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F1 ニュース

投稿日: 2019.06.21 11:23
更新日: 2019.06.20 19:36

ドライバー移籍市場に予想外の展開も? 2020年F1ストーブリーグ情報

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F1 | ドライバー移籍市場に予想外の展開も? 2020年F1ストーブリーグ情報

 メルセデスとは対照的にフェラーリはより複雑な状況に置かれている。セバスチャン・ベッテルが20年シーズンまでチームとの契約が残っていることはたしかだが、イタリアGPまでに少なくとも3勝できなければ違約金を支払わずにチームを去ることができる。

 同様に、その場合にはフェラーリのほうから見切りをつけることもあり得る。

 だが、違約金が発生しない条件は、両者が契約解除に合意した場合に限られるため、一方が契約解除を要請し、他方が履行を要請した場合は、お互いの主張を取り下げるための違約金が発生する。

 その額は1年間の報酬額に相当し、3400万ユーロ(約41億円)にもなるのだ! ベッテルが今シーズンもチャンピオンを獲得できなければ、6年もの長きに渡りタイトルから遠ざかることになり、多かれ少なかれベッテルが満足していない姿も目に浮かぶ。

 ただし、他のトップチームへの移籍を熱望したとしても、20年シーズン前に彼を雇い入れるチームは存在しないのが現状だ。

 実際のところ、フェラーリ内部にはベッテルの小さなミスや繰り返される気分の変化にうんざりし、シャルル・ルクレールのほうが速くても自分中心のチーム作りを要求する姿に移籍を強く願う者もいる。

 現在マラネロでは、ベッテルの代わりにふたりのドライバーを絞り込んでいる。優勝経験があり、常に素晴らしいチームプレイヤーであることを実証してきたボッタスとダニエル・リカルドだ。

 ルクレールがチームを引っ張り、タイトル争いに加わるまであと1、2年は必要だと考えているフェラーリのマネジメントは、信頼が厚く、複雑な状況をもたらさず、そして純粋に速いチームメイトがいればルクレールの成長が加速し、数年内には最良の結果が見込まれると考えている。

 だが前述のとおりボッタスはまだ決まっていないものの望みは薄く、リカルドは、昨年まで自らが経験してきたレッドブルとマックス・フェルスタッペンの状況が、フェラーリとルクレールとの間でも生じるのではと懸念しており、移籍をためらうかもしれない。

■レッドブル総帥の考えは未知数

 レッドブルは、フェルスタッペンが20年シーズンまでチームに在籍することは確実で、やがてはハミルトンやベッテルと同等レベルの年俸を勝ち取ることになりそうだが、チームは21年シーズン終了までに勝てるマシンを提供できなければ、フェラーリやメルセデスに引き抜かれるかもしれないというプレッシャーに晒されることになる。

 今シーズン開幕戦から大きく失望させられているピエール・ガスリーのようなセカンドドライバーにはさらなるプレッシャーが掛かっている。ガスリーについて言える唯一確実な点は、ヘルムート・マルコが指揮を執るレッドブルのヤングドライバープログラムには代わりとなるドライバーがおらず、来季に向けて代わりのドライバーを探すつもりもないことだ。

 最近、ニコ・ヒュルケンベルグが来季レッドブルに加入するという噂が流れてきたが、これは今季リカルドに予選で7戦中6戦で後れを取っていることから、ルノーとの契約更新の交渉を優位にするための手段として、彼と緊密な関係にある人たちによって流された話に過ぎない。

 姉妹チームのトロロッソは、ダニール・クビアトとアレクサンダー・アルボンが素晴らしい走りを見せているが、ガスリーの代わりとして声が掛かることはないだろう。

 クビアトは2015年と2016年の開幕4戦までレッドブルでドライバーを務めたが、戦績不振でフェルスタッペンとスワップする形でトロロッソに引き戻された。現在は当時よりドライバーとして成長してはいるが、ミスを認めるのを嫌うマルコが彼を再び昇進させるとは考え難い。

 かたやルーキーのアルボンがトップチームに入るにはまだまだ未熟で、トロロッソで2年目を過ごすことが唯一のメリットであると見られている。加えて、ダニエル・ティクトゥムが失意の気分で日本のスーパーフォーミュラに参戦することもあり、トロロッソが来年も同じラインアップを維持する可能性は高い。

 だが何をするか分からないマルコのことだ。ひょっとしたらガスリーを追い出しクビアトかアルボンの一方を昇進させたり、ティクトゥムにチャンスを与えるかもしれない。

■鍵を握るペレスの動き


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