ちょっと毒舌なF1ジャーナリストがお届けするF1の裏話。今回はF1第17戦日本GP編です。
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今回のこのコラムは、F1の裏話というよりも、トラベルブログのようなものになりそうだ。
その理由は、1年前に2018年のF1カレンダーを決める時、どこかの誰かが「そうだ、ロシアGPと鈴鹿のレースを2週連続開催にしたらいい!」と思ったことにある。
膨大な額の年間予算を持つF1チームなら、たいして困りもしないだろう。彼らはソチから日本へ直行するフライトをチャーターできるからだ。だが、このスポーツで仕事をする人々の大半にとって、この日程は乗り継ぎが面倒で厄介な移動を強いられることを意味する。
例として、私自身がどうしたかをお教えしよう。そもそも、ソチへ行くだけでも3つの便を乗り継ぐ必要があったのだが、そこから日本への旅程は、まず深夜便で目的地とは反対方向のモスクワへ飛んだ後、そこから5時間かけてアブダビへ行き、さらに10時間近いフライトでようやく東京に到着というものだった。
結局、ロシアでレースが行われた日曜の朝に起きてから、火曜の夜に日本に着くまで、私は一度もベッドには寝られなかった!
しかし、あるレースから次のレースへと、世界を股にかけた大移動を自力でやり遂げるのは、特にそのルートが簡単なものではない時ほど、ちょっとした満足感にひたれるものでもある。
実際、日本GPに関して言えば、ヨーロッパの人間の多くが日本国内での移動スキルを自慢したがる理由もそこにある。私たちが日本の鉄道網について理解を深め、必要な切符を自分で買えるようになるには、ある程度の時間がかかるものなのだ。
ジャーナリスト仲間にも、メディアセンターで話を聞いてくれる人を探しては、自分が今回はどんなルートで鈴鹿に来たかを説明し、どこか行きたいところがあれば電車での行き方を教えてやると熱心に語る者が何人かいる。
なかでもある報道関係者は、名古屋と白子の間の移動に使える5日間乗り放題のフリーパスがあるのを何年か前に知り、それを大いに活用していることを吹聴して回っていた。
彼にとって、近鉄線を駆使してあちこちを旅して回る能力は、自己の存在理由にも等しいほど大切なものらしい。それゆえに、ある仕事仲間がほんの軽い気持ちで前夜の乗り換えの失敗を指摘すると、彼は金曜日にサーキットにいた時間の大半を「決して間違ったわけではない」という反論に費やした。そういう時には、激しく抗弁すればするほど、かえって怪しまれるものだ……。
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