7月27日、午後4時、ザウバーとホンダがロシアGPで決定していた『2018年の提携』を白紙に戻すと発表。それから18時間後の28日、午前10時。ザウバーはフェラーリのパワーユニットを2018年から複数年に渡って搭載すると発表した。
当初、ザウバーの2018年のパワーユニットに関しては3つの候補が上がっていた。
ひとつはメルセデスだ。現在、F1界で最も性能が高いと言われているメルセデスを搭載することに、ザウバー側は異論はない。
メルセデス側にとっては育成ドライバーのパスカル・ウェーレインのシートを確保できるというメリットもある。しかし、メルセデスはすでにワークスを含め3チームにパワーユニットを供給しているため、4チーム目へ供給するには全チームの合意が必要だった。
次に候補に挙がったのがルノーだ。フレデリック・バスールはルノーのチーム代表を解任されたが、それはルノーのチーム内においてシリル・アビデブール(ルノー/マネジングディレクター)との権力闘争に敗れたためで、ルノー・スポール本社との関係は良好だった。
だが、ルノーもすでに3チームにパワーユニットを供給しているため、4チームへ実現するためにはメルセデス同様、全チームの合意が必要だった。また、これを実現するにはギヤボックスをザウバーが開発しなければならないというもうひとつの問題があった。つまり、ルノーにもザウバーにもメリットはほとんどなかった。
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