左右に細かく切って、人ごみをかき分けながら自分のグリッドに着いた。
その後、一番最後にメルセデスAMGの2台がグリッド後方に到着。その写真を見て驚いた。コクピットにドライバーが座っていないのである。
これはドライバーを国歌演奏セレモニーに間に合わせるためにとったアイデアで、チームはコクピットにドライバーがいなくても進路を変えられるよう、マシンを台車に乗せてメカニックたちだけグリッドまで押していたのである。
さらにドライバーが脱いだヘルメットはフィジオが持って、マシンの後ろを早歩きで追っかけていた。その時刻が13時44分だから、すでに体一つで国歌演奏セレモニーへ向かったメルセデスAMGの2人のドライバーは、集合時間の13時46分までにスタートライン上に整列していたこととなる。
そのころ、ペレスはようやく到着したグリッド上でコクピットから降りるのにさらに時間を要していた。その時刻が13時45分だったのだから、遅刻するのは当然だった。
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